このところ宝くじのコマーシャルが盛んだ。景気がいいからなのか悪いからなのか。とにかく売りつけようとして大わらわ。
日比谷公園前には、このようなバスを繰り出して販売をしていた。
珍しかったのでパチリ。
面白偏屈医者の耳鼻科。
制服ジイさんは、ノドに刺さったウナギの骨を持って、イソイソと引き揚げた。
次の患者は私だ。
お医者はカルテを見ながら、
「今日はどこが悪いのですか?鼻、ノド、耳?」と訊ねた。
「鼻とノドです」
しかい私の答えには反応を示さない。まだ既往症のカルテを読み切れていないのだ。
「この前のは治ったの?」
「ええ、今日は別ものです。なにしろ丹精ですから……」 私は余分なことを言った。
お医者は怪訝そうな顔。
「タンセイ……って?」 私の顔をまじまじと眺めながら、質問をしてきた。
「心こめて病気して……でしょうかねえ」と、私。
「フーン、なるほど」 と、えらく気に入った様子で、「上手いこと言いますねえ。一病息災と言いますから、軽い病気ならかえって健康なぐらいだよねえ」、と反応してきた。
「お国の負担を掛け過ぎになるので、気が咎めてるんですよ」 と応酬した。これは余分だったらしい。
「そのために私たちがいるんだよ!私たちがいるからこの程度で済んでいるンでしょ!私がいなかったらいきなり大病で、それこそ國の負担は大変ですよ」と、大いなる切り返しに遭った。
そして、「40代50代の内科医を見つけといたらいいよ。そうなったら盤石だ」と、これはお医者のアドバイス。
「なんで40代50代ですか?」
「だって、あなたより早く死んだらまずいよ!そうでしょ!」
「まあ、そりゃあそうですけどねえ」などと、適当な相づちを打った。まだノドも鼻も診てくれていない。早く切り上げないと、ほかの患者に申し訳ない。
「この辺で40代50代の内科といったら、誰かなア」 お医者は本気になって考えている。
「○○さんは60過ぎているし、▲▲さんは幾つかなあ」とやりだした。
「先生、内科はいいですよ。私は耳鼻科が問題なんンですから……」
「そうか、そうか、そうですねえ。そン時に考えればいいんですよねえ」
やっと診察に取りかかった。
忙しい時間ではなかったが、幾人かの人が待っているのだ。私が恨まれる羽目になる。
風邪の初期だという診断で、解放された。
このお医者、どうやら長幼の序をわきまえて接してくるらしい。だから居心地がいいのだ。
とは言え、国の医療問題を悪化させないためには、こんな老人になってはいけない。
大いに反省した。
「到るところ青山」http://hiyodori.blogzine.jp/seizan/ にもお出かけくださいませ