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マーケティング研究 他社事例 670 「週休3~4日制は定着するか」 ~老後の年金に影響も~

2020-10-29 08:53:26 | マーケティング
マーケティング研究 他社事例 670 「週休3~4日制は定着するか」 ~老後の年金に影響も~


みずほFGは2020年12月にグループ企業6社で週休3~4日制を導入します。

通常の勤務形態の週休2日に加え、希望者は週休3~4日勤務を選択することが可能になるのです。

増えた休みをキャリアアップのための勉強や介護、副業などに活用してもらいたいというのが狙いとの事です。

基本給は週休3日の場合は80%程度、週休4日の場合は60%程度となります。

同グループは2019年10月にメガバンクとして初めて副業を解禁するなど、多様な働き方を積極的に進めています。

今回の週休3~4日もその取り組みの一環と位置付けています。

終身雇用制が崩れつつある一方、平均寿命は延び、生活のためにこれまでよりも長く働かなければならない時代になりました。

副業やスキルアップなどを通じて、若いうちから長く働ける環境を準備する重要性が認識され始めています。

そのような中、みずほFGはキャリアアップにもつながる自由な働き方を提供することで、向上心や、やる気を持った人材を集めようとしているのです。

同社が新しい働き方の構築を急ぐのは銀行の厳しい経営環境も関係しています。

人口減少やデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れで、銀行の業務量は今後確実に減る事が予想されています。

そんな逆風下にあっても有能な人材にみずほの門をたたいてもらうには、1つの組織に縛られずに、社外でも活躍できるスキルが磨ける自由度を社員に与えた方が効果的との判断があります。

みずほFGの狙いとは異なりますが、週休3~4日制は別の文脈でも注目されています。

コロナ禍を受けて業績が悪化する企業が増える中、雇用を維持するために取り入れる動きが活発化しているからです。

これは労働者1人当たりの労働時間短縮により仕事を分担し合う「ワークシェアリング」の考え方に基づいています。

企業はリストラなどをしなくても、人件費の削減効果を期待することが出来ます。

第一生命経済研究所の長濱氏は「ワークシェアリングは今後多くの企業で導入されていくだろう」と見ています。

企業にとっては人件費を抑えながらも人手を確保できるメリットがあります。

また、マクロ経済の観点からは収入が不安定な状況に置かれがちな非正規雇用者を減らす意義があります。

ただ、従業員にとっては社会保険にも影響を与える為に、制度の利用には慎重になる必要もあると思います。

給料の減額が長きにわたれば老後の生活基盤となる老齢厚生年金の受給額も確実に減るからです。

仮に本業と副業を合わせることで今までと同程度の収入を得られたとしても、副業が個人事業主やフリーランスの場合、将来受け取れる年金額は減少します。

厚生年金保険料の対象は本業の給料のみのためです。

副業が本業の給料を超えるぐらいであればいいのですが・・・。

老後資金を計算し、将来にどのように備えるのかを考えもせずに、週休3~4日制に安易に飛びつくのは危険かもしれません。

しかし雇用環境が厳しくなる中、企業側が従業員の「自助」を促す動きは今後ますます増えて行きそうです。

利用する側はメリットとデメリットを吟味した上で判断する必要がありますね。


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成長クリエイター 彩りプロジェクト 波田野 英嗣 
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