苛立ちもようやく収まってきたので再開する。
苛立ちは収まって来たけど、苛立ちの原因になった奴を許したわけではない。
ただ、そいつとのやり取りを見てもらった方全員から、
「これはひどい。平岩さん、よく我慢できたね。
こういう人とはもう付き合わない方がいい。
あなたと摂ちゃんの味方は大勢いるんだから気にしないで。」
と励まされ、少し溜飲が下がっただけだ。
なんで私がここまで怒っているのか、いつの日かブログで説明しようとは思うが、それはまだ少し先のことだ。
今は思い出すだけでもむかっ腹がたつので、そのクソ野郎のことは私の記憶から一時抹消することにする。
はい、忘れた。
・・・・えーっと、何の話でしたっけ?
まぁ、いいや。摂子のことに話を戻そう。
私が弁護士になって、ようやく親父とも仲良く酒を飲んで話ができるようになってから、酒の勢いを借りて親父に聞いてみたことがある。
「親父さ、実の娘(※知子のこと)はダウン症で生まれてきて2ヶ月で死んじゃってさ。
代わりに貰ってきて実子として戸籍に入れちゃった摂子は知的障害を負って死ぬまで面倒見なきゃならなくなっちゃってさ。
貧乏くじ引いた人生だなぁ・・・って自分の運命を呪ったりとかしたことねーの?」
私の、この無神経な質問に対する親父のこたえ。
「知子の時は正直、がっくりしたけどなぁ。
摂子が知的障害児だって分かったときはな、こりゃ、どうも、天の上にいる神様が、
『お前は二人目の子供はそういう(障害を負った)子供を育てろ』
と命じてる気がしてなぁ。
神様がそう言ってるなら、こりゃもう、仕方ない。
一生懸命、摂子を育てよう、と思ったわ。」
生まれて初めて親父を人間として尊敬し、「俺はこの男の息子に生まれてきてよかったな」と思った。
こういう言葉をしれっと吐ける男を、私は心底、格好いいと思う。
なので、私も親父に約束した。
「親父が死んだら、俺が親父に代わって摂子の面倒を見るよ。死ぬまで。」
親父との約束は、私が死ぬか、摂子が死ぬまで有効である。