中央アルプスは権平峠から大平宿まで全山縦走をしているのですが三ノ沢は主稜線から少し外れているので、未踏でした。
今回は伊奈川を遡行し三ノ沢岳に至りここを通り過ぎ、中三ノ沢岳、独標尾根を下り風越山に下りる周回です。
出発は昔の?木曽殿、空木に至る登山道です、ここは倉本から奥に入った馬の背が登山口です。
木曽義仲、巴午前などの伝説が残っている峠道で、中八丁峠です。ここで以前ダニに取り付かれ今回はハッカスプレーたっぷりです。
ここを越え伊奈川の渡渉点に出ます。昔の橋げたの名残があります。上流に取水提があるので水は少ない。飛び石伝いです。
取水提から入渓するとやや困難なようなので林道終点まで行き笹藪斜面を下り伊奈川に出ます。水は冷たくきれい。
深い淵や蒼い水、でも双六ほど遡行には困難を伴いません。先に見えるのは独標?
こんな落ち込みなどでは魚影が見られます。
あれは宝剣岳や木曽駒?
遡行は順調で2100m少し過ぎたところで左岸でツエルト泊。焚火もうまく燃えず途中であきらめ。
翌日も遡行を重ねます。水量も少なくなってきて斜度もやや強くなる。斜面の草木が揺れると大きなクマが斜面に上っていきました。
この谷で唯一の滝、3段ほどでしょうか。水流を楽に登れます。
滝上は 西の千畳敷 と言われるきれいな景観。
遡行してきた谷を見下ろす。稜線までは藪漕ぎはほとんどありませんでした。
右から木曽駒、木曽前岳、麦草岳?
三ノ沢岳頂上から、宝剣岳、中岳、木曽駒ケ岳
三ノ沢岳頂上で記念撮影
これからあの凸凹にいくつものピークの連なる尾根に向かいます。
道もなくハイマツ漕ぎで右往左往、時間ばかりが過ぎます。おまけに藪漕ぎ中にGPS,熊スプレー、鈴をなくしてしまいました。
昼過ぎからガスが立ち込めてきたらいきなり夕立です。良い幕場探しもする間もなく変な斜面でツエルトを広げます。
一晩、濡れ鼠で寒く、お尻も安定しなく足も十分延ばせなくほとんど一睡ももできませんでした。
早く夜が明けるのを待ち焦がれていました。翌朝、目の前に御嶽山。まずまずの天気のようです。
中三ノ沢岳までは尾根を右に行ったり左に行ったりできるだけ安全そうな所を探します。岩場も多く高度感たっぷりです。
おそらくここが中三ノ沢岳でしょう2485m。先人の記念品があります。ここまでは本当に大変でルートファインディングに苦労しました
。
さて次の2368mピークまでも又大変。その先の下りは急傾斜、独標へのコルがよくわからず、下りすぎてしまいました
。
途中から見た三ノ沢岳かなり遠くなりました。
下りすぎた分、長い急な登りの後やっと三角点のある独標、周りの景色がよく見渡せます。中央が三ノ沢岳からたどってきた尾根です。
南に派生したピーク,蕎麦粒岳?にはとても行く気はありません。天狗山の方を目指します。この独標尾根も厳しい。
天狗山です。頂上は平。ここも通り過ぎます。
少し西に下るように進みますががガスが立ち込めてきました。また昨日のように夕立か?もうここまで来たら雨の中でも歩く覚悟。
ややだだっ広いピークを二つ越えて、いよいよ風越山です。この後の道は冬の時も含めて2度来ています。
。
ようやく風越山登山口に着きました
後は前もってデポしておいた自転車で倉本めざします。がブレーキがきかない。どんどんカーブを過ぎていきます。止まらない!!
恐ろしくなってきます。田んぼの脇にやや高い土手があったので突っ込みます。反動で草地に顔を思い切りぶっつけむち打ち症?
これでは危険、下り坂では自転車を降り、平坦地では漕ぎますが、はかどりません。
空き地を見つけここで着替え、ザックと自転車をデポし、空身で国道めざしコンビニで腹を満たし、タクシーを呼びます。
出発地点の馬の背登山口に無事戻りましたがもう夕方です。結局、幸いにも、今日は夕立はありませんでした。
いろいろありました。
伊奈川の遡行は順調でしたが、三ノ沢岳からの下り、特に中三ノ沢岳前後の危険さ、困難さは北鎌にも勝るとも劣らないほどです。
各種落とし物、突然の夕立で急斜面でのビバーク、不眠で一晩明かしたこと、きかないブレーキの危険な自転車乗り。
喉元過ぎれば熱さ忘れると言いますが、ま、そろそろ歳を考えることですかね?
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