漏出した情報は2000万件を超える勢いだという。日本の人口がざっくり1億2000万人だとして日本人の6人に1人の情報はベネッセが持っていたわけだな。東京都なら2個分だ。
漏出していない情報もあるだろうから割合的にはもっと多いか。しまじろう、恐るべし。
私としてはベネッセの情報管理担当は「しまじろう」ではなく「とりっぴぃ」じゃないかと踏んでいるのだが。で、「みみりん」が有能なアシスタントね。「島二郎」より「Torippy」&「Mimilin」の方がスパイ映画っぽくてカッコイイだろう。
閑話休題。
知人のT氏がFBで、
「そんなに大騒ぎするほどのことかな? クレジットカード情報が漏れたわけでもないんでしょ?」
と書いていたのを見つけたので、FBerになった私は早速、
「同意。みんなちょっと大騒ぎしすぎ。」
とコメント(要約)をつけておいた。スゴイだろ。「シェア」どころか、もう「コメント」までつけれるようになっちゃったぞ。FBもちょろいもんだ。やり方がわからないので自分の記事(?)はまだ投稿できないが。
ところが。その後の発表で「クレジットカード情報も漏れていた可能性がある」とのこと。おいおい。
なにやら上記私のコメントの前提が変わりそうな雲行きになってきたので、ここで改めてコメントすることにいたしました。
ちなみに、ウチの2人のチビ(年長組と小6)の情報も漏出情報に含まれていたらしいことが、ベネッセから頂いたお詫び状で判明した。
なので、今回は弁護士としてではなく「被害者(の親)」としてのコメントだ。
ネットを見ると、
「ベネッセは補償費用として200億円用意した」
とか
「損害賠償額は一人いくらくらい」
とか
「安すぎる。結局泣き寝入りかぁ」
とか
「とりあえず、不安不安と叫べばいくらかでも金が取れる」
という記事がやたら目につく。
もちろん、私もお金は欲しい。私も人の子、お金は大好きだ。愛していると言ってもいい。
しかし、今回の件でベネッセに金銭を請求するつもりはまったくないぞ。T氏へのコメントでも書いたとおり、「島二郎・・・、じゃなかった、しまじろうガンバレ」という気持ちに変化もない。
だいたい、「損害賠償、損害賠償」と騒いでいる方々。今回の漏出事件で「なんかヤダ。不安だもん」という精神的な問題以外どんな損害が発生しましたか?
あるブログで
「この先、子どもが中学入学、高校入学、大学入学するたびに、ワケのわからない業者からDMや勧誘電話がくる。今回の件はずっと先まで尾を引くんだ(だから補償しろ)」
というご主張があった。クレジットカード情報の漏出が明らかになっていなかった時点でこの言い草である。
いらないDMが届いたら捨てればいいんじゃね? 電話が鬱陶しかったら「二度と電話しないでね」と切ればいいんじゃね?
クレジットカード情報が流出したといっても、現時点でクレジットカードを無断使用されたわけでもあるまい。仮に無断で使われたとしても、普通、その場合はクレジットカード会社がかけている保険が適用されるだろう。それでも心配なら、クレジットカード自体を再発行してもらって暗証番号も変えてしまえば済むこと。そんなたいした手間じゃないでしょ。
「不安だ、不安だ、不安だ、不安だ・・・」
いったい、どんだけナーバスなんだか。
「ぼんやりとした不安」に耐えきれなくなって死を選んだ芥川龍之介だな。
私の経験則上、人間というのは50%の過失と、25%の悪意と、25%の善意でできている動物である。たぶん。
だから、誰かに自分(や家族)の情報を渡した時点で、おおよそ75%の確率でその情報は第三者の手に渡ると覚悟した方がよろしい。
とはいえ、自分(や家族)の情報が第三者の手に渡るというのはそんなにナーバスに大騒ぎすることか?
だったらFBやLINEやブログで、「いま食事しているレストラン」とか「一緒にいる人ナウ」とか「可愛い子どもの写真」とか「愛犬のお茶目な仕草」とかも公開するのを止めた方がいいんではないかい?
これだけ情報が氾濫している社会で「自分の情報だけが安全かつ完全に管理されている(あるいは管理して欲しい)」と思うのは、二〇三高地に突撃する兵隊が(←古い)、「自分にだけは弾が当たらない(当たらないでね)」と思っているのに等しい。
「情報」というのは形がないぶん、管理困難な代物だ。だから意図しない誰かの手に渡ることもあるし、望まない形で公開されてしまうこともある。そういう前提で、「仮にそうなった場合の適切な対処法」を身につけておくことの方が必要だと思うぞ。適切な対処もしないで、不安だ不安だと騒いで、「だからカネくれ」と言うのは、いい大人のすることじゃない。
仮に、法的に損害賠償が認められるほどの精神的苦痛を被ったとしても、個人情報漏出を理由として裁判で認められる(精神的)損害に対する賠償額など、はっきり言って雀の涙にも満たない額だ。むしろ、
「私の被った苦痛を裁判所が金銭評価するとたったこれだけ?」
と二次的な精神的苦痛を被る可能性の方が遙かに高い。
それくらいなら、
「情報もまともに管理できないベネッセは信用できないから、今後、いっさいベネッセの商品は買わないし、講座も受講しない」
という方が遙かにマシな気もする。
「信用できないヤツには以後、関わらない」
というのも適切な大人の対処法の一つのはずだ。
とはいえ、私は、「しまじろう」も「とりっぴぃ」も「みみりん」も好きなので今後もベネッセを応援するが。
2000万人を敵に回しそうだな。