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星や旅などの話題を「ひらい」が札幌から発信。2010年開設。2022年7月にteacupからgooへ引越しました。

望遠鏡で見るガリレオ衛星の名前を知る方法

2022-07-31 06:00:00 | 天体の記事
 木星の衛星のうち、特に明るい4個の衛星のことを発見者のガリレオ・ガリレイにちなんで「ガリレオ衛星」、あるいは「木星の四大衛星」と呼ばれます。

 ガリレオ衛星はいずれも5〜6等級なので、小さな望遠鏡でもはっきり見ることができます。
 天文年鑑2022年版221ページによれば、木星の衛星は現在79個が確認されていますが、ガリレオ衛星を除くと一番明るいアマルテアでも14等級なので、大望遠鏡でなければ見ることができません。(アマルテアは1892年にリック天文台の口径91cm屈折望遠鏡で発見されています。←Wikipediaから引用)


 2022年7月27日の明け方に薄雲を通して撮影したガリレオ衛星です。画像は北を上にして掲載。
(実は、明け方の金星と月が接近する様子を見る予定で早起きしましたが、雲に阻まれ見ることができませんでした。)

 ガリレオ衛星は木星本体に近い公転軌道順に、第1衛星のイオ、第2衛星のエウロパ、第3衛星のガニメデ、第4衛星のカリストですが、いずれも望遠鏡で見るとほぼ同じように見えることから判別(どの衛星か名前を知ること)が困難です。
 一般的には、天文年鑑や天文アプリを使ってどの衛星かを判別します。

 しかし、注意深く眼視観察すれば判別できる場合があります。
 まず、小さな望遠鏡で判別する簡単な方法から。

 ガリレオ衛星を詳しく観察すると、微妙な明るさの違いに気が付きます。
 最も明るい衛星がガニメデで、最も暗い衛星がカリストです。その中間の明るさのイオとエウロパはほぼ同じ明るさのため判別が困難です。

 私のこれまでの経験上、収差が少ない口径15cm以上の望遠鏡に200倍以上の倍率を使えば、イオとエウロパの区別も可能になります。

 口径15cm以上で200倍以上の倍率を使うと、ガリレオ衛星が点光源ではなく面積体であることがわかります。
 最も大きく明るく見えるのがガニメデです。ガニメデの次に大きいとはいえ表面輝度が低く暗いのがカリストです。
 ほぼ同じ大きさに見えるイオとエウロパを注意深く見比べてみましょう。見比べるとほんの僅か大きいのがイオで、ほんの僅か小さいのがエウロパです。明るさの違いではなく、視直径の僅かな差を見いだすことが大事です。

 この方法を覚えておけば、大気の揺れが少ない夜だとほぼ100%の確率でガリレオ衛星の個別名称の判別ができます。
 口径15cm以上の優秀な望遠鏡をお持ちの方は、大気の気流状態がいいときにピントを十分に合わせ是非お試しください。

 なお、札幌在住で口径15cm以上の望遠鏡をお持ちでない方は、札幌市天文台の夜間公開の利用がお勧めです。
 ここの屈折望遠鏡は口径20cm口径比F12アポクロマートという収差が少ない優秀な光学系で見え味抜群です。気流状態さえ良ければガリレオ衛星が面積体に見えますよ。

 2014年1月21日のブログ記事 【 ガリレオ衛星の模様 】も併せてご覧ください。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まき)
2022-07-31 17:58:17
ガリレオ衛星を眼視で見分けるってすごいですね。

私はこれを使います。自作Script
http://park12.wakwak.com/~maki/JupitersMoons.htm

倒立像のみで上下を考慮しない手抜きですが・・
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Unknown (ひらい)
2022-07-31 19:42:50
まきさん、こんにちは。

まきさんお得意のプログラミングですね。
私はベーシックコンパイラーまでで、C言語で挫折しました。(笑)
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