★星空日記コリメート風goo★

星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

2023年1月28日未明のZTF彗星

2023-01-29 06:00:00 | 天体の記事
 ZTF彗星(C/2022 E3)は、2022年3月にアメリカ・パロマー山天文台のZTF(Zwicky Transient Facility)サーベイ計画で発見された彗星です。

 最近のマスコミ報道によくある、思わせぶりな「緑色の彗星、5万年振りに地球に接近」などのキャッチコピーに惑わされる人が多いようですが、確かに言えることは、数年ぶりにやや明るめの彗星が北半球の日本で見やすいと言ったところでしょうか。

 比較的に明るい彗星とはいえ、光害が酷い都心部だと裸眼で見るのはまず無理。夜空が暗い郊外であっても、ZTF彗星の位置をよく知っていない限り見るのはかなり困難です。


 とはいえ、数年ぶりの明るい彗星ということで、1月27日(金)20時に札幌を出発し、中富良野町南富良野町の金山湖の近くまで片道170kmほど遠征してきました。

 町道の除雪行き止まりでワゴンRを停め、10倍40mm双眼鏡でZTF彗星の予報位置を探すとすぐに見つけられました。コマと呼ばれる部分が楕円形であることもわかります。
 双眼鏡で彗星の位置を確かめてから肉眼で注意深く探すと、裸眼でもようやく超淡い彗星の存在が確認できました。実視等級6等級といったところでしょうか。


 こぐま座のポラリス(αUMi)とコカブ(βUMi)のすぐ傍にZTF彗星が見えています。気温マイナス20度の影響で撮影レンズのズーム回転機構が硬くなってしまい、回すのに力が必要でした。
 ソフトフィルター、12ー35mmF2.8、ミラーレスカメラGX7MK3で撮影。


 口径10cmF8屈折望遠鏡を使いコリメート撮影したZTF彗星です。天頂方向を上にして掲載(天の北極方向は左側)。
 42mm接眼鏡、ミラーレスGX7MK3、合成焦点距離530mm相当。コリメート撮影の欠点で周辺像が大きく乱れています。


 尾がわかりやすいようモノクロネガ反転させ、コントラストを強調してみました。
 上と下に2本の尾が写っています。上の尾(方位角260度〜280度)はダストテイル(チリの尾)で間違いないと思いますが、右下の尾(方位角120度〜130度)はイオンテイル(ガスの尾)でしょうか。
 10cm屈折20倍だと淡い2本の尾がかろうじて見えます。


 彗星を撮影している様子です。2016年に入手したマークX赤道儀の初使用でした。
 持参した2台の赤道儀のうち、GPD赤道儀はやはり電気系統の調子が悪く、恒星時追尾ができまなかったのが残念。

 遠征途中の占冠(しむかっぷ)という場所では走行中にマイナス24度を記録。帰宅したのは1月28日6時で、東の空が明るくなり始めた時刻です。

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