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もうね、あちこちで何度となく書いたことなんでアレですが、小学校高学年の頃或る友人の家で見せて貰ったのがTMS301号(1973年7月号)平野和幸氏の千曲鉄道の煉瓦アーチ橋の表紙の号でした。
世の中には鉄道模型というモノがあり、大人が大真面目に汽車や電車を作ったり走らせたりしているのを初めて知ったワタシには大変な衝撃でした。
中でも京成電鉄210形の発表記事の驚き!
この綺麗な電車が紙と木で出来ていて、白ボール紙やセメンダインCといった身近なモノや、ラッカーサーフェイサーといった未知の大人の道具感。
Keiseiとサーフェイサーで書かれたお洒落な車体に、純情だったワタシは忽ち夢中になりました。そして自分の小遣いで買ったTMS312号(1974年6月号)に載っていた同じ作者の大熊重男氏の3290形開運号の記事で、完全に心を奪われてしまったのです。
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「一見普通の赤電、実は特急開運号」その頃山陽特急「つばめ」「はと」「しおじ」他が最後の活躍を華々しくしていた頃。
それらとは全く違う普通の形の座席指定特急にはびっくりせざるを得ませんでした。
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オデコの丸みと、厚みがあるヘッドマーク。
ヘッドライトは前面ベースの鉄コレ3300のを、パイプに入るよう少しドリルレースで細く削りました。
テールライトはGM窓用塩ビ板を細く切り出し、ライトケースに差し込んでタミヤのクラフトボンドで固定しました。
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パンタ周り。いつもの自分流で、一本の真鍮線から位置決め。ヒューズボックスはいにしえのエンドウ京阪5000から。
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パンタ周り。いつもの自分流で、一本の真鍮線から位置決め。ヒューズボックスはいにしえのエンドウ京阪5000から。
ベンチレーターは落っことしたりで二個紛失orz なのでパンタ前のだけはGM3500の付録パーツを削って形を合わせて付けてあります。
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歩み板はプラ端材でちょいちょいと…
今回ナンバーはGM京成/京王用から。
台車まわりは軽く墨入れしてあります。
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端面の様子。幌は懐かしいカトー201系の。
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端面の様子。幌は懐かしいカトー201系の。
今となっては時代遅れのパーツかもですが、編成の中間に付けるならまだまだいけます。
幅広幌はカトーキハ110の、ど定番パーツ。
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3297の端面。向かって左のガラスは鉄コレ3300の側面窓から。Hゴム窓はトミー113系旧製品の戸袋窓を利用。
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3297の端面。向かって左のガラスは鉄コレ3300の側面窓から。Hゴム窓はトミー113系旧製品の戸袋窓を利用。
とにかく妻面は更新で全然変わっているんで苦労しました。やはり原形赤電が製品で欲しいところです。
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先頭車のアンテナ配管は大熊氏の作例に倣いやや外側寄りに配管しました。
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まあでもお顔は上手く出来ました。細かく言えば窓Rをもう少しキツめに修正すれば…とは思いますが。ターミナルプランニングの京急用の丈を詰めた幌枠と、KDワークスのステッカーの厚みに手を加えたヘッドマークは効きました。
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元の記事に衝撃を受けてからピッタリ50年目。
長年の夢であった3290開運号を手元に置くことが出来ました(復活開運号は持ってますが)
悔やまれるのは室内装置を付ける方法がどうしても思い浮かばず、内装無しになってしまったこと。今思うと床板まわりを含む下回りは鉄コレから持ってくれば、比較的簡単に内装がやれたのでしょうが後の祭りです。
飾り帯のデカールはまだ手元にあるので、もしかしたらまたチャレンジする機会があるかもしれないですね。
今回種車の確保を始め、相談にいろいろのって下さったハボフさん、多くのご教示をいただいた稲葉克彦さんには本当にお世話になりました。ありがとうございます。
そしてなんといってもオリジナルの素晴らしい作品を作られて、開運号への思いを伝えてくださった大熊重男さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
素晴らしい模型には人生をも変える力があることを教えてくださいました。この場を借りまして御礼申し上げます。ありがとうございました。
長らくのご乗車お疲れ様でした。
本日は特急開運号をご利用下さいましてありがとうございました…