いわきフォーラム’90が主催するミニミニリレー講演会という取り組みがあります。これまで2回、視察で学んだことや市議会の論戦を話したことがありますが、実は先だっても話すよう依頼されていました。
ところが、予定表には、正しい日時から24時間後に記載していたため、会場に行くことができなかった。準備はおおむね済んでいたのですが、肝心の日程を誤っていたのです。
この日も何人かの方が集まっていたようですが、大変申し訳なく思い、今日開かれた講演会に聴講者として出席し、謝罪してまいりました。
で、今日の講演者は、朝日新聞福島総局の総局長菊池功さん。郡山市出身の1965年生まれ、長野総局長、東京本社などを経て福島総局長として赴任し、福島放送の「ヨジデス」の金曜日に出演もしているといいます。今度、見て見なくちゃ。
さて、お話の内容ですが、福島での取材を通して感じたことなどを、様々話してくださいました。福島に赴任してみて、「まちの衰退」を感じていると、もともとその要素はあったものの、原発事故が拍車をかけたということもあるだろうと感じたといいます。
この原発事故後の福島の取材で「うそのような話」と感じたのが、科学的な論拠にもとづかない行動があるということ。例えば、炊飯器のスイッチを朝起床してから入れる人がいだけれど、そうする理由は水につけておくことで米粒に含まれる放射性物質が水に溶け込み、空気中に拡散していくと聞いたからだということ。セシウムなどが空気中に拡散するわけがなく、こうした事態は「深刻だ」と感じたというので。
確かにその通りで、仮にセシウム等に汚染されたコメがあったとして、水に漬け込むことで、水に溶けだすことはあるとしても、それが大気中に拡散することはありそうにない。水、その物を捨ててしまうならばともかく、そのまま炊いてしまったのでは、ほとんど意味がなさそう。その前に、米の全袋検査では未検出(ND)が続いており、その行為にはほとんど意味がなさそうと感じます。
双葉郡の避難者と住民との軋轢や避難者の生活状況を見ても、原発事故が人の心を蝕んでいる実態を見ることができ、新聞としてこうした実情をちゃんと伝えることが必要だと話していました。
また、双葉郡で避難区域が解除され、これにともなう様々な事象が報道されたりするけれども、当局の発表物を垂れ流していると「帰ることが前提」のような報道になってしまうので、実際には帰町についても、住民の中に様々な思いがあることを伝えていかなければならないと感じているといいました。
わが意を得たりのお話もありました。各種放射性核種を取り除いたトリチウム汚染水の話しです。
トリチウムは、原発が稼働されていれば排出をされており、全国の原発所在地では、その海からとれた魚を食べているという実態あり、トリチウム水を放出しないことがなぜだめなのか。何となく気味が悪いという対応が、結局、風評被害を産み出すことになっているのではないかというお話でした。
実は、このことは以前、市議会の原子力災害関係の特別委員会で委員をしていた時、東電、復興庁関係の出席を得た委員会で取り上げた時、ブログに書いていました。
いわき市議会から東京電力に申し入れ書提出 2017年08月24日
街頭宣伝/トリチウム/月暈 2016年05月19日
地下水バイパスの安全性の説明責任を果たすよう国と東電に求めてみました 2014年04月24日
事故炉に流れ込む地下水の流量を減らそうとする地下水バイパスが計画された頃ですが、事故前の東京電力福島第一原子力発電所では、大気中に2兆ベクレル、海洋に2兆ベクレルのトリチウムを流していたというのです。こうした事実があるからこそ、東電はトリチウム水を希釈して海洋放出する考えを捨てないわけです。
トリチウムは三重水素ですから、水の分子の一部を構成しているのでしょう。ですからこれを分離することはお金がかかりすぎて現実的でないという議論になってくる。ただ、水であるトリチウムを体内に取り込んだとしても短期日のうちに排出されてしまうので、人体への影響は小さいということらしいのです。
ただこの時は、トリチウム水の海洋放出を漁業者の理解を得られれば行うという考えで、こうしたトリチウムの現実を知らない人たちから見れば、海洋放出への批判が許可をした漁業者に向かいかねないので、東京電力と国が海洋放出に問題がないというメカニズムをしっかり国民に説明するよう求めました。
「我々が説明しても信用されるかどうか・・」という回答がその場であったように記憶していますが、面白いことにその後、県内紙がトリチウム水に関する記事を書いた際に事故前に排出していた事実を数行で記載するということが何度かありました。この時の委員会での指摘が効いたのでしょうかね。でも、県内紙でこのことを書いてもしょうがないので、全国に向けて情報発信をしていただきたいものです。
あと一つ、そうなだなーと思うのは、歴史というのはくどいくらい言わないと若い人に伝わっていかないという話です。
清水の次郎長が今の若い人たちは分からない。そうテレビ等に全く出てこない状況になっているのだから、しょうがないですね。そこで「寿司くいねぇーだよ」というと、「あっ、シブがき隊ですね」という反応が返ってくるのだそうです。
時代の流れだからしょうがないといえばしょうがないのですが、そんなもんなんですね。
講師の菊池さん、興味深いお話ありがとうございました。
ところが、予定表には、正しい日時から24時間後に記載していたため、会場に行くことができなかった。準備はおおむね済んでいたのですが、肝心の日程を誤っていたのです。
この日も何人かの方が集まっていたようですが、大変申し訳なく思い、今日開かれた講演会に聴講者として出席し、謝罪してまいりました。
で、今日の講演者は、朝日新聞福島総局の総局長菊池功さん。郡山市出身の1965年生まれ、長野総局長、東京本社などを経て福島総局長として赴任し、福島放送の「ヨジデス」の金曜日に出演もしているといいます。今度、見て見なくちゃ。
さて、お話の内容ですが、福島での取材を通して感じたことなどを、様々話してくださいました。福島に赴任してみて、「まちの衰退」を感じていると、もともとその要素はあったものの、原発事故が拍車をかけたということもあるだろうと感じたといいます。
この原発事故後の福島の取材で「うそのような話」と感じたのが、科学的な論拠にもとづかない行動があるということ。例えば、炊飯器のスイッチを朝起床してから入れる人がいだけれど、そうする理由は水につけておくことで米粒に含まれる放射性物質が水に溶け込み、空気中に拡散していくと聞いたからだということ。セシウムなどが空気中に拡散するわけがなく、こうした事態は「深刻だ」と感じたというので。
確かにその通りで、仮にセシウム等に汚染されたコメがあったとして、水に漬け込むことで、水に溶けだすことはあるとしても、それが大気中に拡散することはありそうにない。水、その物を捨ててしまうならばともかく、そのまま炊いてしまったのでは、ほとんど意味がなさそう。その前に、米の全袋検査では未検出(ND)が続いており、その行為にはほとんど意味がなさそうと感じます。
双葉郡の避難者と住民との軋轢や避難者の生活状況を見ても、原発事故が人の心を蝕んでいる実態を見ることができ、新聞としてこうした実情をちゃんと伝えることが必要だと話していました。
また、双葉郡で避難区域が解除され、これにともなう様々な事象が報道されたりするけれども、当局の発表物を垂れ流していると「帰ることが前提」のような報道になってしまうので、実際には帰町についても、住民の中に様々な思いがあることを伝えていかなければならないと感じているといいました。
わが意を得たりのお話もありました。各種放射性核種を取り除いたトリチウム汚染水の話しです。
トリチウムは、原発が稼働されていれば排出をされており、全国の原発所在地では、その海からとれた魚を食べているという実態あり、トリチウム水を放出しないことがなぜだめなのか。何となく気味が悪いという対応が、結局、風評被害を産み出すことになっているのではないかというお話でした。
実は、このことは以前、市議会の原子力災害関係の特別委員会で委員をしていた時、東電、復興庁関係の出席を得た委員会で取り上げた時、ブログに書いていました。
いわき市議会から東京電力に申し入れ書提出 2017年08月24日
街頭宣伝/トリチウム/月暈 2016年05月19日
地下水バイパスの安全性の説明責任を果たすよう国と東電に求めてみました 2014年04月24日
事故炉に流れ込む地下水の流量を減らそうとする地下水バイパスが計画された頃ですが、事故前の東京電力福島第一原子力発電所では、大気中に2兆ベクレル、海洋に2兆ベクレルのトリチウムを流していたというのです。こうした事実があるからこそ、東電はトリチウム水を希釈して海洋放出する考えを捨てないわけです。
トリチウムは三重水素ですから、水の分子の一部を構成しているのでしょう。ですからこれを分離することはお金がかかりすぎて現実的でないという議論になってくる。ただ、水であるトリチウムを体内に取り込んだとしても短期日のうちに排出されてしまうので、人体への影響は小さいということらしいのです。
ただこの時は、トリチウム水の海洋放出を漁業者の理解を得られれば行うという考えで、こうしたトリチウムの現実を知らない人たちから見れば、海洋放出への批判が許可をした漁業者に向かいかねないので、東京電力と国が海洋放出に問題がないというメカニズムをしっかり国民に説明するよう求めました。
「我々が説明しても信用されるかどうか・・」という回答がその場であったように記憶していますが、面白いことにその後、県内紙がトリチウム水に関する記事を書いた際に事故前に排出していた事実を数行で記載するということが何度かありました。この時の委員会での指摘が効いたのでしょうかね。でも、県内紙でこのことを書いてもしょうがないので、全国に向けて情報発信をしていただきたいものです。
あと一つ、そうなだなーと思うのは、歴史というのはくどいくらい言わないと若い人に伝わっていかないという話です。
清水の次郎長が今の若い人たちは分からない。そうテレビ等に全く出てこない状況になっているのだから、しょうがないですね。そこで「寿司くいねぇーだよ」というと、「あっ、シブがき隊ですね」という反応が返ってくるのだそうです。
時代の流れだからしょうがないといえばしょうがないのですが、そんなもんなんですね。
講師の菊池さん、興味深いお話ありがとうございました。
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