いわき市議会2月定例会が開会中ですが、会期中に催される中学校卒業式の日は休会になり、各議員が任意の学校の卒業式に出席します。
おりしも6年前は、中学校の卒業式があった日の午後、東日本大震災が発災し、それに続いて原発事故まで起きたので印象深い日でもあります。あの日は、上遠野中学校の卒業式に出席していました。
今年は入遠野中学校の卒業式に出席させていただきました。
卒業生は男子2人、女子6人の8人。全校生が30人の学校ですが、それだけに学年を越えた関係性が深いと感じさせる式でした。卒業生も涙、在校生も涙、そして親も涙の感慨深い式になりました。私はといえば、感情移入をしないようにがんばり、胸のあたりにうずきを感じたのですが何とか最後まで持ちこたえることができました。
「勉強を続けてほしい。人の心の痛みを感じることができる人間になってほしい。健康の維持に努め、力強く自分の人生を切り開いていってほしい」という校長先生の式辞。卒業する三年生との思い出を語りながら、体育祭や文化祭、そしてクラブ活動でもリードしてくれた先輩への感謝を語りながら、母校の伝統を引き継ぐ決意を述べながら「未来に向かって一歩を踏み出して下さい」と先輩を送り出した在校生の送辞。
そして、「仲間と共に過ごした9年間、中学校での3年間。みんなとの別れに寂しさがいっぱいです。卒業生はこれから別の道を歩みますが、学んだことを胸に力強く進んでいこう。すてきな人に成長して再会したい」と、これからの豊富を語りながら、後輩、先生、保護者に感謝を述べた卒業生代表の答辞。
それぞれが胸を打つものがありました。人数が少なくてボリュームは小さいけれど、声を合わせた式歌「時を越えて」「旅立ちの日に」「大切なもの」は、それぞれが心を通わせて歌い上げていて素敵でした。
式では以下の通り祝辞をさせていただきました。
祝 辞
本日、卒業式を迎えたみなさん。おめでとうございます。
東日本大震災から6年が過ぎました。震災と原発事故の影響という過去に体験したことがない条件の中での学校生活となりましたが、みなさんが生き生きと学業に励んでこられたことは、これまで拝見させていただいたくずの葉祭などの活躍から推し量ることができます。この間の努力が結んで、心身ともに成長して、晴れて卒業を迎えたことを大変喜ばしく感じています。
その卒業生の成長を、今日まで見守り、指導してこられた校長先生をはじめ、教職員のみなさまには深く敬意を表したいと思います。
また、子どもたちの学校生活を、惜しみない愛情で、間接に、また直接に支えてこられた、ご家族のお慶びもさぞかし大きいものだろうと思います。お祝い申し上げます。
ところで卒業生のみなさんは超能力をどう思いますか。
私が、みなさんと同じ年頃に、スプーン曲げで有名になった超能力者がいました。その超能力者が、日本全国に念力を送って壊れた時計を動かすというテレビ番組があり、実際に時計が動いたと多数の電話が番組に寄せられるという、ある意味大事件がありました。
種を明かせば簡単なことでした。
12月放送の番組をみている部屋は、こたつとストーブで暖められたていたことでしょう。そして、時計は番組の指示で手のひらに握りしめられていました。
ですから、バネが動力のゼンマイ式時計の、寒さで固まった機械油が溶け、結果として動き出した時計があったのです。「動いた人は電話をください」という番組の指示通り、動きだした人だけがスタジオに電話を入れる。こうして超能力が作り出されていったわけです。本当は他愛のないことでした。
でも、こうした番組などがオカルトや超能力ブームのきっかけを作り、やがて大きな事件を起こしたオウム真理教という宗教団体につながっていきます。少し練習すれば誰でも会得の可能性がある空中浮遊、実は座禅を組んだままのジャンプだったのですが、これを見て超能力を信じ込んだことが入信のきっかけという若者たちがいたのです。
むやみに信じこむことは、誤った結論を導き出す一つの例です。ですから、広い視野を持ちながら、なぜと問う心が大切だと思うのです。なぜと問う心は、物事の表面にとらわれず、その奥底に隠れている事実を導きだし、物事に対する深い理解と、今は分からないこともやがては分かるだろうという楽天性を生み出し、きっと世の中を「生き抜く力」を育んでいくことにつながると思います。
そして、みなさんに育まれる生き抜く力は、これからの日本社会をどうしていくのか、選択する力にもなります。
18歳選挙権となった今、みなさんは、高校を卒業する年齢になると、これからの日本社会が、地域の社会が、どうあるべきかを選択する主権者となります。わずか3年後のことです。
これからみなさんが過ごす時間は、その意味でもとても大切な、そして貴重な時間になると思います。その時間に注がれる、みなさんの惜しみない努力で「生き抜く力」が育まれて、立派な人として成長していくことに期待を申し上げまして、祝辞に代えたいと思います。
卒業、おめでとうございます。
おりしも6年前は、中学校の卒業式があった日の午後、東日本大震災が発災し、それに続いて原発事故まで起きたので印象深い日でもあります。あの日は、上遠野中学校の卒業式に出席していました。
今年は入遠野中学校の卒業式に出席させていただきました。
卒業生は男子2人、女子6人の8人。全校生が30人の学校ですが、それだけに学年を越えた関係性が深いと感じさせる式でした。卒業生も涙、在校生も涙、そして親も涙の感慨深い式になりました。私はといえば、感情移入をしないようにがんばり、胸のあたりにうずきを感じたのですが何とか最後まで持ちこたえることができました。
「勉強を続けてほしい。人の心の痛みを感じることができる人間になってほしい。健康の維持に努め、力強く自分の人生を切り開いていってほしい」という校長先生の式辞。卒業する三年生との思い出を語りながら、体育祭や文化祭、そしてクラブ活動でもリードしてくれた先輩への感謝を語りながら、母校の伝統を引き継ぐ決意を述べながら「未来に向かって一歩を踏み出して下さい」と先輩を送り出した在校生の送辞。
そして、「仲間と共に過ごした9年間、中学校での3年間。みんなとの別れに寂しさがいっぱいです。卒業生はこれから別の道を歩みますが、学んだことを胸に力強く進んでいこう。すてきな人に成長して再会したい」と、これからの豊富を語りながら、後輩、先生、保護者に感謝を述べた卒業生代表の答辞。
それぞれが胸を打つものがありました。人数が少なくてボリュームは小さいけれど、声を合わせた式歌「時を越えて」「旅立ちの日に」「大切なもの」は、それぞれが心を通わせて歌い上げていて素敵でした。
式では以下の通り祝辞をさせていただきました。
祝 辞
本日、卒業式を迎えたみなさん。おめでとうございます。
東日本大震災から6年が過ぎました。震災と原発事故の影響という過去に体験したことがない条件の中での学校生活となりましたが、みなさんが生き生きと学業に励んでこられたことは、これまで拝見させていただいたくずの葉祭などの活躍から推し量ることができます。この間の努力が結んで、心身ともに成長して、晴れて卒業を迎えたことを大変喜ばしく感じています。
その卒業生の成長を、今日まで見守り、指導してこられた校長先生をはじめ、教職員のみなさまには深く敬意を表したいと思います。
また、子どもたちの学校生活を、惜しみない愛情で、間接に、また直接に支えてこられた、ご家族のお慶びもさぞかし大きいものだろうと思います。お祝い申し上げます。
ところで卒業生のみなさんは超能力をどう思いますか。
私が、みなさんと同じ年頃に、スプーン曲げで有名になった超能力者がいました。その超能力者が、日本全国に念力を送って壊れた時計を動かすというテレビ番組があり、実際に時計が動いたと多数の電話が番組に寄せられるという、ある意味大事件がありました。
種を明かせば簡単なことでした。
12月放送の番組をみている部屋は、こたつとストーブで暖められたていたことでしょう。そして、時計は番組の指示で手のひらに握りしめられていました。
ですから、バネが動力のゼンマイ式時計の、寒さで固まった機械油が溶け、結果として動き出した時計があったのです。「動いた人は電話をください」という番組の指示通り、動きだした人だけがスタジオに電話を入れる。こうして超能力が作り出されていったわけです。本当は他愛のないことでした。
でも、こうした番組などがオカルトや超能力ブームのきっかけを作り、やがて大きな事件を起こしたオウム真理教という宗教団体につながっていきます。少し練習すれば誰でも会得の可能性がある空中浮遊、実は座禅を組んだままのジャンプだったのですが、これを見て超能力を信じ込んだことが入信のきっかけという若者たちがいたのです。
むやみに信じこむことは、誤った結論を導き出す一つの例です。ですから、広い視野を持ちながら、なぜと問う心が大切だと思うのです。なぜと問う心は、物事の表面にとらわれず、その奥底に隠れている事実を導きだし、物事に対する深い理解と、今は分からないこともやがては分かるだろうという楽天性を生み出し、きっと世の中を「生き抜く力」を育んでいくことにつながると思います。
そして、みなさんに育まれる生き抜く力は、これからの日本社会をどうしていくのか、選択する力にもなります。
18歳選挙権となった今、みなさんは、高校を卒業する年齢になると、これからの日本社会が、地域の社会が、どうあるべきかを選択する主権者となります。わずか3年後のことです。
これからみなさんが過ごす時間は、その意味でもとても大切な、そして貴重な時間になると思います。その時間に注がれる、みなさんの惜しみない努力で「生き抜く力」が育まれて、立派な人として成長していくことに期待を申し上げまして、祝辞に代えたいと思います。
卒業、おめでとうございます。
2017年3月13日
いわき市議会議員 伊藤浩之
いわき市議会議員 伊藤浩之
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