<経営の成功原理と実践原則より記事転載>
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▼国家破産
国家破産とは、公務を行う行政機構の赤字が大きくなって累積し
(現在、約1000兆円の負債)、国民(金融機関、企業、世帯)が、
政府の借用証である国債を、低い金利ではファイナンス(購入)し
なくなることです。国家破産は、政府ではなく、株式市場に似てい
る債券市場が決めます。
(注)なお、企業は、自然人でないので選挙権と生存権はありませ
んが、財(不動産、マネー、商品)の所有権はもつ法的な人格を認
められた国民です。従って、法人には納税の義務があります。
もっと言えば、企業や世帯が国債を買うことは少ないため、金融機
関に勤める債券のディーラーやクォンツが決めます。更に言えば、
ヘッジファンドが先行する、国債の先物売り、オプション売り、ま
たはCDSの料率高騰で決めます。
(注)日本の国家財政は、負債が1000兆円と大きいため、現在1%
付近の長期金利が、2ポイントあがって、3%になると破産します。
ほぼ50歳以下の方に訊ねると、ほとんどの人は、その約束額(名目
ではなく実質金額)と支給開始時期を期待していないと言う公的年
金は、保険会社のような事務を、国家が行っています。これは、民
間保険会社でも、行えることです。他を言えば、医療保険は日本で
は国家ですが、米国では約1000社の民間です。
「国家破産」と言うと、国民経済が、何もかも終わりになるような
イメージで語られますが、それは、誤りです。公務の、いまの状態
が終わりになる。国民経済は、続きます。
国家破産とは、政府が、約束した支出、あるいは払わねばならない
金利、負債の満期償還ができなくなり(これをデフォルトと言う)、
公務を、ほぼ30%(100万人)は縮小せねばならないことです。こ
れが国家のリストラです。
財政破産の過程では(数年間)、ギリシアやスペインのような混乱
が起こりますが、数十年単位の長期で言えば、公務の割合の縮小
(国家のリストラ)ですから、いいことにも思えます。
この時、金融資産は、「ご破算で願いまして・・・」の感じです。
妙なコトバですが、「戦後の幕府体制」が終わります。
ただし、国家破産は、国民にとっての副作用があります。
金利の高騰と金融資産の価値の低下です。
平均的に言えば、金融資産をもつのは、所得が増える時代を経験し
た50歳以上です。1990年に勤務し始めてから約20年、給料がごくわ
ずかしか上がっていない40歳以下の人達には、負債(住宅ローン)
を上回る金融資産はない。このため、40歳に以下にとっては、金融
資産の価値が下がるのは、いいことです。
40歳以下は、自分たちには戻ってこない年金と医療費の掛け金で、
65歳以上の高齢者を支えています。「おあいこ」と言っていい。
40歳以下の人々の、高齢者に所得移転する負担は、実に、忍びない。
給料も増えず、社会福祉の負担は増え、非正規雇用から正社員に登
れない40%の人は結婚すらままならない。「希望」がないのです。
▼偏った金融資産
以下は、世代別の負債を引いた純金融資産です(プラスが純額)。
50代以上の世代は、金融資産(預金)の保有のリスクが大きい。
40代以下は、住宅ローン負債が固定金利なら、資産インフレで利益
を得ます。
・20代以下 + 66万円(ローン負債285万円)
・30代 - 45万円(ローン負債754万円)
・40代 + 223万円(ローン負債935万円)
・50代 +1127万円(ローン負債602万円)
・60代 +2127万円(ローン負債252万円)
・70代以上 +2401万円(ローン負債116万円):(総務省)
米国は30代、40代の金融資産も多い(若い富裕者がいる)のですが、
日本の金融資産は、高齢者に偏っています。
国民の立場から言えば、
(1)増税(消費税では25%が必要)として負担するか、
→これは物価の20%高騰になります、
(2)財政破産が必ず招く、国債の価格下落と金利の高騰として負
担するか、
(3)日銀が、売れない国債を買い、明確に円を増刷し始めると、
その2年後には起こる数10%の物価と資産のインフレで負担するか、
の違いです。このときは、50%近い円安(輸入物価の高騰)も同時
です。
いずれにせよ、負担せねばならない。どれがいいかです。
以上、普通は分かりにくい「国家」についてです。
【わかりにくい国家】
なぜ「国家」が分かりにくくなっているのか? 教育では、これを
教えないからです。共産主義が台頭した19世紀は多かったのですが、
近年はめぼしい本もない。このため、人々も「国家」を問うことが
ない。国家を問わないから、政治家と公務員が行う「公務」の概念
も分からない。
ジャーリズムは、本来、国民の立場から政治と公務を問い、提案す
べきですが、果たしていません。ジャーナリズムは、二つから生ま
れています。一つは、社会(民)の、普通の人は経験することが少
ない事件、スキャンダル、不正、犯罪を報じること。もう一つは、
国家と公務を批判的に問うことです。
国家が何かを明らかにしていないため国家破産というと、国が終わ
りになるような怖いイメージになっています。
企業と世帯は、国家とともには、終わりません。徳川幕府がつぶれ
た後、職を失ったのは、幕府と大名が雇っていた武士階級でした。
いまは武士ではありませんが、公務員がそれに該当します。
国家破産は、公務員機構の、金融的な破産です。国の財政が破れて、
山河、設備、企業、世帯在りです。国家破産は、愛されていた命を
奪い、慈しんできた街や家を壊滅させる大津波とは違います。
国家破産は、政府のお金の問題です。国民所得の40%にもなった公
務を縮小せよという、債券市場からの警告を無視するから破産しま
す。国家破産で皆が困ると言い(そのようにイメージさせ)、公務
を拡大し、大増税に向かう政府は、糾弾せねばならないと考えてい
ます。
以上で、拙著『国家破産』が、楽観論であることが分かるでしょう。
国家破産の章は、1章のみです。
<転載終わり>
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国家破産というと、日本国が潰れてしまい、国民全体が食うや食わずの貧乏生活に落ちてしまうと思ってしまいますが、一般市民は一時的には被害はあるようですが、長い目で見ればメリットも相当大きいといえるそうです。それに対して、公務員は30%もリストラされると言われています。増えすぎてしまった公務員をリストラして整理するのが国家破産だそうです。
ただ実際は公務員だけに被害が及ぶというのは考えにくいです。民間も相当な犠牲を払わなければならないと思います。ただ、増えすぎた公務員を削減するというのは、方向性は間違っていないと思います。
*一昨日は静岡県の新富士駅の近辺で、船井勝仁さんと中矢代表の講演会がありました。東京や地方からも大勢の人が集まり、とても盛り上がりました。船井勝仁さんと中矢代表のご講演は大変面白い内容で、目からウロコの観点も多かったです。また、身魂磨きや悟りについても理解を深めることができ、とても貴重な内容でした。参加して本当に良かったと思いました。更に、二日目の昨日は富士山のパワースポット巡りもあり、参加された方々は大いに満足されたようです。
また昨日は神社巡りサークルチーム関西の第2回目の活動の日でもありました。京都の下賀茂神社と上賀茂神社を参拝されたそうです(3月24日の第3回目は大阪の枚岡神社に参拝します。東京からも参加します)。更に昨日は、固定種で有名な野口種苗の野口さんの講演会も重なっていました。残念なことに、年に2回以上は、このように参加したいイベントが重なります。身体は一つなので、仕方ないですね。