伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

委員会視察・高松市

2015年02月04日 | 福祉・医療
委員会視察で香川県高松市に来ました。昨年は所属していた文教経済常任委員会の視察で丸亀商店街の街づくりが目的でしたが、今年は市民福祉常任委員会のに変わり、高松市が市単独事業で実施している高松型認定こども園と「高松っ子いきいきプラン」の内容を学ぶためでした。

話してくださったのは高松市健康福祉局こども未来部こども園運営課の担当者です。



高松型認定こども園は、現在、公立の保育所と幼稚園を統合する形で公立の5施設で開設されています。2011年に塩江こども園を開設し、翌12年に下笠居、庵治、香南、はら以上4施設が開設されたといいます。

こども園導入は、「保護者の就労形態の違いに関わらず、すべての子供に同じ教育保育を提供」するためで、①施設の一体化で適正規模のクラス編成が確保でき、②小学校への円滑な移行ができる就学前の教育保育を環境を提供できる、③先に入園している保育園児が後から入園する幼稚園児の手本となり新しい環境に早く適応できるなど一緒の生活でより良い育ちが期待できる、④給食を全ての園児に提供できるーーなどのメリットが期待できる、あるいは確認されているといいます。

この施策を進めるために市側の対応としては、それまで幼稚園は教育委員会、保育は福祉部門と分かれていたものを統合しこども未来局(後にこども未来部)を設立し、子育てに関する企画、子どもの医療費や諸手当、保育所・幼稚園に関する事務などを担当させたそうです。

認定こども園では心配されることがあります。良く言われるのが、生活時間帯が違う子どもが共存することでの保育への悪影響です。幼稚園の保育時間は短く、保育園の保育時間は長いことが、子どもの保育に悪影響を与えると言われます。

担当は、大要次のように説明しました。
3歳児から混合保育をすることになることに反対はなく、保育時間の違いによる子どもへの影響が言われていたことから対応に十分配慮するよう求めました。現実に保育が始まるとそんなに問題はありませんでした。残る子どもが、「◯◯ちゃん、帰る時間だね」と帰宅する子どもに声をかけるように、理解をしているようです。当初公募委員の方からもこの心配が語られたのですが、今は「認定こども園になって良かった」と言っています。

変わったばかりの状況はどうだったのか聞いてみたのですが、あまり問題ないという回答だったように思います。現実にどうだったのか、現場の方に聞いてみたいものです。

認定保育園は保育所と幼稚園が同じく運営されます。利用料は保育の場合は、所得に応じた保育料がかかり、幼稚園は6,500円の授業料と給食費を負担します。保育は保育士と幼稚園教諭が二人で担当し、メインとサブを1週間交替で務めるようにしているといいます。高松市ではこれまでの保育士と幼稚園教諭という呼称を統一して保育教育士と改めて、採用資格も保育士と幼稚園教諭の両方の資格を持っていることを応募要件としたそうです。

さらに現在、片方しか持っていない保育士、幼稚園教諭には正規、非常勤とわず不足する方の資格取得をすすめていきたいと話していました。

高松市は、今後も公立保育所をとりまく状況を確認しながら、順次、認定こども園への移行を進めていきたいととし、また私立についても、市の認定こども園の設置を民間に配慮しながら移行を選択した場合には適切な支援をしていくとしています。

こうした認定こども園をすすめるに当たって幼稚園と保育所に共通の教育と保育の方針が必要となりました。そこで策定されたのが「高松っ子いきいきプラン」でした。

「夢中になって遊び、豊かな心と体をはぐくむ」を基本理念として、「生活に必要な習慣」「豊かに感じる心」「人とかかわる力」などを教育と保育の目標をすえ、年齢ごとの具体的なカリキュラムを盛り込み、保育所、幼稚園、小学校などにその活用を求めています。

本市でもこの4月から新しい子育て支援に移行し、その中では認定保育園も位置付けられます。そして現在、子ども・子育て支援事業計画を策定中です。今後、本市の状況に活かせるところがどこなのか、まだ十分掌握されていませんが、帰ってからの課題としてこの点の掌握に努めたいと思います。


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