いかなる理由があろうとテロ・殺人は許されない

　安倍首相は、参院選の候補者応援のために奈良県入りし、演説に立って数分後、背後から近づいた犯人に2度発砲され、被弾して重傷を負い、救命措置もむなしく死亡したという。

　今日までの報道によると、犯人はしばらく前から殺害を計画し、当初は爆弾、その後、確実に成功させるために銃を製造していたという。犯行に使用された銃の他、自宅では数挺の銃が押収されたようだ。その動機は、思想的な恨みではなく、個人的な恨みがあったと証言していた。その恨みとは、ある宗教団体と安倍首相の関係に対する疑いだったようだ。

　SNSで流れている情報を見ると、母親が霊感商法と関係がある宗教団体に取り込まれてしまった事から家庭が壊れ、本人は、その宗教団体から派生した宗教団体に関わっていたという。この関係から安倍元首相に恨みを抱き、殺害に至ったようだ。

　どんな事があったにせよ、テロ・殺人は許されない。ましてやこのような理由で行われた殺害が許されて良いはずがない。

　私自身は、安倍首相の下で行われた政治に対して問題があると考えてきた。森友・加計学園で浮かび上がった知人・シンパを優遇して政治を進めた問題、桜を見る会問題に見られる国政の私物化疑惑、集団的自衛権行使が可能と一方的に憲法解釈を替えて強行した安保法制・・こうした問題は、首相を終えた後でも、検証・究明されなければならないと考えていた。自民党の市議会議員のみなさんには、「首相を何とかできないの」とよく話していたものだ。

　しかし、そうであったとしてもこれらの問題は、合法的かつ民主的な手法で検証・究明することが必要で、それ以外の問題解決方法はありえない。今回のテロ・殺人は、その機会を奪ったものという観点からも許されない、短絡的な行為といわざるをえない。

　こうした犯罪行為が、再びおこることがあってはならない。心から願う。