トランプ
大晦日に久しぶりに集まった家族も、明けて2日には娘が自分の生活する街に戻り、また離ればなれに。
考えたら、子育てって長いようで、振り返ると一緒に過ごす時間は短い。
元日の夜。
「久しぶりにトランプしない?」
僕が提案した。
「いいよ」っと、子ども達。ノリノリではないが、子ども達も承諾。
子ども達が小学校の頃は、親子で本当によくトランプをした。勝敗を点数にして、表につけた。僕も本気で勝負し、負けた息子が涙を流して悔しがるほど、熱くなった。
「セブンブリッジがいいね。でもやり方覚えてる?」
「確か7枚ずつカードを配って、真ん中のストックから1枚もらい、1枚捨てるんだよね」
景品でもらったカードを机の中から探し出し、封を切って、真新しいカードを7枚ずつ配り、とにかくゲームを始める。
同じ数字か、同じ絵札の続き番号が3つそろったらいいんだよ。7は、1枚でもいい。他の人が捨てたカードをポン出来るんだよね。誰かが上がったときの残りカードの数字の合計で少ない方がいいんだ。一発上がりはマイナス50点。持ち札に7があれば、点数が倍になるんだよ。やり乍ら我が家のローカルルールを思い出して行く。
「ポン、上がり」と、最初のゲームは僕がマイナス50の一発あがり。娘は、その前に同じ絵札がそろった途端、自分の前に公開して持ち札の数の合計は10数点。でも僕と同じ様に1発上がりをねらっていた息子は、7を2枚持っていて、4倍の点数となっていきなり百点を越し、最下位。
次のゲームは、やはり娘が早めに公開し、僕は1発上がりを狙っていたら、今度は息子が1発上がり。7を2枚持っていた僕が、沈み、息子がマイナス50点。
3ゲーム目は、娘が役カードと7を少しずつ公開して、息子と僕の1発狙いを阻止。
そうだった。これって、子ども達が小学校の頃と変わらない3人のゲームパターン。常にせっせと安全策でカードを公開し、大勝ちは無いが、大負けもしない堅実な長女。僕と長男は、最初のカードで見通しが悪いと公開も考えるが、まずは二人とも一発上がりを基本的にねらう。小学生が本気の大人にかなう訳が無く、最終的な最下位はほとんど長男だった。
20年近く経っても、親子3人の性格の変わらない部分を発見して、ゲームの途中で僕は一人静かに笑ってしまった。
2012年の元日の戦いは、父親の優勝で終わった。
(2012.1.9)
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