いわき市議会9月定例会が開会しました。
午前10時から開かれた本会議で条例案や一般会計補正予算案、平成29(2017)年度の各会計決算案など48議案が提案され、今日の日程を終了しました。だいたい50分程だったかな。
議案の内容は、こちらで紹介しています。
また、議員が発議できることになっている行政機関に対する意見書を取り扱う意見書検討委員会が開かれ、各会派から出された意見書案が示されました。
いわき市議会の場合、何らかの議案を発案は提案者に加え2名の賛同者が必要とされており、こうした関係から3名以上で届けられた会派が交渉会派として、意見書を含めた議案を提案できることとなっています。この定例会には、創世会から6件、公明党から4件、共産党市議団からは6件に加え、前回定例会から5件が継続審議となっており合計21件が提出されました。
9月定例会に市議団が提出した意見書は以下の通り。
■住民が反対している東京電力福島第一原子力発電所からのトリチウム汚染水の海洋放水をさせないことを求める意見書(案)
■「コンセッション方式」等を導入する水道法改正案を撤回することを求める意見書(案)
■公立小中学校のエアコン設置促進のため関連する学校施設環境改善交付金の早期大幅増額を求める意見書(案)
■生活保護世帯に対してエアコン設置等の助成拡大を求める意見書(案)
■風力発電所の環境影響評価を義務付ける基準を緩和しないよう求める意見書(案)
■憲法9条改正の発議については慎重に取り扱うよう求める意見書(案)
また、共産党市議団提出で前議会から継続審議になっている意見書は次の2件。
■年金過少支給問題の早期改善を求める意見書(案)
■主要農作物種子法廃止の撤回及び公的な種子制度の維持・強化を求める意見書(案)
このうち、新たに提出されたトリチウム海洋放水、水道法改正案に関する意見書及び、継続審議となっている種子法廃止に伴う意見書に関しても創世会から同趣旨の新たな意見書が提出され、提出会派間の調整が委員長から求められた。
共産党市議団提出の意見書のうち3件を起草したので、以下、全文をお知らせします。
先の通常国会では「コンセッション方式」等を水道事業に導入し、民間企業の参入を促す水道法改正案が審議入りした。同法案は、2日間の審議で衆議院を通過したが、参議院での審議は見送られ、現在、継続審議となっている。
水道事業は、あまねく国民に安全、安心、安定的な水供給によって、憲法の生存権を保障するものである。新水道ビジョンは、基準に適合した水が、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって持続的に受け取ることができるとうたっている。
こうした中で、今回の改正案では、都道府県の主導で広域化を図り、水道事業に、施設を自治体が所有したまま、企業が運営できるようにするコンセッション方式の導入を盛り込んでいる。
しかし、先行する広域化計画では、自己水源を放棄したり余剰になったダム水を原水に使用させることなどが問題になっており、過去の事業の負債を水道事業に持ち込むことによって、住民のサービス低下が懸念される事態が引き起こされている。
コンセッション方式は、民間企業の利益が優先される結果、経営効率化のために、事業の安全性、安定性の後退が懸念され、料金値上げなどの住民負担増につながりかねない内容を持っている。
また、本市は、東日本大震災と大規模余震の2回にわたり水道設備に甚大を被害を受けたが、比較的短期日にその復旧をすることができた。この力となったのは、公営の水道事業として確保していた人材が、復旧の最前線で活躍したことにあり、この面からもコンセッション方式の導入には問題があると考える。
したがって、広域化とコンセッション方式を柱にする今回の水道法改正案には問題があると考え、法案を撤回することを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
内閣総理大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長
この夏は、本市においても前年同期に比べてほぼ2倍の熱中症患者が救急搬送され、また、死亡する事例も発生するなど、尋常ならざる猛暑に見舞われた。この中、小中学校の児童・生徒は、扇風機で熱い空気を攪拌するだけの教室の中で辛抱強く勉強をすすめていた。一方、屋内で熱中症を発症した7歳から18歳未満の少年は、昨年同期の1.4倍に上っている。
夏の暑さは、年々厳しさを増す傾向にあるが、本市の小中学校でエアーコンディショナーが設置されているのは保健室とパソコン教室のみとなっており、子ども達を夏の暑さから守り、また、より良い環境の中で学業を積むことで未来の担い手として育成する上では、不十分な環境となっている。
この中で、官房長官の小中学校へのエアコンの早急な設置発言を受け、文部科学大臣は、設置されていない学校を優先的に改善するため、学校施設環境改善交付金について「しっかりと財源の確保に努め、総額を確保することによって、より国庫補助が行き渡るようにしたい」と述べてきた。
本市では教室等必要な学校施設へのエアコン設置の検討が始まっている。本市の小中学校は106校にも上り、エアコン設置にかかる一時的な経費が膨大となる。このため、必要な学校施設すべてに整備することをためらう状況もあり、この負担軽減は子ども達の学習環境をより向上させる上でも欠かせない課題となっている。そしてこのような状況は、本市にとどまるものではないと考える。
よって国においては、エアコン設置にかかわる必要な財源確保に努めるとともに、現在、対象工事費の3分の1となっている交付算定割合を見直し、早期に大幅に引き上げることを求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
内閣総理大臣
官房長官
文部科学大臣
環境省が、風力発電所を新設する際に法律で環境影響評価を義務付ける「1万キロワット以上」を引き上げる基準緩和をする方針を固めたと報道されている。導入が伸び悩む風力発電の設置拡大を図るのが狙いとされる。
本市は、「原子力に依存しない社会の実現」をめざしているが、近年、民間事業者による風力発電事業が次々に計画され、現在では3万キロワットから概ね9万キロワットまで計7事業が計画されるにいたっている。この中で、仮称・遠野風力発電事業(アカシアリニューアブルズ株式会社)のように事業者の事業説明のあり方をめぐって地区住民をあげて問題点が指摘されるなど、環境影響評価をめぐってトラブルが発生する事例も生じてきた。
一方では、環境影響評価をめぐって地区住民との対話・説明を粘り強く続けて理解を広げながら、事業の実現に向けて取り組んでいる事業者もある。
こうしたことを考える時に、現在実施されている風力発電事業設置までのプロセスは、事業者と地区住民の対話を促進し、事業に対する住民理解を広げ、安定的な事業推進に寄与する側面を持っているものと考えられる。
こうした時に、環境影響評価の義務付け基準を緩和することによって、比較的規模の小さい風力発電事業計画を、現行の風力発電事業設置のプロセスから外すことは、地区住民と地域住民の対話と理解を広げる機会を失することにつながり、ひいては事業開始後の安定的な事業運営を阻害することにもなりかねず、また、それは、本市がめざす風力メンテナンス産業を中心とした産業集積にもマイナス要因となりかねない。
よって、本市議会は、風力発電事業に環境影響評価を義務付ける基準を緩和しないよう求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
内閣総理大臣
官房長官
環境大臣
通産大臣
他会派のみなさんのご賛同をいただき、採択されれば良いのですが。そのために後の時間力を尽くさなければなりません。
午前10時から開かれた本会議で条例案や一般会計補正予算案、平成29(2017)年度の各会計決算案など48議案が提案され、今日の日程を終了しました。だいたい50分程だったかな。
議案の内容は、こちらで紹介しています。
8月30日の本ブログ「いわき市議会9月定例会の議案が公表されました」
また、議員が発議できることになっている行政機関に対する意見書を取り扱う意見書検討委員会が開かれ、各会派から出された意見書案が示されました。
いわき市議会の場合、何らかの議案を発案は提案者に加え2名の賛同者が必要とされており、こうした関係から3名以上で届けられた会派が交渉会派として、意見書を含めた議案を提案できることとなっています。この定例会には、創世会から6件、公明党から4件、共産党市議団からは6件に加え、前回定例会から5件が継続審議となっており合計21件が提出されました。
9月定例会に市議団が提出した意見書は以下の通り。
■住民が反対している東京電力福島第一原子力発電所からのトリチウム汚染水の海洋放水をさせないことを求める意見書(案)
■「コンセッション方式」等を導入する水道法改正案を撤回することを求める意見書(案)
■公立小中学校のエアコン設置促進のため関連する学校施設環境改善交付金の早期大幅増額を求める意見書(案)
■生活保護世帯に対してエアコン設置等の助成拡大を求める意見書(案)
■風力発電所の環境影響評価を義務付ける基準を緩和しないよう求める意見書(案)
■憲法9条改正の発議については慎重に取り扱うよう求める意見書(案)
また、共産党市議団提出で前議会から継続審議になっている意見書は次の2件。
■年金過少支給問題の早期改善を求める意見書(案)
■主要農作物種子法廃止の撤回及び公的な種子制度の維持・強化を求める意見書(案)
このうち、新たに提出されたトリチウム海洋放水、水道法改正案に関する意見書及び、継続審議となっている種子法廃止に伴う意見書に関しても創世会から同趣旨の新たな意見書が提出され、提出会派間の調整が委員長から求められた。
共産党市議団提出の意見書のうち3件を起草したので、以下、全文をお知らせします。
「コンセッション方式」等を導入する水道法改正案を撤回することを求める意見書(案)
先の通常国会では「コンセッション方式」等を水道事業に導入し、民間企業の参入を促す水道法改正案が審議入りした。同法案は、2日間の審議で衆議院を通過したが、参議院での審議は見送られ、現在、継続審議となっている。
水道事業は、あまねく国民に安全、安心、安定的な水供給によって、憲法の生存権を保障するものである。新水道ビジョンは、基準に適合した水が、いつでも、どこでも、誰でも、合理的な対価をもって持続的に受け取ることができるとうたっている。
こうした中で、今回の改正案では、都道府県の主導で広域化を図り、水道事業に、施設を自治体が所有したまま、企業が運営できるようにするコンセッション方式の導入を盛り込んでいる。
しかし、先行する広域化計画では、自己水源を放棄したり余剰になったダム水を原水に使用させることなどが問題になっており、過去の事業の負債を水道事業に持ち込むことによって、住民のサービス低下が懸念される事態が引き起こされている。
コンセッション方式は、民間企業の利益が優先される結果、経営効率化のために、事業の安全性、安定性の後退が懸念され、料金値上げなどの住民負担増につながりかねない内容を持っている。
また、本市は、東日本大震災と大規模余震の2回にわたり水道設備に甚大を被害を受けたが、比較的短期日にその復旧をすることができた。この力となったのは、公営の水道事業として確保していた人材が、復旧の最前線で活躍したことにあり、この面からもコンセッション方式の導入には問題があると考える。
したがって、広域化とコンセッション方式を柱にする今回の水道法改正案には問題があると考え、法案を撤回することを求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
いわき市議会
内閣総理大臣
厚生労働大臣
衆議院議長
参議院議長
公立小中学校のエアーコンディショナー設置促進のため関連する学校施設環境改善交付金の早期大幅増額を求める意見書(案)
この夏は、本市においても前年同期に比べてほぼ2倍の熱中症患者が救急搬送され、また、死亡する事例も発生するなど、尋常ならざる猛暑に見舞われた。この中、小中学校の児童・生徒は、扇風機で熱い空気を攪拌するだけの教室の中で辛抱強く勉強をすすめていた。一方、屋内で熱中症を発症した7歳から18歳未満の少年は、昨年同期の1.4倍に上っている。
夏の暑さは、年々厳しさを増す傾向にあるが、本市の小中学校でエアーコンディショナーが設置されているのは保健室とパソコン教室のみとなっており、子ども達を夏の暑さから守り、また、より良い環境の中で学業を積むことで未来の担い手として育成する上では、不十分な環境となっている。
この中で、官房長官の小中学校へのエアコンの早急な設置発言を受け、文部科学大臣は、設置されていない学校を優先的に改善するため、学校施設環境改善交付金について「しっかりと財源の確保に努め、総額を確保することによって、より国庫補助が行き渡るようにしたい」と述べてきた。
本市では教室等必要な学校施設へのエアコン設置の検討が始まっている。本市の小中学校は106校にも上り、エアコン設置にかかる一時的な経費が膨大となる。このため、必要な学校施設すべてに整備することをためらう状況もあり、この負担軽減は子ども達の学習環境をより向上させる上でも欠かせない課題となっている。そしてこのような状況は、本市にとどまるものではないと考える。
よって国においては、エアコン設置にかかわる必要な財源確保に努めるとともに、現在、対象工事費の3分の1となっている交付算定割合を見直し、早期に大幅に引き上げることを求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
いわき市議会
内閣総理大臣
官房長官
文部科学大臣
風力発電所の環境影響評価を義務付ける基準を緩和しないよう求める意見書(案)
環境省が、風力発電所を新設する際に法律で環境影響評価を義務付ける「1万キロワット以上」を引き上げる基準緩和をする方針を固めたと報道されている。導入が伸び悩む風力発電の設置拡大を図るのが狙いとされる。
本市は、「原子力に依存しない社会の実現」をめざしているが、近年、民間事業者による風力発電事業が次々に計画され、現在では3万キロワットから概ね9万キロワットまで計7事業が計画されるにいたっている。この中で、仮称・遠野風力発電事業(アカシアリニューアブルズ株式会社)のように事業者の事業説明のあり方をめぐって地区住民をあげて問題点が指摘されるなど、環境影響評価をめぐってトラブルが発生する事例も生じてきた。
一方では、環境影響評価をめぐって地区住民との対話・説明を粘り強く続けて理解を広げながら、事業の実現に向けて取り組んでいる事業者もある。
こうしたことを考える時に、現在実施されている風力発電事業設置までのプロセスは、事業者と地区住民の対話を促進し、事業に対する住民理解を広げ、安定的な事業推進に寄与する側面を持っているものと考えられる。
こうした時に、環境影響評価の義務付け基準を緩和することによって、比較的規模の小さい風力発電事業計画を、現行の風力発電事業設置のプロセスから外すことは、地区住民と地域住民の対話と理解を広げる機会を失することにつながり、ひいては事業開始後の安定的な事業運営を阻害することにもなりかねず、また、それは、本市がめざす風力メンテナンス産業を中心とした産業集積にもマイナス要因となりかねない。
よって、本市議会は、風力発電事業に環境影響評価を義務付ける基準を緩和しないよう求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
いわき市議会
内閣総理大臣
官房長官
環境大臣
通産大臣
他会派のみなさんのご賛同をいただき、採択されれば良いのですが。そのために後の時間力を尽くさなければなりません。
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