山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

かみさまをまつ(さんぽうた47)

2020年12月23日 | いきもの

  かみさまをまつ   りんご つくも

おまえは のこれ

おにいさんも
おねえさんも
たびだった

だけど
ぼくは ここにいる

ここにいて
かみさまを
おむかえするんだよ

それが
ぼくの やくわり

ゆきが つめたいよ
ちょっと さびしいよ

でも
かみさまは きてくれる

おなかをすかせた かみさまは
ぼくを みつけて
よろこんでくれる

そうして らいねんの
しあわせを
おいていってくれるんだ



 以前にも少々触れましたが、当地は、果物の名産地であります。その中の一つがこれ。

リンゴです


たわわに実ります


 その出荷の時期を終えた果樹園で、不思議な光景に出会いました。

木の枝に1個だけ実が残ってます



こっちにも1個だけ


 手が届かない高さではないのに1個ずつ残っているんです。品質が悪いからと言うわけではなさそうです。

 じゃあ、なぜ?
 少々考えたんですけど、思いついたのは2つ。

 1つ目。これからやってくる、ひもじい季節、野鳥や鼠たちに少しだけお裾分けを残しておく。自然愛護家のマタギ(?)としては、人類と自然との共生をめざした素敵なプレゼントだと思います。

 2つ目。今年の収穫に感謝し、来年の豊作を祈願する、謂わば『お供え』。人も生き物も、自然の神様の恵みによって生かされていると考えているアニミズムのマタギにとっては、しごくもっともな考えだと思います。

 いずれにしても、人と自然とは仲良く暮らしていかなければいけないんだよね。そんなことを、当たり前に実行している生産者の方々の思いというか願いに心を動かされたのでございます。

 1個だけ残されたリンゴに託された思い。大切にしていきたいものです。