伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

凍土遮水壁に思う

2014年08月10日 | 原発
 前から気になっているのが凍土遮水壁の問題です。
 これにかかわる作業の一つとして、東電福島第一原発の2号機、3号機につながるトレンチから流れ込んだ高濃度汚染水を汲み上げる作業が続いています。東京電力は、4月のいわき市議会東日本大震災復興特別委員会の時(5月の第一原発視察の時だったかも)に、トレンチの原子炉建屋側を凍らせて遮水し、汚染水を汲み上げる計画でいることを説明していました。ところが7月6日の新聞は、汚染水が凍らないため遮水できない状況にあることを報道しました。

先行して実施した場所でも2ヶ月かかって凍結できないでいるというのです。「水の流れがあって、温度が下がりきらない」ことが原因だといいます。

 その後、この対策として氷やドライアイスを投入し、水を冷やして凍結を促す考えが報道されました。凍土遮水壁については「工法が異なるから大丈夫」というコメントもあるようですが、本当に役にたつのかな、と思わせる事態になっています。

 この対応策も十分効果を発揮することができず、困難な作業が続いているようです。しんぶん赤旗には凍土遮水壁に批判的な見解の記事を掲載しました。









 5月に第一原発を視察した際、凍土遮水壁のことは気にかかっていたので、東電の案内担当者に聞いてみました。

 一つは地下の配管が把握されているかどうかです。これについては把握されているということでした。

 把握されているとすれば、大工事になるかもしれませんが、大規模な運用は初めてという凍土遮水壁などという方法ではなく、コンクリートや鉄骨・鉄板を使った一般の工法で対応できるのではないか、そう思われるのです。そんなこともあって「なんで凍土遮水壁なのか」を聞いて見ると、遮水効果を高めるために事故炉に近い場所で遮水したいということなどが理由としてあげられるようですが、同時に「新技術が国の補助対象」となっているともいいました。

 なるほど凍土遮水壁で今回の工事による利益を確保出来るだけでなく、技術が確立することでゼネコンの将来の利益確保にもつながるということなのか、と思いました。地下に壁をつくる大規模な土木作業が伴わない、作業員の被ばくの抑制などが凍土方式にこだわる原因かもしれないと思い浮かびますが、効果が部分的にしか確認されていない不確かな技術による遮水ではなく、確立された技術で確実に遮水する、この姿勢で対策に臨むことが、遠回りに見えても確実な遮水になる。そんな思いが湧いてきます。

 それからトレンチの凍結作業で、氷などを数百トン単位で透過しているようですが、氷は溶けると水になります。汚染水の増加、増加に伴う海への流出が心配されるのですが、こちらも別の方法による遮水に切り替えたほうが良いように思いますが・・。


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