散歩日記XX

主に趣味の話を書いているブログです。

優雅なはずの東京(7)

2021-11-20 23:01:34 | 飲み歩き・東京
精神的に追い込まれた時は、優しさを求めて、銀座のバー「SH」だ。16時から開店している店なので、もう混雑しているかなと思ったが、なんとか幸いなことにカウンター右端の席を確保することができた。

店主のYさんに迎えられ、「お久しぶりです」と挨拶。ちょうど柘榴が出始めたということで、アンタレス(私のオリジナルカクテル)を注文する。



酸味より少し甘みが勝った感じもあるが、アンタレスを飲みながら、窓の外の銀座の街を眺める。ここは雰囲気のいい店だよね。



2杯目は「ごく普通の、だけど飲んだことのなさそうなウイスキー」と無茶を言ってみると、ディンプル12年が出てきた。もちろん知っているが、飲んだことはないかもなあ。

 

で、このウイスキーが40度にも関わらず、驚きの美味さ。何だろう、甘味とコクが遥かに想像を上回っているのだ。

そして最後は「今年のカクテルテーマがディタなので、それを使った強めのカクテルを」とお願いすると、バー「O」のオーナーだった大槻氏のオリジナル、アンシャンテがやってきた。ジン+ディタ+レモン+砂糖という、極めて単純なレシピのカクテルだが、オレンジフレーバーのジンを使っているということで、スッキリしつつも、面白い味のカクテルになった。



3杯定量ということで、勘定をしてもらい店を出る。Y氏の心温まる見送りを受けてエレベーターへ。これで殺伐とした気持ちは癒された。



ホテルに向かう途中、さすがに銀座は見るものが多い。彫刻(?)を見つけたのですかさず撮影。もちろん作品名、作家名は無かったが、FRPではなく、ちゃんと金属製の作品なのだ。





某ビルで「草間彌生版画展 生命のよろこび」をやっていたが、もう閉まっているため外からこっそり撮影。



しかし、まだまだ時間は早く、大勢の人が歩いている。



既に3軒行った私は、帰りにコンビニで夜食などを購入してホテルへ。ホテルのドリンクサービスでワイン2種(白、赤、量は多くない)を部屋に持ち込んで飲み直す。



ホテルのテレビでYoutubeチャンネルを見ることができ、「孤独のグルメ」「1980年代邦楽メドレー」「アニメエンディングテーマ特集」から「美味しんぼ」へとハマる。



アニメエンディングテーマ特集では、私のカラオケ得意曲も流れる。







「美味しんぼ」で海原雄山の「この刺身を作ったのは誰だあ!」「ぬう、味の分からぬ者ばかりだ」という名セリフを聞く。


→これは岡星さんね。

結局、23時頃に就寝。
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優雅なはずの東京(6)

2021-11-20 18:30:35 | 飲み歩き・東京
さて、まだまだ時間は早いので次はどうするかと思ったが、中途半端に食べたので、展望が思いつかない。うーん、今回の計画に反するのだが、次も立ち飲みに行くか。ということで、新橋SL広場近くにある「V」へ。

他人との距離が取れるのかどうか心配になっていたのだが、まあ、ギュウギュウではないくらいで、カウンターへ。飲み物をどうするか相当迷い、なんとかバイスサワーを注文。迷っていた間の店員嬢の雰囲気が怖い。

つまみはあまり迷わずにアジ刺しと納豆オムレツ。おっとっと、ここは食べ物の注文は紙に書くのであった。それを間違えると、また空気を悪くしそうだ。しかしながら、アジ刺しは相当歯ごたえがあって、十分行ける。これはなかなかいいねえ(250円)。



そして、このチェーン店の名物料理(と私が言っている)納豆オムレツは今日も良かった(180円)。作り方がある程度見えたのだが、卵は2個。納豆はパック1個分にみじん切りのネギを入れ、納豆タレを下味にしているようだった。うーむ、自分でも試してみるかいな。



途中、焼酎をおかわりしたものの、腹も満ちてきて、殺伐とした雰囲気にもやられ、早々に勘定をしてもらった。



しかし、このチェーン店、札幌にも進出してほしいものである。

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優雅なはずの東京(5)

2021-11-20 17:48:19 | 飲み歩き・東京
歩いて銀座8丁目まで移動し、ホテルにチェックインだ。今回は多少なりとも優雅な旅行ということで、少し広めの部屋(20平米、ツイン)を取ることになったが、これ、値段は普通の1泊分といって良いくらいなんだよね。特に国から金の出る〇〇プランのようなものは適用していないのだが、ありがたいことだ。



入口方面を振り返る。



バスルームは浴槽無しで、シャワーブースのみ。特に問題なし。



ホテルで少し休憩して、今日は新橋方面に移動。ゆっくりできるクラシックな焼鳥屋さんに行こうと思っていたのだが、どうも土日休みに変わってしまったらしい。うーん、計画が狂ってガッカリだ。銀座店もあるのだが、そこまで歩くのは遠く、ふらふらと立ち飲みの「T」へ。ここは日曜日も営業しているので、まず確実にやっているだろうということで来たのだが、ゆっくりするはずが立ち飲みになるとは…。

まず、土曜日も注文可能な祝日セットでビール小からスタート。この店おなじみの通し、生野菜がなくなったのかと思ったら、私が一番目の客だったらしく、皿にもった生野菜が出てきた。これを取って、辛味噌を盛り付ける。



セットで出てくるものは、次に煮込みである。これはなかなか美味い煮込みで満足。途中から唐辛子をかけて食べるのも良しである。この水準の煮込みが札幌でも普通に食べられないものかね。



それから、串3本はコブクロ、カシラ、もう一本は何かなあ。ちょっと疲れていたのでタレにしてもらい、添えられた山椒を付けると風味が効いている。



2杯目はレモンサワーを注文。これを飲んでいると、どうも騒がしそうな4人組がやってきたので(幸い一番遠い奥の方に行った)、このくらいにしておきますか。



※新ブログに移行して1年以上経つが、これがカテゴリー「飲み歩き・東京」の最初の記事となる。
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優雅なはずの東京(4)

2021-11-20 16:00:14 | 美術・アート
ちょうど時間が来て、丸の内へ。

◼️三菱一号館美術館「イスラエル博物館所蔵「印象派・光の系譜」。
カミーユ・コロー「川沿いの町、ヴィル=ダヴレー」:落ち着いて素敵な小品。小さく描かれた人の帽子の赤が効いている。
ポール・セザンヌ「川の湾曲部」:ぐねぐねと強い筆跡である。セザンヌにしては珍しい気がする。
レッサー・ユリィ「風景」:途中、撮影可能のエリアがあり、そこで出会ったのがこの画家である。全く名前を知らなかったが、4作品が出品されており、新発見という気がする。



ポール・セザンヌ「陽光を浴びたエスタックの朝の眺め」:セザンヌの良い方の作品。



ポール・ゴーガン「ウパウパ(炎の踊り)」:タヒチの民族性あふれる作品。
ルノワール「マダム・ポーランの肖像」:ルノワールは出来不出来の差が大きいと思うのだが、これは良いルノワールである。
ヴュイヤール「窓辺の女」:外から見た室内の女性を描いた作品。窓のひさしの緑色がいい。

レッサー・ユリィ「赤い絨毯」:都市の生活と人を描いた作品。
クロード・モネ「睡蓮」:イスラエル博物館ではなく、DIC川村記念美術館からの出品で、これは上出来な睡蓮だ。
クロード・モネ「睡蓮」:こちらは和泉市久保惣記念美術館からの出品。オレンジ色の炎が上がっているかのような魅力的な作品。

結論から言うと、この展覧会の観覧事情が今日の中では最悪だった。まあ、印象派だし、午後の良い時間帯になっていたので、多少の混雑はあるだろうと思っていた。しかし、予約制の割には人を入れすぎではなかろうか。監視員がお為ごかしで「距離を取るようにして下さい」なんて札を掲げていたが、これだけ人がいたら、絶対に無理だろうよ。

また、この美術館は小展示室の連続で、もともと混雑しやすい特性があると思う。それに加えて、小部屋に入ったときに、真っ直ぐ進むのか、奥まった壁に沿って進むのか順路が定まっていない。

まあ、日本人が第一室の一枚目の絵から真面目に見ていくのが良くないのかもしれない。私自身、最初から順番に見ていくのが好みではあるのだが諦めて第3室から見てまわり、入室から20分程経ったところで(30分後に次の組が入ってくる)、第一室に戻ったら、まあまあなくらいに人が減っていたからね。

今回の展覧会の中ではかなり高額の入場料(驚くなかれ1900円)を取っている展覧会だが、その価値には見合わなかったと言わざるをえまい(他の展覧会との相対比較も入れると)。

最後は集中力がちょっと切れて、観覧終了。



※ただし、前日にこの展覧会に行った知人によると、とても快適に見ることができたそうである。混雑する時間帯があるのだな。
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優雅なはずの東京(3)

2021-11-20 15:00:59 | 美術・アート
さて、ちょうど良いくらいの時間で見て回ったと思うのだが、次の予約まで余裕を見ていたので時間が余った。美術館の完全予約制というのも、それだけを目的に来る人には良いのだろうが、東京以外からやってきて、1日に3つの展覧会を見ようとしてる私には大変困りものである。

しかし、ちょうどもう一つの展覧会を先に見ていくくらいの時間があるのではなかろうか。ということで、東京駅に戻る。

◼️東京ステーションギャラリー「小早川秋聲ー旅する画家の鎮魂歌」。彼は大変な旅行好きのようで、中国、インド、欧州(イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ハンガリー、チェコ、オーストリア、グリーンランド)、また1920年頃に北海道に来て、函館から浜頓別あたりまで行っているのである。

「するめといわし」:修業時代の写生。超上手い。
「追分物語」:嵐の中、船に乗るアイヌの女性と猫。不穏な気配のする作品。
「絲綢之路」:砂漠を行くラクダの商隊を描いた水墨画のような作品。これが鳥取県立博物館にあるというのがいいね。

「エジプトカイロ 夕月」:味のあるカラースケッチ。
「グリーンランドの氷山の月」:なんだか、川瀬巴水あたりが描きそうな風景。
「雪舟」:なんともエロい気配のする小坊主である。

「風呂屋」:何となくこの人の作品を見ると、ごく普通の「世情」をちゃんと見ている気がする。
「米国グランドキャニオン 暁月」:アメリカにも行っていたのね。
「御旗」:そして従軍画家時代へ。銃を支えにして立てられた軍旗と兵隊を描いているのだが、淡い水色と兵隊の足元にある可憐な草花はどこかロジャー・ディーンを思わせるようで、見ていて辛い。

「軍艦」:逆光の中、青と緑の海に浮かぶ軍艦。美しいのだ。
「浄魂」:魂か、いや怨みの声が瘴気のように上がっているのか。画が泣いているよね。
「業火 シンガポールの最後」:わずかに浮かぶ燃える街の姿とサーチライト。

「出陣の前」:(おそらくは死に向かう)隊長が出陣前に茶をたてて飲む姿を描いたもの。真面目そうな人だけに悲しい。
「國之楯」:刀を釣る鎖とか、細かいところがやたらに細かいのである。
「天下和順」:何百人とも数えきれない人たちが野原で楽し気に踊っている。1956年の作。戦争を通じて得た、彼の願いであろう。

東京ステーションギャラリーは予約がなくても余裕があれば入場可能ということだったが、意外とあっさり入ることができた。展示を見るときにも、多少、人が近い感じはあったが、割とさらさらと人は移動し、見やすい展示であったと言える。

しかし、途中から展示を見ているのが苦しくなってきた。こんなに世界人、いや地球人とでもいうべき、しかも心優しく、繊細にして暖かい目を持つ男(←私の想像です)に戦争画を描かせる時代があってはいけないだろう。





東京駅の前はさすがに人が多い。

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優雅なはずの東京(2)

2021-11-20 13:40:55 | 美術・アート
羽田空港からは、新千歳空港で購入しておいたモノレール+山手線きっぷで東京駅に移動。



食事が済んでいるので、早速、アーティゾン美術館へと向かう。予約が12時からなのだが、微妙に早く着いてしまい、丸の内地下街で時間を潰しながら美術館へ。





◼️アーティゾン美術館「M式「海の幸」森村泰昌 ワタシガタリの神話」。青木繁の代表的な作品「海の幸」「わだつみのいろこの宮」「大穴牟知命」も出品されているが、森村の作品がメイン。

森村泰昌「自画像/青春(Aoki)」:青木得意の「オレオレ自画像」を模した作品。



森村泰昌「M式「海の幸」」:M式=森村式ということであろう。たんなるコスプレじゃねえかという見方もあるかもしれないが、かなり綿密に計算の上で作られた作品なのだ。





森村泰昌「M式「海の幸」第8番:モードの迷宮」:「海の幸」にインスパイアされた、群像作品…、と言っていいのか。本人がこういうの好きなのかな? という気もするのである。





森村泰昌「ワタシガタリの神話」:森村が青木の紛争をしながら、青木に語り掛けるように「海の幸」を語るビデオ作品。「青木さんは早く死んだけど、坂本(繁二郎)はんなんかは戦争画を描かされて大変やった。でも、青木さんかて生きてたら、きっと描かはったわ」とかなり癖の強い関西弁で話をするのである。また「ゴーガンに「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」という画があるやろ。青木はんの「海の幸」はあれやわ」と、18分30秒を忘れそうな面白い語りであった(セリフは私の記憶で書いているので、かなり適当です)。



映像作品が苦手な私だが、これはぜひ見るべきと言っておこう。



◼️アーティゾン美術館「印象派 画家たちの友情物語」。いわゆる常設展示だが、親交のあった画家の作品を並べる形で展示がされていた。
パウル・クレー「ストロベリーハウスの建築工事」:ちょっとクレーでは見ない感じの作品で、気になった。



アンリ・ルソー「牧場」:だんだん良くなるルソーの絵画。



田中敦子「1985B」:現代絵画も展示されていた(といっても、36年前の作品か)。これは「友情物語」とは関係ないと思う。





◼️アーティゾン美術館「挿絵本にみる20世紀フランスとワイン」。
「オー・ド・ヴィー:花と果実のエスプリ「ムーラン・ド・ラ・ギャレット(ルノワールに倣って)」」:本の作者はエロン・ド・ヴィルフォスという人で、挿絵をラウル・デュフィが描いている。





美術館は驚くほど立派な建物に建て直され、空間的な余裕も大きくなったので、さほど混雑感を感じずに見ることができた。また、館内ロビーにはいくつかの作品が展示されいた。



SHINTARO TANAKA「ソノトキ音楽ガキコエハジメタ」。



アリスティド・マイヨール「欲望」:確かに欲望全開だな。



エジプト テーベ(ルクソール)「セクメト神立像」:いつも、こんなの持ってて大丈夫なのかと心配になる作品。



清水多嘉示「石橋正二郎寿像」。



クリスチャン・ダニエル・ラウホ「勝利の女神」:この美術館の守り神も無事に移転。



私は12時から13時半の予約で行ったのだが、1時間半あるとピッタリに行かなくても済むのでかなり気持ちは楽である。ウェブ予約だとチケットの値段も1200円でまあまあだろう。但し、キャンセル不可、日時指定変更は1回のみといろいろルールがあって、札幌から行く身にとっては制約が多いという気もするな。
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優雅なはずの東京(1)

2021-11-20 11:10:57 | 食べ歩き
朝6時起床。新聞を読んで、軽い朝食を取って7時過ぎに出発する。



7:23のバスに乗り、JR琴似駅に到着。



久しぶりだな、この流れは。しばらく前に東京に行き来していた時は仕事の出張ばかりで、最初は楽しかったが最後の方は辛いだけだった。しかし、今回は完全自由な東京旅行なのである。11月に予定していた長期休暇を延期せざるを得なくなったため、発作的に飛び石連休(私は22日も休みを取得)に東京に行くことにしたのである。今回はなるべく楽しく、優雅に過ごそうではないか。とりあえず、空港行の電車では座席に座ることができて、新千歳空港へ。そこそこ人はいるが、私が出張していた時代に比べると、少なめである。

少し早く空港に来たので、別レーンでチェックインをして、ラウンジへ。久々の空港ラウンジであるが、こっちにはそこそこ人がいる。まだかなり早い時間ではあるものの、私が休みに突入したという気持ちを明確にするため、その象徴としてビールを飲む(←いつもの訳の分からない発言である)。





しかし、ビールが美味い。少し頭がぼんやりしつつ、遅めに畿内へ移動する。なぜ遅めかというと、今回はプレミアムクラス席に座るので、一般の平民(失礼。私もごく普通の平民です)が横を通るのをすぎてからにしたいからなのである。久々の旅行だから少し贅沢にしようということで、出張爆発時代にためたマイルと、アップグレードポイントを使うのである。

久々にプレミアム席に座ることになったが、文明は進化しているな。今のプレミアム席はスイッチひとつでリクライニングが簡単にできるのである(座席についているモニターはあまり見ないけど)。



ちょっとリクライニングで斜めになりつつ、早い時間帯なので軽食が出ることになった。メニューはこんな感じである。

・人参と3種豆のマリネ
・スパニッシュオムレツとズッキーニのボロネーゼソースがけ
・グリルチキン
・アンチョビポテトとハムのパニーニサンド
・フルーツ(オレンジ、キウイ、りんご)
・ベーコンと人参のスープ



いずれも少量で、そんなに大した食事ではないのだが、飲み物をどうしようか。「日本酒ありますか?」と聞いてみると、新潟の越の誉清吟という純米吟醸酒があるそうなので、それを出してもらった。サイズは100mlか、上品だな。

まず最初に温かいスープを飲んでしまってから、残りのものを酒のつまみにして食べる。まあ、味は特筆するほどのことはない。食事が終わり、「飲み物のおかわりをお持ちしましょうか」と言われるので、もう一本、日本酒をもらうことにしたら、ちょっとしたおつまみまで付いてくる。



あれやこれやであっという間に時間は過ぎ、羽田空港に到着だ。到着と共に立ち上がろうとしたら、今はアナウンスに従って、前の席から順番に荷物を出し、飛行機を降りるのである。そんなことになっているとは知らなかった(ちょっと恥ずかしい)。流石に従順な日本人、皆大人しく指示に従うのであった。
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