しんさんのよもやま話

６月３日（火）雨後晴
今日連絡があって、明後日に僕の訳本「この世で一番の商人」ができあがるとのことでした。連休明けに完成する予定が結局一ヶ月も延びてしまいましたがやっと一区切りとなりそうです。かなりの量になるそうで自宅と会社に半分ずつ送ってもらうことにしました。
ところで現在、森信三氏の「修身教授録」を読んでいます。まだ途中ですが、思ったことは戦後の教育の最大の欠点は修身の時間をなくしたことかもしれません。アメリカやヨーロッパの修身はもっぱら教会の日曜学校等がその役割を果たしていると思うのですが、日本人の人間としての教育は江戸時代の寺子屋から義務教育における修身の時間にあったと感じています。太平洋戦争に負けてアメリカ軍の監視下で彼らの言う民主化が進められる中で、二度と神風特攻隊のような民族意識が出ないように修身の時間は廃止したと聞いています。確かに民族意識を煽る教育もあったかもしれませんが人間として生まれてきたことの意義、安心立命の精神、真実の生き方、修身の必要な理由、謙遜と卑屈の違い等等今我々が生きていく上で大切な心のあり方が丁寧に教えられています。翻ってみるに現代の日本における自殺者の数はどんどん多くなっているそうですが、自己の確立ができていない人達がいかに多いかと言う事の裏返しのような気がしています。もちろん他にもいろいろな要因が考えられますが僕には日本人としての心のあり方をきちっと教える人もいないし、自分の考えを堂々と発言できる人もいないのが大きな要因だと思います。これらはすべて社会の裏でごく少数の単位でしか心を明かせない恐い世の中だとみんなが肌で感じているのかもしれません。なにがあっても黙っているのが一番と言う風潮ができあがってしまったのでしょう。従って外から見ればエコノミックアニマルでしかないし、日本人としての心のあり方には貧富以上の差ができているのが現代かもしれません。軍国主義を煽るつもりは毛頭ありませんが修身と言う時間は義務教育に復活すべきだと本を読んでいて強く感じました。人間としての基本的なあり方がわからずに小手先の数式や技術を暗記することがほんとうに良いのかすごく疑問に思います。僕の翻訳した本もキリスト教的ではあるけど人間としての生き方の典型を示してくれていると思っています。
何か難しい話になってしまいましたが、今の学生達は友人同士で徹夜で議論することなんかあるのかな？教育で教えられなくても目の前の問題を友人同士で議論しあうことができていればまだ救われる気がします。
今日はこれまでです。
今日のブログは反動的と言われてもしかたないですね。