なぜか。今頃国会会期ぎりぎりで改悪案を持ち出すのは。国民は望んでいない。
教育基本法、法令といっても短いものです。一度読んでみて下さい。
《 後半国会の焦点となっている教育基本法改正案の審議が16日、衆院で始まり、本会議で政府による改正案の要旨説明と質疑が行われた。会期延長がなければ国会閉会まで残り1ヶ月というタイミングでの審議入りだが、基本法をなぜ今、改正しなければならないのかという必要性と緊急性はこの日の政府側の説明でも相変わらず伝わってこなかった。
現行の教育基本法制定から半世紀あまりで、情報化、国際化、少子高齢化など教育をめぐる状況の変化やさまざまな課題が生じ、道徳心や自立心、公共の精神、国際社会の平和への寄与などが求められている。新しい時代の教育理念を明確にして国民の共通理解を図り、未来を切り開く教育の実現を目指すーー。これが小泉純一郎首相や小坂憲次文部科学省が繰り返し語った提案理由である。
しかし、状況の変化は今に始まったことではなく、教育を取り巻く課題は基本法を改正したからといって解決するわけでもないだろう。現行法のどこに問題があり、どのように変えればどんな課題が克服されるのか、という具体的な「設計図」が見えてこない。
毎日新聞の全国世論調査(電話)では、改正案を「今国会で成立させるべきだ」とこたえた人が17%に対し、「今国会にこだわる必要はない」は66%に上った。改正の必要性・緊急性が国民に十分理解されていない以上、国民の多くが早期改正を望まないのは当然だ。…… 》
これは『毎日新聞』5月17日付、「社説」の一部である。
この通りだと思う。政府側の言う提案理由と現行の教育基本法がどう矛盾するのか。
一方で、民主党は代案を出すと言っているが、17日の小泉首相と小沢代表のやりとりの中で、政府の教育基本法『改正案』について「文部科学省が(教育行政の)直接責任を負っていない。戦後のゆがんだ教育行政の是正という視点が全くない」と批判しているが、教育基本法の理念をねじ曲げ、換骨奪胎、彼自身も「ゆがんだ教育行政」を作り上げた一味でもある。民主党の代案など見たくもない。
国の教育政策そのものが現行の教育基本法に立ち戻るべきなのである。
見よ!文部科学省の、東京都教委の、子どもの魂形成への介入。教師への思想弾圧。
「不当な介入」そのものではないか。
教育基本法前文はいう、
「われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである……」
要するに、この部分がじゃまなのであろう。この格調の高さは理解できないのだ。
日本国憲法とともに世界に誇るべきは教育基本法である。
彼らは日本国憲法を変えたいのだ。