伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

彩雲 / 規制緩和は問題では / なぞが解けた

2016年06月17日 | 市議会
 錦雲(彩雲)見えた。

 午後6時。作業を中断し議会棟を出たところ、梅雨休みの西の空に彩雲が見えていました。





 この日の雲はとても高く、さわやかな空でした。夕方の錦雲はとても気分をよくさせてくれました。

 遠野の自宅に向かう途上で幻日も姿を見せました。



 幻の太陽を拡大するとこんな感じです。



 これほど大きな幻日はこれまで見たことがなかったかも。

 午後7時の空には夕焼けが広がりました。



 錦雲は、目ではもう少しきれいに見ているんですが、写真では今ひとつですね。

 今日の市議会は、常任委員会のいっせい開催です。今回の定例会に提出された議案の件数は少ないので、4つの常任委員会全てが審議を終了したようです。

 私が所属する市民福祉常任委員会が一番最後の終了でした。

 付託された議案には、市立総合磐城協立病院の非紹介患者の初診料を引き上げる条例改定案がありました。国の省令改正にともなうもので、従わずに「悪質と判断された場合、保険医療機関の取り消しもありえる」との説明があり、その場合の市民に不利益が大きいことから条例改定には賛成。

障がい児者の入浴介護などの基準単価を引き上げる条例改定案も、9割の利用者が市民税非課税世帯などで負担を免除されており、負担がある残る1割についても、所得が350万円以上に対して月数百円の負担増加にとどまること、かつ料金の改定が事業者の経営に影響することを考えあわせて賛成。結果、付託された8件の議案のうち1件を除く全ての議案に賛成しました。

 反対した議案は「いわき市幼保連携型認定こども園の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正について」です。

 これは認定こども園の保育教諭(有資格者)は、どんな時間帯であっても最低2人を配置することになっているものを、子どもの少ない時間帯(朝夕)には、当分の間、このうち1人を保育教諭と同等の知識と経験を持つ者を配置できるようにしようとするものでした。

 知識と経験が同等の者とは、市が開く研修会を修了した者となりますが、その研修内容は基本研修が8科目8時間、専門研修が12科目15時間、選択科目が6科目6時間から6時間半、そして実習2日間に過ぎません。1科目につき1時間程度の受講時間です。有資格者が学ぶ時間や実習している時間から考えると、どうしても同等になるとは思えない。

 こうしたことからだいたい次のように討論して反対しました。



 議案第6号に反対の立場から討論します。

 同案は、2月定例会で可決されたいわき市児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を定める条例及びいわき市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正と、ほぼ同様のもので、この時の討論で詳細に論じていますが、まず第1に保育の質の低下への懸念があります。

 本会議の質疑の答弁で部長は、今回の提案は保育の質の確保に留意されたものとされておりましたが、やはり保育の質の低下への懸念は残ります。

 今朝の朝日新聞は「進む待機児童対策に懸念も」「数だけ確保、質置き去り」と見出しをつけた記事を掲載しました。

 これは企業主導型保育事業についての記事ですが、この企業主導型保育では保育士の配置基準を緩め、職員の半数以上が保育士であれば補助を受けられる仕組みをつくりました。つまり職員の半数未満が無資格者であっても保育所を設置することができることにしたわけです。

 こうした動きに対して保育事故の遺族らでつくる「赤ちゃんの急死を考える会」の会員は、「数だけ確保しようという間違った方向に進んでいる。質の高い保育は置き去り、後回しにされている」と懸念の声をあげていることを紹介しています。

 ここで取り上げられているのは企業主導型保育事業ですが、無資格者が保育にたずさわるという点では同様の問題があるものと思います。

 二点目は、当分の間の問題です。

 この措置は当分の間ということで、永続的な措置ではないとされています。質疑ではこの「当分の間」は「女性の就業率の上昇等により、保育の受け皿拡大が急速に進んでいる間」とされていますが、保育士確保の最大の課題である、待遇改善に十分な取り組みがない中で、保育士不足が解消される展望をしっかり持つことができないという状況があります。

 一般質問の答弁で保育士が確保できない原因の一つに、「労働・賃金環境での課題が保育士確保の困難性の一つ」とされました。同様に千葉県にある植草学園大学が千葉県内の3つの高校の生徒に行った調査でも、職業として保育士を選択しないと考えている生徒たちが、これを選択しない理由としてあげたのは、2割は仕事がたいへんそう、1割が給料がよくないと答えているといいます。

 保育士は他の職種の平均に比べても11万円安い給与になっている。ここに抜本的にメスを入れることが必要ですが、一億総活躍社会の実現として示された保育士対策は月平均6000円の給与引き上げ、ベテランでも4万円にすぎないものです。

 抜本的な改善が示されない中で、配置基準の規制を緩和することになれば、この緩和が永続的に続く措置となりかねない懸念を残します。

 以上のことから、議案第6号には問題があり、反対とすべきです。みなさんのご賛同を心からお願いして討論を終わります。


採決の結果は私以外の委員は全員賛成。賛成多数で可決となりました。

 さて、もう一つ、私の委員会に付託された案件ではないのですが、議案説明の時から疑問に思っていた件がありました。「いわき市とアメリカ合衆国ハワイ州カウアイ郡との国際姉妹都市に係る宣言について」という議案です。

 カウアイ郡とは震災があった年に姉妹都市の協定を締結し交流を重ねているはず。それなのに、なぜ、今頃、何を宣言しようというのだろうか・・。この謎が解けずに、春日三球・照代の「地下鉄の電車はどこから入れたの? それを考えてると一晩中寝られないの」状態になっていたのです。もっともしっかり寝てはいたのですけど。

 昨日行われていた質疑では、国際姉妹都市の締結の決め事は、協定の締結、交流分野に制限がない、そして議会の承認が必要であるものの、5年前には協定は締結したものの、震災の直後であったために議会の議決が図られておらず、この間の交流も文化・スポーツ分野に限られていた。そこで、今回議会の議決を得ることで本格的な国際姉妹として、幅広い交流を図っていきたいと考えていることが分かったのです。

 それはとても良いこと、めでたいことでしょう。これで胸のつかえもとれすっきりしました。

 朝の散歩。ツバメシジミが目の前を通り過ぎました。



 ギボウシがヤブの中でひっそり花をつけていました。



 こっちの方が雰囲気が良いか・・。



 スズメは近づいてもあまり気にしない。餌をとることに必死。でもこの警戒感のなさは経験の少なさ、つまり今年誕生した子どもということを示すようにも思う。数匹が近くをウロウロと飛んでいるんですよね。



 高い木の上にうごめく影。メジロでした。



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