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マーケティング研究 他社事例 その286 「数百種類の製菓機械を開発しています4」 ~縁の下の力持ちが成長の壁を超えるには~

2019-01-02 10:45:56 | ビジネス
明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

マーケティング研究 他社事例 その286 「数百種類の製菓機械を開発しています4」 ~縁の下の力持ちが成長の壁を超えるには~


しかし、歴史を振り返ると、こうした国内の菓子メーカーと一連托生の事業モデルが危機をもたらしたこともあったのです。

1990年代後半にバブル崩壊に端を発した景気低迷で業績が悪化した菓子メーカーが、設備投資を控えるようになりました。

1999年3月期の売り上げは77億円ほどでしたが、2001年3月期には50億円と激減し、社内でリストラを断行しながらも、大口顧客との関係強化に努め、メンテナンスや機械の改良を提案し、なんとか売上高の減少をカバーしていきました。

成熟した国内市場に依存すると再び危機が到来しかねないと読んだ社長は、突破口として目を付けたのが海外だったのです。

「海外は国内よりはるかに菓子市場が大きい。ここに打ってでない手はないと考えた」(増田社長)

ただ、海外の菓子メーカーに無名の機械メーカーが売り込んでも相手にされるはずがありません。

そこで思いついたのが、海外で支持されそうな菓子を独自開発し、「その菓子を製造できる機械」として売り込む手法でした。

試行錯誤の末、どら焼きのあんの代わりにチョコレートやクリームを挟む商品を開発し、機械と共にアピールすることを決めたのです。

2002年にフランスのパリで開催された製菓機械などの展示会に満を持して出展しました。

チョコ入りのどら焼きを自社の機械で作り、「サンドイッチ・パンケーキ」として配布したのです。

すると会場で人気になって受注が相次ぎ、ドイツ、ロシア、ポーランドなど欧州を中心に36か国に製品の納入が決まったのでした。

受注拡大に伴い、マスダックは2004年にオランダに現地法人を設立し、2009年には機械の現地生産も開始したのです。

機械の操作パネルを多言語に対応させるなど工夫し、海外でも「売りっぱなし」にはせず、アフターサービスにも力を入れていったのです。

最近は新興国の開拓も急いでいます。

トルコではミルクバーガーとしてブームになりましたし、経済成長が著しいアジアでの事業展開も本格化させているのです。

マスダックの売上高は120億円~130億円で推移していますが、機械事業の海外売上高の比率は約2割しなっており、まだまだ成長の余地を残しているとみています。

世界が認めるおいしい菓子を作る機械で、海外開拓を加速し、成長の壁を破ろうとしているのかもしれません。


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