悪魔
この世に悪魔が存在する。
僕が失恋した女性のことである。
数日前、僕を100%綺麗にフった彼女は急に
会いたい
と言い出した。
僕は年甲斐もなく喜んで
食事に誘った。
僕にはもうLINEも会うのも精神衛生上、良くないから
このまま音信不通がベストと考えていた矢先の誘惑である。
僕が本気で傷ついていることも知った上で
翻弄してくるのだ。
バカな僕は、忘れなきゃいけないのに、また会ってしまう。ひとしきり楽しい話と食事を済ませ、昼夜逆転した彼女のデザート欲に付き合ってマクドへ。
4時間もしゃべり続け、閉店近くまでいて帰路につく。
USJ行きます?
唐突に囁く彼女。
(てめぇ、どんな神経してんだ?)
僕は喜んで頷く。
僕の気持ちを踏みにじるように
「僕の気持ちに応えられない」と言いながら
食事に行き、USJを誘う。
あ、悪魔だ。
僕は呪いの縛りに震えながら
絞り出すように
「あかんやろ?USJはあかんやろ?」
と我に返りつつ
もう会わないほうがいいと言い放った。
友人として好き
と微妙なことを言う。
僕の心はボロボロになっていた。
心拍数が上がり
心臓を鷲掴みされる。
USJは行くのを泣く泣くキャンセルした。
僕のこの状態で行くのは
ジェットコースターに乗る前にゲロを吐いちまう。
人がそんなふうに苦しんでいる姿は面白い
と無邪気に笑っている。
キャンセルは全然構わんよと
企んだような眼差しを残して
彼女は家の前で車を降りて振り返らずに消えて行った。
本当は遠いところに行ってしまう彼女に「頑張って」って励ましてあげたかった。
多分、彼女は不安もあって誰かと(誰でもいいから)一緒にいたい気分だったのだろう。
神戸の街に雨が降ってきた。
この世に悪魔が存在する。
僕が失恋した女性のことである。
数日前、僕を100%綺麗にフった彼女は急に
会いたい
と言い出した。
僕は年甲斐もなく喜んで
食事に誘った。
僕にはもうLINEも会うのも精神衛生上、良くないから
このまま音信不通がベストと考えていた矢先の誘惑である。
僕が本気で傷ついていることも知った上で
翻弄してくるのだ。
バカな僕は、忘れなきゃいけないのに、また会ってしまう。ひとしきり楽しい話と食事を済ませ、昼夜逆転した彼女のデザート欲に付き合ってマクドへ。
4時間もしゃべり続け、閉店近くまでいて帰路につく。
USJ行きます?
唐突に囁く彼女。
(てめぇ、どんな神経してんだ?)
僕は喜んで頷く。
僕の気持ちを踏みにじるように
「僕の気持ちに応えられない」と言いながら
食事に行き、USJを誘う。
あ、悪魔だ。
僕は呪いの縛りに震えながら
絞り出すように
「あかんやろ?USJはあかんやろ?」
と我に返りつつ
もう会わないほうがいいと言い放った。
友人として好き
と微妙なことを言う。
僕の心はボロボロになっていた。
心拍数が上がり
心臓を鷲掴みされる。
USJは行くのを泣く泣くキャンセルした。
僕のこの状態で行くのは
ジェットコースターに乗る前にゲロを吐いちまう。
人がそんなふうに苦しんでいる姿は面白い
と無邪気に笑っている。
キャンセルは全然構わんよと
企んだような眼差しを残して
彼女は家の前で車を降りて振り返らずに消えて行った。
本当は遠いところに行ってしまう彼女に「頑張って」って励ましてあげたかった。
多分、彼女は不安もあって誰かと(誰でもいいから)一緒にいたい気分だったのだろう。
神戸の街に雨が降ってきた。