伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

ここに来て元気になった。千寿荘を訪問。

2015年02月03日 | 市政
 いわき市には市が運営する養護老人ホームが2つあります。一つが平下高久の徳風苑。定員100人で現在は市の指定管理者に委托し運営されています。もう一つが江畑町にある千寿荘。定員80人ですが、現在の入所者は60人。近々新たに2人が入所予定だといいます。

 養護老人ホームは、環境上の理由及び経済的理由で自宅で生活する事が困難な原則65歳以上の方が入所する施設です。介護保険の施設ではありません。施設への入所は市町村が必要性を判断し措置で行われます。1月29日に千寿荘に伺い、現状について話しを伺ってきていました。



 千寿荘は、1981年に建設された鉄筋コンクリートで平屋の施設。筑後35年が経過していますが、建物はしっかりしておりきれいでした。聞くと、専門の業者を入れて全面的に清掃して間もないということでしたが、まだまだ現役で使用できるという実感です。

 定員は80人で、入所者は64名、かつて4人部屋だった和室を、現在は2人部屋で使っており、間もなく2人が入所する予定になっているといいます。

 入所された方が生き生きとこの施設での生活を続けることができるよう、ボランティアによる慰問などイベントを受け入れる日常生活にもメリハリがつくように施設としても工夫をしているといいます。中庭には花壇を設け、暖かくなれば花壇作りにも取り組んでいます。また入所者の外出も届け出をすれば自由で、施設の中に閉じこもっていなければならないわけでもありません。

 食事は一日三食を食堂でとり、72畳の集会室と娯楽室、食堂、ロビーにはテレビを用意しています。施設内を見学した時間は午後4時を過ぎていました。テレビでは水戸黄門の再放送にチャンネルが合わせられ、集会室では多くの方がテレビの前に陣取り視聴していました。他に浴室、ベッドを使用している静養室と医務室が整備されています。



 ある入所者は、「ここに来て元気になった」と話していました。食事や生活のメリハリが、肉体的にも精神的にも癒している状況があるのだと思います。

 格差社会の拡大で貧困が広がり、一方高齢社会の到来で一人暮らしのお年寄り世帯が増加しているもとで、定数いっぱいにならないのはなぜなのか、疑問でした。

 徳風園は定数いっぱいが入所していますが、個室で施設も新しいからなのでしょう。実際、入所が認定された方も、入所先に徳風園を選ぶ傾向があるためらしいのです。 

 施設で今後問題になるのは、認知症や身体疾患など介護が必要な入所者が増加傾向にあること。夜間のスタッフが手薄になるため、夜間に多い徘徊の監視が十分でなくなる可能性があること。もう一つは直営で運営しており、寮母など現業職の平均年齢が57歳で、今後次々と退職していくこと。また現場では特に問題とされてはいませんが、施設の改修による増室を前提に居室の個室化なども問題になっていくと思われます。

 それにしてもまだ空き室があるということは、施設の性格から考えてももったいない話です。施設側ではネット配信も含めた広報の強化が必要と感じているといいます。また、以前は施設周辺の住民のみなさんを招いて盆踊り大会などを実施していたそうですが、最近は行われていないため、あらためてこのような取り組みも必要だろうと考えているといいます。

 認定の方法や基準など、まだ調査していない部分があるので、今後調査し、施設の活用がしっかり図られるよう、提案なども行っていきたいと思います。



 


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