マーケティング研究 他社事例 297 「インフルエンザ新薬１」～流行阻止に大きく期待～

マーケティング研究　他社事例　297　「インフルエンザ新薬１」～流行阻止に大きく期待～


塩野義製薬が開発した新薬「ゾフルーザ」はご存知でしょうか？

インフルエンザ治療薬として、今シーズンは、患者の方から指定するなんて事が多くあるのかもしれません。

ゾフルーザの特徴は大きく２つあります。

錠剤を1回飲むだけで抗ウイルス効果が長続きすること、もう一つは、抗ウイルス効果が高いことです。

昨年の3月に国内で発売され、10月にはアメリカでも承認されました。

医者からは感染が広がるのを防ぐ新薬になると、大きな期待が寄せられているようです。

インフルエンザウイルスが人間の細胞に侵入すると、細胞内で自らのコピーを作って増殖していきます。

そして、細胞膜を破って飛び出て、人間の体内で拡散し、インフルエンザの症状は悪化し、せきなどを通じて周囲の人にウイルス感染を広げることになるのです。

ゾフルーザはこの過程の初期段階で作用するので、ウイルスの増殖を抑える事が出来ます。

一方、今までもあったインフルエンザの治療薬（イナビル・タミフル）などの従来の治療薬は、ウイルスが自己複製して細胞の中で増えた後に、別の細胞に飛び出るのを防ぐ役割がありました。

つまり、ゾフルーザは仕組みが違う為、全く違う薬と言えるのです。

また、ゾフルーザは1回の服用で済むのは、有効成分が高い効果を発揮するのに、血中濃度を長い間維持できるからです。

タミフルは有効性が期待される血中濃度を保つために、1日2回、5日間飲み続ける必要があるのです。

多くの医療機関が期待するのはこの点でもあります。

タミフルなどを服用している患者は、症状が少し緩和すると治ったと自己判断して、服用をやめてしまう事があります。

その結果、重症化するケースもあるのです。

そのリスクが、ゾフルーザにはありません。

飲み忘れ自体も防げる点は優れていると思います。

（続く）


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