その写真がこれだ。
チョウと同じ鱗翅目(りんしもく)に属するガ。両者を明確に区別することは難しく、むしろ、ガの一部がチョウととらえた方が良いと考えるむきもあるようである。区別はつかないのだが、ガは一般的に嫌われる。暗い夜に飛び回ることや、その姿形が、人間にとっては受け入れがたいものだからだろう。たしかに、模様が不気味なものもあるし、夜中に飛び回る姿も、気持ちが悪い印象を与える。おまけに、棒状のものはともかく、クシの歯のように広がった触角。フェロモンを感じやすくするために進化した結果だというが、あれも気持ちの良いものではない。不気味さを際立たせるように思う。
一方、太陽が出てから飛び回るガ、きれいあるいはかわいいと思わせる姿をもつガもいる。クロアゲハそっくりのアゲハモドキ、朝にフワフワと飛ぶカノコガを始め、幾何学的な模様で彩られたガなどに出会うこともある。ガも捨てたものではない。
そんなことで、最近は、ガの写真も撮る。ここいらの自然の姿の記録にはなるだろう(整理してあればだが・・)。
この写真に写ったガも、ちょっと驚いた1つ。最初は枯葉が草の上に落ちているとしか思わなかった。おそらく擬態なのだろう。答えは最後に置いておこう。
チョウの中には、薄暗がりを好むチョウもいる。
自宅に飛び込んできたのが、クロヒカゲだった。
林内の薄暗がりの環境を好むのだそうだ。
ヤマキマダラヒカゲもそう。
このチョウもだいたい林内の薄暗い環境で見ることが多い。先のクロヒカゲも、跡のヤマキマダラヒカゲも、その名前に「日陰」と冠しているのはこのためなのだろう。
日陰のひんやりと湿気を感じる場所に、カタツムリがいた。
ここいらでよく見る・・というより、ここいらで見るほとんどをしめるカタツムリ「ニッポンマイマイ」だ。この他に見ることがあるのは、少し細く尖って、薄く透き通り壊れやすい殻をもったオカモノアラガイや移入種のコハクオナジマイマイ。特にオカモノアラガイは、どんおん船側範囲を拡大している感がある。ゆゆしきことだ。
林から出て明るい日射しを感じる場所に出た。ウツギの花にたくさんの黒いハチがやってきて、花粉を採取し、蜜を吸っている。なぜか、花に来ているのはオオマルハナバチらしきハチが1匹いるだけで、黒いハチは、それこそ無数に花を巡っていた。
調べてみた。たぶんヤマトヒメハナバチ・・と思っていたが、ウツギノヒメハナバチというハチがいるらしい。ネットの写真を見るとそっくりだ。
土中に巣を掘り、単独で生活し、ウツギが咲く頃、早朝に這い出し、ウツギで採取した蜜や花粉を持ち帰って花粉団子を作り、その中に卵を産みつける。孵化した幼虫は花粉を1ヶ月で食べ尽くして越冬し、翌年、成虫になって出てくるようだ。
つまり、黒いハチが飛び回るウツギの花は、実は期間限定の風物詩だったのだ。行動範囲は半径500mという。この範囲にこれだけのハチが単独で穴を掘っていると思うと、ややびっくり。
ただ検索するとウツギではなく、ハルジオンで蜜を吸う写真で紹介しているホームページもあった。たぶん主な食べ物と、その他の食べ物の分類の違い程度のことなのだろう。
沿道では、ブタナが花をつけているし、
ヤマボウシは最盛期を過ぎつつあり、
ネジキは散り終わる頃にあり、
ハコネウツギは10日間程になるか、咲き継いでいる。
虫の食べ物w提供するかどうかは知らないが、栗の花も満開だ。
食べ物が豊富に実る季節なので、これを食べる虫も繁殖し、それらを採取・捕食する野鳥などもたくさん繁殖する。最近、植物の種がいっぱい詰まったフンが道に落ちている。動物なのか、鳥なのか、いずれにせよ、果実などの食べ物をたくさん食べていることが示されている。
期待しているのは、野鳥のスダチ。子鳥が出てこないかな・・。一眼レフとコンパクトカメラを抱えて散歩しながら、その出会いに期待を膨らませている。
さて、どこにいるか写真の答え。葉っぱのように見えるガが草の上で休んでいます。名はウンモンクチバ。本当に「クチバ(朽ち葉)」のようです。
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