16年前に出版されたこの本を図書館で借りて読んだ。
どうして借りたかというと、タイトル(オスとメスの怪とふりがながついている)と作者に惹かれたためである。
内容は男と女の違いについてのお二人の対談というか、養老先生の思いを阿川さんが受け止めてコメントするということであるが、読んでいて、色々と知らないことを学んだ。
一例をあげると、
人間の男と女の染色体はXYとXXで放っておくとみんな女になるのを無理やりYを持ってきて男を作るが、鳥や爬虫類はその逆で、放っておくとオスばかりになるのを無理やりメスにしているとか、
ベラのような魚はほとんどがメスで先頭を泳いでいるのだけがオスで、そのオスがなくなると、1週間ぐらいで先頭を泳ぐのがメスからオスに変化するらしい。
また、人間が識別できるのは3色だけど、カラスは4色識別できるので、人間はカラスは黒だと思っているが、カラスはオスとメスで違う色に見えているかもしれない。とか。
数々の話の中で一番印象に残ったのは、「日本人は無思想と言う思想を持っている」というところ。
以下はブログ作者の解釈だが、
つまり、西洋とかでは思想(宗教)によって行動を変えるけれど、日本にははっきりとした思想(宗教)がなくて、何でも取り入れる。何でも食べられる。
だから、戦争にならずに平和でいられるということらしい。
また、日本語で私(わたくし)というようになったのは、明治以降のことでそれまで自分も相手もあまり区別せずに「自分」とか「手前」とか使っていたらしい。そして今でも英語のようにI(アイ)という主語がないので、「個人」が育ってないらしい。
この「個」というのは実は非常に大事なもの。古代ではあったのに、中世ではなくなり、ルネッサンスで復活した。
「個」とは他人の意見ばかり聞きたがらずに、自分の意見を持つということにつながるらしい。
とかなんとか、色々と考えさせられました。
興味があれば、一読をお薦めします。