<河北新報より>
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青森県の十和田市立新渡戸記念館の存廃問題で、市指定文化財など収蔵資料の保管に不安が広がっている。市は今月末の廃館を求める姿勢を崩さず、資料の大半を所有する十和田新渡戸家との協議も進展がない。空調が止まった場合に備え、有志による保全活動も始まった。
耐震強度不足を理由に4月に休館になった記念館には、約8000点の資料がある。新渡戸稲造博士の愛用品や新渡戸家伝来の甲冑(かっちゅう)が並び、室町時代の物もある。
市は月末の廃館後、解体に着手する方針。耐震性の再調査を求める新渡戸家は協議継続を訴えるが、7月以降は市が電気を止める可能性がある。
新渡戸家関係者は「空調が止まれば漆製品の変形や文書にカビが生じる恐れがある。追い出されたら資料は散逸する」と懸念する。
5月には、近くの市民ら約10人がボランティアの会を作り、資料の整理を手伝い始めた。歴史が好きだという沢口騏三夫さん(73)は「問題が決着する日を信じ、資料保全に協力する」と話す。
5月29日には国立民族学博物館の日高真吾准教授(43)が招かれ、収蔵環境を保つ方法などを会のメンバーに教えた。日高准教授は「資料は十和田の地域文化遺産。保全に務めたい」と述べ、今後も助言を行う意向だ。
市観光商工部の横道彰部長は「廃館になれば電気代を払う財源はない。市の所有でない物に税金を使うには大義名分が要る。対応は新渡戸家との協議次第」との考えを示した。
<転載終わり>
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先日もお伝えしましたが、青森県の新渡戸記念館が解体の危機に瀕しています。十和田市立・新渡戸記念館に対して、十和田市長の小山田久が突然、「新渡戸記念館の耐震性に問題がある」と言ってきたそうです。専門家が調査したところ、耐震性には問題があるとは思われないとのことでした。そして、6月末までの廃館と、今年度中の解体撤去を要求してきたそうです。8000点の資料等を市に寄贈すれば大切に扱うが、寄贈しなければ勝手にしろ、と言ってきています。こんな横暴なことがあるのでしょうか。新渡戸家が話し合いをしたいと言っているのに、話し合いもせずに一方的に解体だというのは、誰がみてもおかしなことです。
しかもこの問題については、今年3月19日に十和田市議会が「新渡戸記念館の展示資料等の継続的展示に関する決議」を全会一致で可決しています。十和田市議会が展示の継続を可決しているにもかかわらず、市は、取り壊しをしようとしています。
この背景には、日本に武士道があっては困る国や勢力の圧力があるのではないかと思います。