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マーケティング研究 他社事例 469 「人手不足解消へ1」 ~トラック隊列走行~

2019-12-25 08:31:14 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 469 「人手不足解消へ1」 ~トラック隊列走行~


「3台の大型トラックが一定の車間距離を保ちながら、日本の大動脈である新東名高速道路を時速80kmで駆け抜けていく」

経済産業省と国土交通省が主体となり高速道路でのトラックの隊列走行の実証実験を2018年12月に実施しました。

隊列走行とは、複数のトラックが走行状況を共有しながらあたかも鉄道のように一体となって走る技術の事です。

前方を走る車のブレーキやアクセルのタイミングを後続車に伝えることで車間距離を一定に保ちながら走行します。

「実現すればドライバーの負担軽減につながるため、効率的な物流的な物流網を構築できる可能性は高い」

日本自動車工業会の大型車技術企画検討会で主査を務める小川氏は話します。

長距離を走ることが多いトラック運転手の労働環境は過酷です。

運転手不足や人件費の高騰を背景に、物流費の値上げや物を運べないといった「物流危機」が日本全国に広がっています。

隊列走行が注目を集めるのも、こうした社会課題の解決につながるとの期待があります。

細かなハンドル操作がいらない運転支援があればドライバーの疲労を軽減することが出来、後ろに続く車両の運転が不要になれば運転手不足の解消にもつながります。

では、どのようにして隊列走行を実現するのでしょうか?

国内で実験が進む隊列走行には主に2つのタイプがあります。

運用面でのハードルが低いとされるのが、日野自動車や三菱ふそうなど商用車4社が取り組む「非電子けん引」と呼ばれるものです。

後続車にも運転手が乗る「有人」の隊列走行となっています。

非電子けん引では「協調型車間距離制御装置(CACC)」を使って、前方のトラックのアクセルやブレーキの制御情報を車車間通信を使い後続車に配信します。

この仕組みによって車間距離を柔軟に調整できるようになりました。

いわば車同士が通信を使って「会話」するかのごとく、後続車に加速と減速のタイミングを伝えることで、後続車は有人ではありますが人による主体的な操作なしで車間距離を一定に保ちます。

2018年に行われた実証実験では、車線維持装置(LKA)と呼ばれるシステムも活用しました。

これは、トラックの前方中央部についたカメラで道路上の白線を認識し、それに沿ってハンドルを自動操作することで後続車のドライバーの運転負荷を軽減できるのです。

ただインターチェンジの入り口など白線が薄くなった場所では起動しないケースもあるため「今後は道路やインフラ側との連携も欠かせない」と日野自動車は語ります。

(続く)



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