カノープスというのは「りゅうこつ座」のα(アルファ)星の固有名で、アケルナルというのは「エリダヌス座」のα星の固有名です。
いずれも明るい1等星で、2022年版天文年鑑332〜333ページによれば、カノープスは−0.72等級、アケルナルは0.46等級です。
カノープスの赤緯は −52.7度。
大気による浮き上がり現象(大気差)の0.8〜0.9度を考慮しても、北緯38.3度の仙台市では見ることができず、北緯37.7度の福島市以南で南中時にぎりぎり見ることができます。もちろん南の水平線が見晴らせる場所という条件がつきます。
一方、アケルナルの赤緯は −57.1度。
大気差を考慮しても、北緯34.4度の広島市では見ることができず、北緯33.6度の福岡市以南で南中時にぎりぎり見ることができます。
さて、このカノープスとアケルナルを同時に見ることができる緯度は日本だとどこか、SkySafari というアプリを使って調べてみました。
調べた結果、北緯30.6度の屋久島では同時に見えず、北緯28.4度の奄美大島から南の地域だとギリギリ同時に見ることができるということが判明。
北緯24.7度の宮古島ではカノープスとアケルナルを余裕で同時に見ることが可能です。
宮古島での状況を SkySafari というアプリで表示してみました。
12月6日だと23時15分ごろに南中前のカノープスと南中後のアケルナルが同じ地平高度4.6度ほどになります。
20年ほど昔なら、球面三角の公式を解かないと求められませんでしたので、いい時代になったなあと感じます。
ということで、12月6日(火)の夜、宮古島天体観測所の郊外へ遠出してきました。
実はこの日、21時半ごろまでは曇っていて、星見を諦めていました。21時半過ぎにいきなり雲が切れてきたものの、星の明滅が凄く、望遠鏡で観察すると大気の揺れが激しく望遠鏡の観望には適していませんでした。
そこで、カノープスとアケルナルを拝もうと今回の宮古島滞在で初めて星見の外出です。
自動車で20分ほど走って、23時ごろに南の水平線が見える場所に到着。
水平線近くの低空にカノープスとアケルナルが見えるはずですが、低空には雲があって両方の星が見えません。
その場で待つこと50分ほど。すでにアケルナルは超低空になったはずで見るのは無理。
そのとき、雲の切れ間からカノープスが肉眼で見えました。そのときの1枚です。
満月2日前の眩しい月が南国の浜辺を明るく照らしています。
アケルナルは時間が遅すぎて超低空になってしまったので写る見込みが全くなかったことから画像を半分ほどにトリミングしています。
撮影時のカノープスの地平高度は7.4度ほど、アケルナルは2.3度ほどでした。
焦点距離24mm相当、絞りF4、感度ISO2500、露出8秒。
カノープスとアケルナルのツーショット、次回に期待です。
ところで、このカノープスとアケルナル結んだ線上の南側に「大マゼラン雲」(Large Magellanic Cloud, 略してLMC)があります。
大マゼラン雲は視直径が約10度もある巨大な星雲状天体で、赤緯が−65度から−75度ほどです。
北緯25度以南の地点では大マゼラン雲の北端が見え始め、北緯15度では南中時に全部見える計算になります。実際には地平線近くの大気の減光の影響で、もう5度ほど南に行かないと大マゼラン雲の全体像を確認するのは難しそうです。
51000905
2012年6月に南半球のオーストラリアで撮影した画像です。
大マゼラン雲(左)と小マゼラン雲(中央上)の他に、左上にはアケルナル、左下にはカノープス、右下にはケンタウルス座のアルファ星とベータ星が写っています。
6月20日4時58分に撮影。焦点距離24mm相当、露出250秒、絞りF2.0、感度ISO800。
なお、南十字星については2021年1月のブログ記事 【 日本国内で南十字星が見えるか? 】をご覧ください。
いずれも明るい1等星で、2022年版天文年鑑332〜333ページによれば、カノープスは−0.72等級、アケルナルは0.46等級です。
カノープスの赤緯は −52.7度。
大気による浮き上がり現象(大気差)の0.8〜0.9度を考慮しても、北緯38.3度の仙台市では見ることができず、北緯37.7度の福島市以南で南中時にぎりぎり見ることができます。もちろん南の水平線が見晴らせる場所という条件がつきます。
一方、アケルナルの赤緯は −57.1度。
大気差を考慮しても、北緯34.4度の広島市では見ることができず、北緯33.6度の福岡市以南で南中時にぎりぎり見ることができます。
さて、このカノープスとアケルナルを同時に見ることができる緯度は日本だとどこか、SkySafari というアプリを使って調べてみました。
調べた結果、北緯30.6度の屋久島では同時に見えず、北緯28.4度の奄美大島から南の地域だとギリギリ同時に見ることができるということが判明。
北緯24.7度の宮古島ではカノープスとアケルナルを余裕で同時に見ることが可能です。
宮古島での状況を SkySafari というアプリで表示してみました。
12月6日だと23時15分ごろに南中前のカノープスと南中後のアケルナルが同じ地平高度4.6度ほどになります。
20年ほど昔なら、球面三角の公式を解かないと求められませんでしたので、いい時代になったなあと感じます。
ということで、12月6日(火)の夜、宮古島天体観測所の郊外へ遠出してきました。
実はこの日、21時半ごろまでは曇っていて、星見を諦めていました。21時半過ぎにいきなり雲が切れてきたものの、星の明滅が凄く、望遠鏡で観察すると大気の揺れが激しく望遠鏡の観望には適していませんでした。
そこで、カノープスとアケルナルを拝もうと今回の宮古島滞在で初めて星見の外出です。
自動車で20分ほど走って、23時ごろに南の水平線が見える場所に到着。
水平線近くの低空にカノープスとアケルナルが見えるはずですが、低空には雲があって両方の星が見えません。
その場で待つこと50分ほど。すでにアケルナルは超低空になったはずで見るのは無理。
そのとき、雲の切れ間からカノープスが肉眼で見えました。そのときの1枚です。
満月2日前の眩しい月が南国の浜辺を明るく照らしています。
アケルナルは時間が遅すぎて超低空になってしまったので写る見込みが全くなかったことから画像を半分ほどにトリミングしています。
撮影時のカノープスの地平高度は7.4度ほど、アケルナルは2.3度ほどでした。
焦点距離24mm相当、絞りF4、感度ISO2500、露出8秒。
カノープスとアケルナルのツーショット、次回に期待です。
ところで、このカノープスとアケルナル結んだ線上の南側に「大マゼラン雲」(Large Magellanic Cloud, 略してLMC)があります。
大マゼラン雲は視直径が約10度もある巨大な星雲状天体で、赤緯が−65度から−75度ほどです。
北緯25度以南の地点では大マゼラン雲の北端が見え始め、北緯15度では南中時に全部見える計算になります。実際には地平線近くの大気の減光の影響で、もう5度ほど南に行かないと大マゼラン雲の全体像を確認するのは難しそうです。
51000905
2012年6月に南半球のオーストラリアで撮影した画像です。
大マゼラン雲(左)と小マゼラン雲(中央上)の他に、左上にはアケルナル、左下にはカノープス、右下にはケンタウルス座のアルファ星とベータ星が写っています。
6月20日4時58分に撮影。焦点距離24mm相当、露出250秒、絞りF2.0、感度ISO800。
なお、南十字星については2021年1月のブログ記事 【 日本国内で南十字星が見えるか? 】をご覧ください。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます