もうずいぶん前に古本屋で買った本(文庫本でなくA5サイズのがっしりしたやつ。定価1600円。幻冬舎創立16周年記念特別作品と書いてある。7年前に印刷されたもの)だが、なかなか読めずに積んであった本をこの1週間ほどで読んだ。
出だしの部分がなかなか映像が強烈で頭から離れないのだが、それはさておき、全体を読み終えて素晴らしかった。
どう素晴らしいのかはそれぞれの感じ方で違うと思うが、私としては、東野圭吾特有の理科系の頭で物語を精緻に組み立て物語を大きく展開してあるのと、人物(男女の関係も)の描き方が上手でわかりやすい上に、推理小説の部分があって、最後に種明かしをしてくれることである。
と書いても、読んでいない人には全然ピンとこないと思うが、この本の帯の裏側に書いてあることをそのまま書くと、
「犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、科学捜査を嘲笑うかのような連続殺人事件が発生した。警察の捜査は難航を極め、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が操るDNA捜査システムの検索結果は「NOT FOUND」。犯人はこの世に存在しないのか?時を同じくして、システムの開発者までが殺害される。現場に残された毛髪から解析された結果は‥「RYUHEI KAGURA 適合率99.9%」。犯人は、神楽自身であることを示していた。」となっている。
これだけで、この内容を想像するのは非常に困難だが、
主人公 神楽龍平は二重人格で反転剤という薬を飲むと龍平とは別のリュウというもう一人の自分に5時間ほど入れ替わる。
問題は、DNA捜査システムだが、これは国民が血液を自主的に登録することによって、DNAを分析して登録しておき、犯人の髪の毛1本から犯人のモンタージュまでを正確に作れるというシステムだ。
SFのようだが、近い将来そうなるかもしれない。(個人情報保護との関連が問題!)
そして、犯罪が行われるのだが、このシステムで検索されない人が10名あまり出てくる。
登録数が少ないからというのが表向きの理由だが果たしてそうか?
ついには、開発者の蓼科兄妹が殺されるが警察庁の極秘捜査で所轄刑事には何も教えてくれない。
その真実を追究するため立ち上がるのがアナログ刑事の浅間だ。
浅間の執念で最終的には神楽と協力して事件は解決するのだが、さて、いかなる結末が待っているのか?
「プラチナデータ」と「モーグル」という修正プログラムは一体何を意味するのか?
書きたいが書けないのが残念です!
この小説は単にトリックを扱っているのではなく、神楽龍平の父の死ということにまで目を向け、実際機械万能という世の中でいいのか!?という深いところまでを捉えています。
是非、時間があれば読んでください。
うまく出来ていると思いますよ。
ヒント:『黒革の手帖』の長谷川のような存在がいつの世にも幅をきかせているということ。
それにしても、電トリ(電気トリップ)と称して耳に電極を当て、電流を高めて覚醒剤を飲んだ時のような興奮状態にする機械とかこの小説に出てきますが、もう現実には出来ているのかも?
出だしの部分がなかなか映像が強烈で頭から離れないのだが、それはさておき、全体を読み終えて素晴らしかった。
どう素晴らしいのかはそれぞれの感じ方で違うと思うが、私としては、東野圭吾特有の理科系の頭で物語を精緻に組み立て物語を大きく展開してあるのと、人物(男女の関係も)の描き方が上手でわかりやすい上に、推理小説の部分があって、最後に種明かしをしてくれることである。
と書いても、読んでいない人には全然ピンとこないと思うが、この本の帯の裏側に書いてあることをそのまま書くと、
「犯罪防止を目的としたDNA法案が国会で可決し、検挙率が飛躍的に上がるなか、科学捜査を嘲笑うかのような連続殺人事件が発生した。警察の捜査は難航を極め、警察庁特殊解析研究所の神楽龍平が操るDNA捜査システムの検索結果は「NOT FOUND」。犯人はこの世に存在しないのか?時を同じくして、システムの開発者までが殺害される。現場に残された毛髪から解析された結果は‥「RYUHEI KAGURA 適合率99.9%」。犯人は、神楽自身であることを示していた。」となっている。
これだけで、この内容を想像するのは非常に困難だが、
主人公 神楽龍平は二重人格で反転剤という薬を飲むと龍平とは別のリュウというもう一人の自分に5時間ほど入れ替わる。
問題は、DNA捜査システムだが、これは国民が血液を自主的に登録することによって、DNAを分析して登録しておき、犯人の髪の毛1本から犯人のモンタージュまでを正確に作れるというシステムだ。
SFのようだが、近い将来そうなるかもしれない。(個人情報保護との関連が問題!)
そして、犯罪が行われるのだが、このシステムで検索されない人が10名あまり出てくる。
登録数が少ないからというのが表向きの理由だが果たしてそうか?
ついには、開発者の蓼科兄妹が殺されるが警察庁の極秘捜査で所轄刑事には何も教えてくれない。
その真実を追究するため立ち上がるのがアナログ刑事の浅間だ。
浅間の執念で最終的には神楽と協力して事件は解決するのだが、さて、いかなる結末が待っているのか?
「プラチナデータ」と「モーグル」という修正プログラムは一体何を意味するのか?
書きたいが書けないのが残念です!
この小説は単にトリックを扱っているのではなく、神楽龍平の父の死ということにまで目を向け、実際機械万能という世の中でいいのか!?という深いところまでを捉えています。
是非、時間があれば読んでください。
うまく出来ていると思いますよ。
ヒント:『黒革の手帖』の長谷川のような存在がいつの世にも幅をきかせているということ。
それにしても、電トリ(電気トリップ)と称して耳に電極を当て、電流を高めて覚醒剤を飲んだ時のような興奮状態にする機械とかこの小説に出てきますが、もう現実には出来ているのかも?