冬はまだまだ実感できません。まして昨日は小春日和。蝶や蜂が満開の菊にたかって、生命の営みを続けていました。
季語の上では、昨日から冬。この写真の蝶や蜂も、冬の蝶とか冬の蜂と詠むのでしょうか。
一面に咲き誇る菊に、蝶が飛んだり止まってしながら、しきりに密を吸っていました。
これからは寒さが加わり、花の数も少なくなっていきます。
いくら立冬とは言え、昨日の蝶を「冬の蝶」とは詠めません。「冬の蝶」は、「凍蝶(いてちょう)」と詠んだりするのですから、冷え切った草木の上で、息絶え絶えに生き残っている状態なのでしょう。
しかし、立冬の日の蝶を、まさか「秋の蝶」とも言えないので、写真のタイトルは「蝶」とだけにしました。
冬の蝶いづこも暗き夜明けにて 飯田 龍太
冬蜂の死に所なく歩行き(あるき)けり 村上 鬼城