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マーケティング研究 他社事例 661 「人を大切にで株価は上がる!?」 ~エーザイの、『ESG EBIT』とは?~

2020-10-16 08:44:34 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 661 「人を大切にで株価は上がる!?」 ~エーザイの、『ESG EBIT』とは?~


「人件費投入を1割増やすと5年後のPBR(株価純資産倍率)が13.8%向上する」

「女性管理職比率が1割改善すると7年後のPBRが2.4%上がる」

「育児時短制度利用者を1割増やすと9年後のPBRが3.3%向上する」

製薬大手のエーザイが自社をケースにこんな分析を明らかにしました。

主導したのはCFO(最高財務責任者)を務める柳良平専務執行役です。

同氏は、早稲田大学大学院でも教壇に立つ財務の専門家として知られています。

財務情報だけでなく、環境(Environment)、社会(Society)、企業統治(Governance)への取り組みを投資の判断材料とするESG投資が広がりを見せています。

しかし、具体的にどういう行動が投資家に評価され、企業価値の拡大に結びつくのかは明確ではありませんでした。

冒頭に挙げたものはいずれも、ESGに関するエーザイの重要業績評価指標(KPI)とPBRとの関係を重回帰分析し、高い相関関係が認められたものについて平均値を試算したものです。
※重回帰分析とは、1つの目的変数を複数の説明変数で予測しようというものです。身長から体重を予測するのが単回帰分析で、身長と腹囲と胸囲から体重を予測するのが重回帰分析です。

PBRは、株式市場での企業の評価である株式時価総額が、会計上の企業価値である純資産の何倍かを示す指標です。

その純資産を上回る時価総額部分は株式市場における付加的な価値であり、ESGが生み出した価値であるというのが柳CFOの主張となります。

この考えに基づいて、ESGに関する88のKPIとPBRとの相関を分析しました。

高い相関関係がある14のKPIを抽出し、うち8つは人件費や健康診断受診率、女性管理職比率などの人的資本に」関連するKPIで、3つが研究開発費などの知的資本に関するものでした。

今回の分析で、エーザイでは人件費や研究開発費の増加と将来のPBRの向上との関係を示す事が出来ました。

そこで8月12日に公表した「統合報告書2020」で、営業利益に人件費と研究開発費を加えた金額を「ESG EBIT」と名付けて開示しました。

営業利益は2019年3月期862億円、2020年3月期1225億円でしたが、ESG EBITでみると2019年3月期3316億円、2020年3月期3678億円になっています。

利益に人件費や研究開発費を足して企業の付加価値を見る指標とすることに理解を示すファンドマネージャーもいるといいます。

このような情報発信を行う背景にはESGに対する評価の難しさがあります。

エーザイが投資家にアンケートしたところ、ESGと自己資本利益率(ROE)との関連性を示してほしいとの声が多くあがっていたと言います。

「POEとESGは両立できることを示す必要があると考えた。曖昧で、きれいごとで終わりがちなESGの意義を示すことは、CFOとしての説明責任だと思う」と柳CFOは、「日本企業は英米の企業に比べてPBRが低い傾向にあるが、それはESGの価値を投資家に説明できていないためではないか。人を大切にする経営方針や、まじめな労働力の価値を説明できていれば、日経平均株価は今の倍ぐらいになってもおかしくない」とも語ります。

財務情報に表れない企業の価値をどう説明していくか、企業経営においてもますます重要になってきそうです。



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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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