遠野町の遠野興産が上遠野地区に新しくウッドペレット工場の設置を計画しており、説明会が開かれました。
計画といってもすでに行為はすすみ8月には機器納入を終了し、10月末で工事が完了するということで、いわばほぼ終了段階での説明会ということになり、あまりにも遅い説明会です。
会場には70人程の住民が集まり、関心の高さが示されましたが、この時期に説明会となった背景に、補助金の決定の関係で説明が遅れたと説明します。一方では、この工場を設置する場合は、住民に対する説明会を開かなくても良いようで、ただ地元の企業なので、こうした機会を設けたといいます。
さて、事業は経産省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業」の補助を受けたもので、補助金10億円を含め総投資額は20億円になるといいます。この補助金で22人の新規雇用をすることになっています。
計画では木材チップを搬入し、これを木質ペレットに加工し搬出することにしており、ペレット製造過程の熱源としてバーク(木の皮)やチップを燃料とするボイラーを炊くといいます。施設は24時間稼働し、原材料や製品の積み出しは全て日中に行うとしています。
以下の図が当日、会社側から配布された資料です。
周辺は同社が経営する葬儀場「やすらぎの杜」に隣接していますが、葬儀などがなければ非常に閑静な住宅地です。そして、最近、住宅が増えてきた地区です。
この地区への工場新設であげられる問題点の1つは、住宅地が隣接しており、工場から発生する塵やほこりによる周辺環境への影響や騒音などです。
会社側は、大きい騒音の発生源となる機械は住宅地から離れた場所に設置する、チップの野積みはするものの、チップはふるいにかけ、塵等は落とした状態で搬入するといいます。それでも完全に塵等が落とせるわけではないといいます。
2つめに交通の懸念です。住宅地に侵入するための道路は一つです。しかも普通車がすれ違うのがやっとの狭さ。ここに原材料やボイラー燃料の搬入、製品の積み出しのためのトラックが出入りすることになります。会社は、通学時間帯のは午前7時から8時は搬入をせず、トラックの通行は日中だけにするといいます。
しかし、周辺の住民は、いまでさえ、葬儀場で執り行われる通夜等の際に交通に支障をきたしており、加えてトラックが日常的に出入りすることになれば交通の支障がさらに大きくなる懸念を持っています。
また、狭い道での大型車の通行で、子どもたちの歩行の安全が損なわれかねないという懸念も持っています。
朝の通学時間帯は通らないといいます。しかし規制をしたとしても、学校帰りはそのような規制がありません。細い道を通って帰宅することになるわけで、朝の通行規制をすれば、子どもたちの通学の安全が保たれるかというと、決してそんなことは言えないわけです。
3つめに、ボイラーで燃料とするのがバーク(木の皮)、皮付きチップ、接着剤を使っていな古材(のチップだったかな)。バークは放射性物質の汚染が懸念される燃料ですが、会社は放射性セシウムで100bq(ベクレル)以下のものを利用するといいます。燃やす燃料は1日40トン。燃やす燃料の1kgが仮に1bqだったとして4万bqが燃やされることになります。
燃やされた後の放射性物質は、排煙中の塵と結合した形で行動すると聞いたことがあります。このボイラーの排煙は、電気集塵機とバグフィルターを通して塵を取り除くといいます。そして排出前には、ばい塵の量を測定する装置を取りつけ、動向を常時監視する仕組みです。窒素酸化物等の常時監視装置はないそうで、これを除けば能力は「(市の)清掃センター並み」とメーカー担当者は胸をはります。しかし、運転時の管理によっては十分な効果を発揮できないこともあると聞いています。
また、窒素酸化物やイオン酸化物の影響が最も強いのは半径600mといい、その範囲にはおおむね県立遠野高校、遠野保育所、上遠野小学校、中学校が入りそうです。
こうした観点から見ると、あまり良い立地条件とは言えないと思います。
また、ボイラーの系統は1系統しかありません。これがなければペレットの製造ができませんから、問題があった際に、製造を停止して、問題点の解決をすることが、生産量との関係でできうる状況なのか。
いろいろと疑問はつきません。
初めに書いた通り、住民の関心は高い。工場建設の計画を知れば知るほど関心を高めてくることは間違いありません。
説明会では、住民が関心を持っている、排ガス、騒音、振動、交通などに関しては説明資料さえもなく、単に工場の概要を説明する範囲でした。私も含め、公害への懸念、遅すぎる説明会への非難など、様々な住民の声がありました。遅すぎる住民説明という現状を考えた時に、会社の都合で工事だけはすすむ。そうした事態だけは避けていただかなければならない。そう思います。
なお、私のボイラーの排ガスなどに対する基本的スタンスは、2012年12月12日に鮫川村青生野地区で環境省が農業系廃棄物(放射線に汚染されたもの)の焼却処理実証実験を計画した際に書いた2012年12月12日のブログに掲載してありますので、ご参照ください。
合意こそ事業の前提。鮫川村焼却実証実験施設(2012年12月12日)
計画といってもすでに行為はすすみ8月には機器納入を終了し、10月末で工事が完了するということで、いわばほぼ終了段階での説明会ということになり、あまりにも遅い説明会です。
会場には70人程の住民が集まり、関心の高さが示されましたが、この時期に説明会となった背景に、補助金の決定の関係で説明が遅れたと説明します。一方では、この工場を設置する場合は、住民に対する説明会を開かなくても良いようで、ただ地元の企業なので、こうした機会を設けたといいます。
さて、事業は経産省の「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助事業」の補助を受けたもので、補助金10億円を含め総投資額は20億円になるといいます。この補助金で22人の新規雇用をすることになっています。
計画では木材チップを搬入し、これを木質ペレットに加工し搬出することにしており、ペレット製造過程の熱源としてバーク(木の皮)やチップを燃料とするボイラーを炊くといいます。施設は24時間稼働し、原材料や製品の積み出しは全て日中に行うとしています。
以下の図が当日、会社側から配布された資料です。
周辺は同社が経営する葬儀場「やすらぎの杜」に隣接していますが、葬儀などがなければ非常に閑静な住宅地です。そして、最近、住宅が増えてきた地区です。
この地区への工場新設であげられる問題点の1つは、住宅地が隣接しており、工場から発生する塵やほこりによる周辺環境への影響や騒音などです。
会社側は、大きい騒音の発生源となる機械は住宅地から離れた場所に設置する、チップの野積みはするものの、チップはふるいにかけ、塵等は落とした状態で搬入するといいます。それでも完全に塵等が落とせるわけではないといいます。
2つめに交通の懸念です。住宅地に侵入するための道路は一つです。しかも普通車がすれ違うのがやっとの狭さ。ここに原材料やボイラー燃料の搬入、製品の積み出しのためのトラックが出入りすることになります。会社は、通学時間帯のは午前7時から8時は搬入をせず、トラックの通行は日中だけにするといいます。
しかし、周辺の住民は、いまでさえ、葬儀場で執り行われる通夜等の際に交通に支障をきたしており、加えてトラックが日常的に出入りすることになれば交通の支障がさらに大きくなる懸念を持っています。
また、狭い道での大型車の通行で、子どもたちの歩行の安全が損なわれかねないという懸念も持っています。
朝の通学時間帯は通らないといいます。しかし規制をしたとしても、学校帰りはそのような規制がありません。細い道を通って帰宅することになるわけで、朝の通行規制をすれば、子どもたちの通学の安全が保たれるかというと、決してそんなことは言えないわけです。
3つめに、ボイラーで燃料とするのがバーク(木の皮)、皮付きチップ、接着剤を使っていな古材(のチップだったかな)。バークは放射性物質の汚染が懸念される燃料ですが、会社は放射性セシウムで100bq(ベクレル)以下のものを利用するといいます。燃やす燃料は1日40トン。燃やす燃料の1kgが仮に1bqだったとして4万bqが燃やされることになります。
燃やされた後の放射性物質は、排煙中の塵と結合した形で行動すると聞いたことがあります。このボイラーの排煙は、電気集塵機とバグフィルターを通して塵を取り除くといいます。そして排出前には、ばい塵の量を測定する装置を取りつけ、動向を常時監視する仕組みです。窒素酸化物等の常時監視装置はないそうで、これを除けば能力は「(市の)清掃センター並み」とメーカー担当者は胸をはります。しかし、運転時の管理によっては十分な効果を発揮できないこともあると聞いています。
また、窒素酸化物やイオン酸化物の影響が最も強いのは半径600mといい、その範囲にはおおむね県立遠野高校、遠野保育所、上遠野小学校、中学校が入りそうです。
こうした観点から見ると、あまり良い立地条件とは言えないと思います。
また、ボイラーの系統は1系統しかありません。これがなければペレットの製造ができませんから、問題があった際に、製造を停止して、問題点の解決をすることが、生産量との関係でできうる状況なのか。
いろいろと疑問はつきません。
初めに書いた通り、住民の関心は高い。工場建設の計画を知れば知るほど関心を高めてくることは間違いありません。
説明会では、住民が関心を持っている、排ガス、騒音、振動、交通などに関しては説明資料さえもなく、単に工場の概要を説明する範囲でした。私も含め、公害への懸念、遅すぎる説明会への非難など、様々な住民の声がありました。遅すぎる住民説明という現状を考えた時に、会社の都合で工事だけはすすむ。そうした事態だけは避けていただかなければならない。そう思います。
なお、私のボイラーの排ガスなどに対する基本的スタンスは、2012年12月12日に鮫川村青生野地区で環境省が農業系廃棄物(放射線に汚染されたもの)の焼却処理実証実験を計画した際に書いた2012年12月12日のブログに掲載してありますので、ご参照ください。
合意こそ事業の前提。鮫川村焼却実証実験施設(2012年12月12日)
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