伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

中学生サミット報告会

2015年12月19日 | 学校教育
 きのうは久々にブログはお休み。きょうは午後から浜通り医療生協が開く公開講座で、東京大学の米倉明名誉教授が自民党の憲法草案に関して講演するので聞きに行きたかったのですが、しんぶん赤旗の配達が暗くなってからになってしまうので、これは断念し、配達していました。先だって聞いたお話でユニークな視点からお話をされていたので、残念でしょうがありません。

 配達が午後になった原因は、午前中に開かれた「いわき生徒会長サミット実践報告会」を聞きにいったこと。非核平和都市宣言30周年の際の報告がとても良かったと聞いていたので、これも聞いておきたかったのです。

 実践報告を聞きながら、その関連事業の多さにびっくりするとともに、これを実施するのは大変だったろうと思いましたが、報告の一つ一つはわかりやすく良くまとめられ、発表も上手に行われていました。



 中学生サミットは、生徒会長を対象に生徒会活動の活発化のためにリーダー育成の事業としてはじまり、2011年の長崎市の生徒会長招待事業から始まりました。

 事業内容はサミットキャラクターの制作、震災で支援をしてくれたタイ国に学校を作るための寄付金作りであるワンコインスクールプロジェクト、中学生議会、アメリカや韓国、長崎への派遣事業など9つの事業が取り組まれています。

 それぞれの事業を通じて学んだことがこの日、発表されたわけですが、ワンコインスクール事業では、タイ国からの支援への感謝と思いやりの心を持ち続けること学んだ。

 また、アメリカや韓国への派遣事業では他国の生徒の積極性に刺激を受けたこと、特に韓国派遣事業では、普段聞いているニュースであまり好ましい印象を持っていなかったものが、交流を通じて誤解があったことに気づき、ニュースをうのみにすることなく、現地の人々との交流で得たものをありまま伝えることを通じて偏見をなくし、「もっと手を取り合うべきだと思った」などと、異文化交流で他国の見方が変わり、視野を広げることができたようです。

 中学生議会では、この取り組みを通じていわき市に目を向けることができたといい、これからも「いわきへの愛を持ち続けていきたい」と話していました。中学生議会の模様はいわき市議会のホームページで記録映像を見ることができます(クリックすればホームページが開きます)。



 長崎派遣事業では、122の国と地域から参加した子どもたちと長崎市、いわき市の中学生など約230人が参加した世界子ども会議に出席し、被曝の実相を学ぶとともに世界の子どもたちと話しあい、世界の人々と手を取り合って希望の花を咲かせるというスローガンのもとで、自分たちのグループは「戦争のない世界を作るために義務教育を世界の子どもたちに提供します」という趣旨の“大統領所信表明”を作ることができたそうです。

 そして、被爆者との交流では「戦争の恐ろしさを伝え続けて欲しいと願っていることを感じた」といい、「私たちが戦争の悲惨さ、愚かさ、平和の尊さを発信することで、世界のどこかに心を動かされる人がいるに違いない」とまとめていましたが、その思いを忘れないでいてほしいと思いました。



 ヤングアメリカンズ事業では、音楽を楽しむこと積極的に表現を楽しむことを学んだようで、「Engilish immeresion camp」では英語だけ過ごす2日間を体験し、英語力をつけることはもちろんでしょうけど、ここでも積極的に話すことの大切さを学んだようです。

 きょうの報告会は以下のブログでそれぞれの報告の概要が伝えられています(クリックすればホームページが開きます)。



 この報告会を聞いて、ツイッターには次のように投稿しました。

伊藤浩之 ‏@itou6011
午前中に、中学生の生徒会サミット報告会がありすれば、聴いてきたました。素晴らしい発表で感動を覚えるものでした。未来の担い手としてのリーダー育成が目的ですが、確かに素晴らしい体験から様々なことを学んだようです。
この成果が生徒全体の底上げに活かせれれば良いなと思いました。


 これに、卒業後に学んだことをなかなか活かせないでいる子どもたちもいるようです、という趣旨の返信がありました。

 このとおりだとすればとても残念なことです。報告を聞いてみると、生徒会長サミットでは視野を広げること、積極性を培うこと、それから企画する力をつけることなどを、これらの事業を通じて体験できるようになっているようで、これらの体験を今後の生き方に生かして欲しいと心から願います。

 ともあれ、生徒会サミット議長があいさつの中で言っていました。

 自分がリーダー(議長)を務めることができたのは、仲間の支えがあったからで、それぞれが魅力のある人たちで、その協力があることで力を無限大に広がると思う。リーダーとしてのあり方はそれぞれ違っていていい。違うからこそ刺激しあって成長できたと思う。

 こんな趣旨だったと思います。

 考えてみれば、中学生の交流は主に地域内(学校ごと)になるけれども、サミットメンバーは、通常は高校で体験することになる地域を超えた同年代の子ども達との交流をいち早く体験しているわけで、その点だけでも貴重な体験となっているはず。残りの中学生活もがんばって、良い学校生活を送ってください。

 中学生サミットには、2つのことを思いました。

 一つは、中学生全体の底上げをはかることにも感心を持ち続けること。

 サミット事業はリーダー育成ですから、生徒会長という個人が対象になって、様々な体験を深めている事業のようです。これらを体験し、学んだ結果の総合的な力は個人に育つということになるので、そこは良いとして、それぞれのサミットメンバーが体験したり、学んだことは、一つ一つがとても貴重なことで、全体の中学生にとっても貴重で大切なものだと思います。

 ここで学んだこと、体験したことを、他の中学生に伝え(文化祭など様々な機会にやっていると思うのですが)、共有化していくことが大切だと思いました。全体が底上げされれば、必然的にリーダーの資質にも高いものが求められるようになると思いますので、個人の力が集団の中で育っていくようになるのではないかな。

 同様の視点からみた時に、この事業は特定の個の育成に重点を置いた事業ですが、全体を底上げする視点での教育の展開にも注意を向けて行かなければならないのだろうと思いました。

 もう一つが、中学生サミットに結構様々な事業が詰め込まれているので、これに参加する生徒会長にとっても、また、それを支える学校などでも日程的にも、内容的にも厳しい取り組みになっているのではないかと感じることです。

 教育の目的は、一人ひとりに生きる力をつけていくことになるので、事業を通じてその力が育っていくならば、教育の目的は達成されるわけですが、通常のカリキャラムも当然こなしているはずなので、大丈夫なのかなとの思いは残ります。

 その点は注意深く見ておきたいと思います。 


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