先日最終回を終えたNHKドラマ「紙の月」(火曜日の10時始まりのドラマ)は、なかなか面白い番組だった。
主人公の利佳(こういう字だったか?)は、裕福な家に生まれたが、そのうち家が傾き、今は普通のサラリーマンと結婚している。夫は自分にあまり愛情を注いでくれないし、子供はできない。
そうした中で、銀行の非正規職員として、金持ちの家庭を訪問し、預金獲得に才能を発揮する。お年寄りからは天使のようだとほめられる。
ある日、出会ったイケメンの彼氏に、特別の愛情を持ったわけではないが、夫に満たされないものを求めて(たぶん「承認欲求=認められたいという気持ち」)ひかれていく。
そして、金持ちしか体験できない非現実的な世界を銀行の金を横領することにより演出し、彼氏をとりこにしていく。
しかし、そうした世界も2年ほどで続けられなくなり、1億円の横領が発覚する前に国外逃亡して、最後に国境で捕まる?という物語だが、
ここで大事なことは、利佳をそこまでさせてしまった原因はどこにあったのか?ということだろう。
さきほど、承認欲求と書いたが、実は寂しさでもあり、愛情に飢えていたということだろう。
自分がこの世にいる存在理由。それを自分に求めるのではなく、他者に求めることによる悲劇。莫大なお金を投入したのに、その彼にも利佳はふられてしまう。なぜ???
それは、利佳が本当に彼氏を愛していなかったからだろう。
このメインストーリー意外に利佳の友達2人も登場するが、1人は買い物依存症で離婚された母親。もう一人は逆にお金を貯めることにばかり楽しみを求めて家族を顧みることのなくなった母親。どちらも、お金に負けている。
人生で自分のしたいことは何か???
それは、自分も含めてわかっていない人が多いと思う。永遠のテーマみたいなもの。
でも、それがないと、愛情やお金に心を奪われて失敗する悲しい定め。
人生って難しいとつくづく思う。