Kayaとののんびり生活 どいちゅらんど 

人生の半分ちかくになったドイツ生活のブログです。

古い水差しからワクワクした気持ちになれる。

2022-03-28 | お気に入り ちょっと古いもの


蚤の市で気に入って買ってきた綺麗な空色の水差し。


バックスタンプから、Villeroy&Bochのものだということはわかっていました。
お店のおじさんに、1920-30年代のものだといわれていたので家に帰ってから調べてみたら・・・

Dresdenの窯があったのは1856年-1945年の間で、
茶色のバックスタンプ登録がされたのが1876年ということがわかりました。
そして、1918年-35年はSAXONYと下に追加され、
1935年-1945年まではMade in Germanyと書かれていたようです。



私のは何もないシンプルなスタンプなので、
1876年から1918年ということになります。
104年以上物の前!っていうか明治から大正初期ってこと。

Dresdenの窯でも、19世紀後半にはタイルや衛生陶器が作られはじめたそうです。
ドイツでは、1868年に公衆衛生学の雑誌が発行されましたが、
19世紀後半から20世紀前半は、衛生陶器などが一般の人にまだまだ浸透しておらず、
1911年にドレスデン国際衛生博覧会が開かれて一般市民に啓蒙活動を行う時期だったようです。


ドレスデン国際衛生博覧会

たぶんそういう時期に作られたと思われる、私の水差し。
洗面器などと一緒によくある3点セットかな?と思っていたのですが、
相方くんにこの大きさだとバスタブにお湯を入れるためのものだったと思う、といわれちょっと納得。


Dresdenの綺麗な牛乳屋さんで有名なPfundsのタイルも、Villeroy&Bochのものです。
最初、なんで牛乳屋さんのタイルが??って思ったんですが、
家の近所の昔からあったお肉屋さんのタイルもVilleroy&Bochのものだと聞きました。
きっと、当時は衛生学的な観点からだったんだなって気が付きました。

ちなみに、Pfundsの綺麗な特注文のタイルで装飾されたお店ができたのも1892年でした。


同じスタンプのカッティングボードと少し新しい?器。





蚤の市で見つけた水差しから、
タイルの生産が始まった時期を知り、そこから昔行った綺麗なCafeのことを思い出し、
公衆衛生ってことから父親が数年前に話してくれた、ドレスデン国際衛生博覧会がその頃開催されことを思い出し・・・

もしかして?って思った別々のことが、
細い糸でつながっているのがわかった時って本当にちょっと充実した気分になります。

日本人の私だとわからない食器や家具の使い方などを教えてもらえたりするのも面白い。
こういう貴重なものを見つけることができる蚤の市巡り。
本当にやっぱり楽しいな・・・




おまけ



これはフランスの窯のもの



老舗のものは、いろいろ歴史的な背景とかもわかるので本当に歴史の勉強をしている気分です。
こういう調べ物をするのは、本当に時間を忘れてしまう・・・