徒然幸せ日記

作者が日常の生活で見たこと、感じたこと、感動したこと!を書いています。
特に、「幸せ」とは何かについて考えています。

「フリーター家を買う」(有川浩著)を読んで

2018-05-19 13:55:07 | 本と雑誌
図書館で1ヶ月ほど前に借りて少しずつ読んでいたのだが、昨日読了した。
(なお、この話は今から11年前に書かれたもので8年前にはドラマにもなったらしいです。私が有川浩さん(女性)の本を読むのは3冊目くらいです。)

内容は本のタイトルにあるようにフリーターだった主人公が父親とかのせいで病気になってしまった母のために家を買う話。(といっても、本当に出したお金は頭金ぐらいだが)

この本。最初は暗くてなかなか読み進まなかった。
しかし、主人公が母の病気のこともあり、こんな生活じゃだめだと一念発起して夜間のバイトで貯金を始めてからは、ぐいぐいと引き込まれていった。

そこには、主人公や父親、姉の母親に対する感謝の気持ちが一つの絆になっていく成長過程が見ることができる。

最初の会社を3ヶ月で辞めてしまった主人公がこうも変われるのかと思えるほどに変わっていく。
それは、主人公は夜間のバイトを始めた会社で正社員となり、その後新規採用の2名の先輩となり、みんなに慕われ頼りにされることのプラス作用がそうさせるのだろう。

この本は全体で約400ページもある長編小説ですが、最初の1/3さえクリアすれば決して退屈しないと思います。

途中から、主人公を好きになる女性のことや捨て猫のことが出てきたりして仕掛けもあり楽しかったです。

最後に文庫本の後書きに印象に残る言葉が書かれていましたので、少し長いですが、引用させてもらいます。

もし、人生をやり直せるなら、どこからやり直したいですか?作家になってしばらく、そんな質問を受けたことがあります。
 やり直したくありません、とお答えしました。
 バカだったことも苦い間違いもかいた恥も、すべてが今の私のたどり着くために必要な過程だったと思います。
 時間を遡ってバカだった自分を一つごまかしたら、きっと今、作家になって自分なりに全力を尽くしている私にはたどり着けていないと思うのです。」

「人の間違いを高みからから指差して笑うのは簡単です。簡単に指差し笑われると知っているから、ごまかしたくなります。
 しかし、ごまかさずに苦さを耐えた人だけが得られるものがあると思います。
 指差し笑いたい人には笑わせておけばいいと思います。
 私は、指差し笑う人より、指差し笑われても苦さをごまかさない人のほうが好きです。
 自分もそうありたいと思います。」
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