今年も今夜かぎりの雨となり 山頭火
(大晦日の句ですね。昭和5年という年がどのような年であったか知ることはできませんが、山頭火にとっては充実した年だったのでしょうか。それとも、まだまだ未練のある年だったのでしょうか。本人にしか分からない。いや、本人もも分からないことですから、学者があれこれ評論したとしても、外側からは「このように見える」ということに過ぎないのですね。)
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「赤ひげ」を見ながら、今日は更新です。
黒沢映画の中では「七人の侍」「赤ひげ」が双壁ですね。「用心棒」は「生きる」も素晴らしいのですが、映画らしい映画と言うか、映画のよき時代の映画ですね。
この二本はDVDを買いました。宝物のようなものです。けっこうの回数見ましたね。黒沢映画はシナリオが面白いですし、物語の展開に不自然さがないのです。映画ですから上手にだましてくれるのがいい映画なのです。それと計算された画面が美しいですね。「赤ひげ」では左右に広がる画面を巧みに利用した構成が素晴らしいし、群衆の処理がいいですね。そんな難しいことを意識してみているわけではないのですが、あれこれ考えるときに、そんなことを思うのです。
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自分を表現しながら、自分を見つめる。
これが山頭火の面白さであり、楽しさです。
屈折した心情を技巧的に表現する現代俳句にはないものですね。
当時の結社での句会では山頭火や放哉はどのような参加の仕方をしていたのでしょうかね。
今日NHKで出版している「俳句をはじめよう」というテキストを立ち読みしていたら、
季語を覚えましょうとか、句会に参加しましょうとか、吟行について解説等があれこれ書いてありました。
不思議な世界ですね。それはそれでいいのかもしれませんが、奇妙です。
でも、そんな世界とは無縁の私があれこれ言うこともは失礼ですね。
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