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マーケティング研究 他社事例 299 「インフルエンザ新薬3」~流行阻止に大きく期待~

2019-01-28 08:30:58 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 299 「インフルエンザ新薬3」~流行阻止に大きく期待~


既存のインフルエンザワクチンは鶏卵を使ってウイルスを培養した後、精製する必要がありますが、そのため製造には5~6か月かかるとされてきました。

田辺三菱製薬の子会社メディカゴは全く別の材料を活用してワクチンの製造期間を短縮しようとしています。

メディカゴが取り組むのは「VLP」と呼ばれる技術です。

インフルエンザウイルスと形状がそっくりのVLPワクチンを作ることで、人間の体に誤認識させ、高い免疫獲得効果が期待できるそうです。

VLPワクチンの培養に使うのは、鶏卵ではなくタバコ属の植物です。

インフルエンザウイルスによく似た外部構造を作る遺伝情報を、この植物の葉の中に染み込ませる事で、7~10日かけて培養した後、葉から成分を抽出し、精製してワクチンを作るのです。

実証実験では、ワクチン製造にかかる期間を5~6週間程度に縮められる事が分かったという事です。

メディカゴは既にアメリカやカナダなどで臨床試験を進めており、まずはアメリカで2020年冬のインフルエンザ流行期に間に合わせて発売したい考えのようです。

将来は、重度の下痢を引き起こすロタウイルスやノロウイルス向けのワクチンにも、VLP技術を活用したいとしています。

感染自体を防ぐワクチンの実用化も進みます。

国立感染症研究所の長谷川秀樹感染病理部長が開発したのは、経鼻インフルエンザワクチンです。

鼻の穴に噴霧して「IgA抗体」を作り、ウイルスが鼻や喉などの粘膜の細胞に結合して侵入するのを防ぐのです。

一般的なワクチンはシーズン前に流行しそうな「型」を予測して、作りだめすることが多いと言います。

しかし予測が外れたり、ウイルスが変異したりすると思い通りの効果が発揮されない事は、我々でも知っています。

経鼻インフルエンザワクチンから作られる「IgA抗体」は通常のワクチンから作られる抗体と違い、複数が組み合わさった構造なので、ある程度の効果を期待できることが、マウスを使った実験で分かっているようです。

経鼻インフルエンザワクチンは現在、ワクチン国内大手の阪大微生物研究会(大阪市吹田市)の主導で治験が進んでいます。

昨年9月から最終段階となる第3相試験がスタートし、順調にいけば、来秋にも製造・販売を承認申請するステップへと進む予定であるとの事です。

ちょうど100年前にスペイン風邪が大流行して、世界中で5000万人以上が死亡しました。

その後もパンデミックが繰り返され、2009年には新型インフルエンザにより全世界で28万人の死者が出たと推定されています。

インフルエンザは時に、人類に大きな悲劇をもたらして来ました。

画期的な治療薬やワクチンが開発され悲劇が根絶される日は、遠い未来ではないかもしれませんね。

尚、ゾフルーザに関して、副作用等に関しての報告もあがっており、薬に万能薬は無い事も記載しておきますね。


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