ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

京都大学大学院生女子>奨学金返済残り450万円…37歳女性、結婚したいが「無理かもしれない」文学の博士課程中退、先生になるも5年前転職

2024年12月14日 03時03分43秒 | 教育のこと



2022/11/08(火) 21:08:48



奨学金返済残り450万円…37歳女性、結婚したいが「無理かもしれない」
11/7(月) 10:29配信

 「結婚を考えている相手がいます。でも奨学金の返済が450万円も残っているなんて彼に言い出せなくて…」。長崎県出身の女性(37)はため息をつく。

 源氏物語が大好きだった。あこがれの街、京都の大学で源氏物語を学ぶのが夢だった。一方で実家は、父親がギャンブルにおぼれ、多額の借金を抱えていた。

 京都の私大に合格。貸与型奨学金と教育ローンを頼りに進学した。アルバイトに励み、学費と生活費に当てた。勉強も一生懸命やり、京大の大学院で博士課程へ進んだ。

 その2年目、借り入れ総額は約1千万円に達した。「普通に働けばいずれ返せるだろう」と思っていた。だが現実は、想像を超えることが次々に起きた。リーマン・ショック、東日本大震災…。このまま研究を続けていいのだろうか。将来の返済への不安が重くのしかかる。うつ症状にも襲われるようになった。悩んだ末、博士課程を中退して帰郷。高校の先生になった。だが教職になじめず、5年前に転職した。

  今の仕事は好きだが、月収は手取りで20万円ほど。賞与はない。奨学金の返済は年間56万円。生活費はいつもぎりぎりで、貯金は100万円足らず。「奨学金の返済を理由に相手の親に結婚を反対された」。そんな話も耳に入る。結婚もしたいし、子どももほしい。でも「無理かもしれない」。全てを、諦めつつある。 


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

文理融合「データサイエンス学部」が急増、入試動向と課題

2024年12月12日 21時03分50秒 | 教育のこと




文理融合「データサイエンス学部」が急増、入試動向と課題

11/7(月) 6:00配信2022




一橋大学にとって、理系の要素が強い学部と研究科ができるのは初めてのことだ(写真:PIXTA)



全国の大学でここ数年新設が相次いでいるのが、データサイエンス系の学部や学科だ。令和5(2023)年4月には国公立の一橋大学と名古屋市立大学のほか、私立大学を含めると約10の大学で新設される。

 【関連画像】日本で最初にデータサイエンス学部を設置したのは国立大学の滋賀大学だった(写真:PIXTA) データサイエンス系は「文理融合」の学問。

大学によって配点や受験科目は異なるものの、入試は文系と理系の受験生がどちらでも受けられるケースが多い。一方で、他の学部に比べて募集人員が少ないなど、現状では「狭き門」ととらえている受験生も多いのではないだろうか。 新設の学部と学科を中心に、データサイエンス系の入試動向について取材した。 

●一橋大学で72年ぶりの新設学部 

 難関国立大学の一橋大学が、令和5年4月に開設するのがソーシャル・データサイエンス学部。昭和26(1951)年に商学部、経済学部、法学部、社会学部の4学部体制になって以来、72年ぶりに新設される学部として注目されている。併せて、大学院である研究科も新設される。「社会科学の総合大学」を掲げてきた一橋大学にとって、理系の要素が強い学部と研究科ができるのは初めてのことだ。 

 一橋大学ではソーシャル・データサイエンス学部と研究科に迎えたい学生像を、「一橋大学HQウェブマガジン」で次のように明らかにしている。

 「まず問われるのは、基礎力としての数学の素養です。データサイエンスには統計や計算が不可欠であり、数学を避けて通ることはできません。得意ではなくても、アレルギーがない、嫌いではないことは最低条件でしょう」(一橋大学HQウェブマガジン「求める学生像と、入試の特徴」10月3日掲載)  

この考えは入試に反映されている。ソーシャル・データサイエンス学部の一般選抜は、前期日程と後期日程で実施される。 

 前期日程の募集人数は30人。配点は大学入学共通テストが240点で、第2次試験は760点。第2次試験では数学が330点と最も配点が高く、英語が230点、国語が100点、それに配点100点の総合問題がある。総合問題は「社会において数理的なものの考え方を応用する力、情報技術の活用について自ら試行する姿勢を確認するための科目」と説明され、ホームページでサンプル問題が公開されている。 

一方、後期日程の募集人数は25人。大学入学共通テストが200点なのに対し、第2次試験が800点で、第2次試験は数学が500点、英語が300点となっている。数学は配点が高いだけではなく、理系を選択した受験生が学ぶ「数学III」の範囲からも選択科目として出題される。つまり、理系の受験生が受けやすいということだ。 

 一橋大学では経済学部の後期日程でも「数III」の問題を選択できる入試方式をとっている。入試課は「いわゆる文系、理系と区別した募集はしていません。数IIIを入れることで、文系、理系関係なく、科目選択がしやすくなっていると考えています」と話している。 

 大学入試などについて独自の調査・分析を行っている「大学通信」情報調査・編集部の井沢秀部長は、一橋大学

 「前期日程は総合問題があるために、理系を選択している受験生は対策が難しく、受けづらいかもしれません。一方で、後期日程には理系の受験生が多く出願するのではないでしょうか。

  国立の難関大学は後期日程を実施している大学が少ないことに加えて、前期日程で東京工業大学などを受験した理系の学生の受け皿になる可能性があります。いずれにしても募集人員も少ないので、入試の難易度が高くなるのは間違いないでしょう」



多様なデータサイエンス系の学部・学科


 一橋大学以外にも、令和5年4月には多くの大学でデータサイエンス系の学部・学科が新設される。データサイエンス学部の名前では、名古屋市立大学、京都女子大学、大阪成蹊大学で新設されるほか、亜細亜大学では経営学部データサイエンス学科、東北学院大では情報学部データサイエンス学科が新設される。 

 大学がすでに持っている専門性を生かして、データサイエンス系の新学部を設置する大学もある。順天堂大学が新設するのは健康データサイエンス学部。医学部をはじめとする医療系の学部やスポーツ健康科学部を擁する順天堂大学では、医療やスポーツの現場に蓄積された膨大なデータを活用して、健康とデータサイエンスを掛け合わせた教育を目指すとしている。 

 やはり医学部や薬学部など医療系の学部を多く抱える北里大学が新設するのは、未来工学部データサイエンス学科。未来工学というユニークな名称については『「未来」を脅かす課題を見極めて、先回りして人や社会のために動き出す学問』と説明。「環境問題、生物多様性の問題、食料問題、医療問題、感染症のリスクなど複雑で広範な社会課題を解決できる人を育てる」ことを目指している。 

 順天堂大学と北里大学の両学部は、名称からは理系の学部のように受け取れるが、一般選抜の受験科目を見るとそうはなっていない。個別試験に数学はあるものの、その範囲は「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学A」「数学B」であり、いわゆる文系の受験生でも受験が可能だ。 

 順天堂大学の一般選抜A日程では、数学、英語に加え、国語と理科3科目の中から1科目を選択する。北里大学は、数学と英語、それに調査書で合格者を判定する。このように文系、理系どちらの受験生でも受けやすくしているのが、データサイエンス系学部の特徴といえる。

 ●データサイエンスを学べる大学は急増 

 日本で最初にデータサイエンス学部を設置したのは国立大学の滋賀大学だった。それが平成29(2017)年で、翌年に横浜市立大学、翌々年に武蔵野大学が設置するなど、年々増えている。 

 さらに、データサイエンスを学べるのは、データサイエンス学部に限らない。「情報」関係の名称を持つ学部や、工学系の学部を中心に、全国の大学でデータサイエンスを学べる学科は急増中だ。

  大学でデータサイエンスへの注目が高まった要因には、日本でデジタル人材が不足している現状や、それに対する国の方針がある。内閣府の総合イノベーション戦略推進会議が令和元(2019)年6月に決定した「AI戦略2019」では、数理・データサイエンス・AI(人工知能)に関する知識や技能をデジタル社会の基礎知識、いわゆる読み・書き・そろばん的な素養として位置付けている。その上で、人材の育成が緊急的課題として、教育改革の必要性を訴えた。

  2025年の目標として、「データサイエンス・AIを理解し、各専門分野で応用できる人材を育成(約25万人/年)」「データサイエンス・AIを駆使してイノベーションを創出し、世界で活躍できるレベルの人材の発掘・育成(約2000人/年、そのうちトップクラス約100人/年)」といった数字も掲げている。

  具体的な取り組みとして導入されているのが、高校では「情報Ⅰ」の必修化であり、大学では文理を問わず初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得できるカリキュラムの創設だ。さらに高いレベルで学ぶ場として、データサインエス系の学部や学科があるといえる。



国公立のデータサイエンス系は「狭き門」


 受験生もデータサイエンス系に対する関心は高い。ただ、現状では、国立大学の一般選抜での募集人員は少なく、狭き門だ。前述した一橋大学は前期日程と後期日程を合わせてもわずか55人。滋賀大学は70人となっている。公立大学では、横浜市立大学が前期・後期合わせて45人、名古屋市立大学は50人とやはり少ない。 

 国公立・私立にかかわらず、データサイエンス系の学部や学科が新設されると、最初の年は志願倍率が高くなる傾向がある。一方で、数年で倍率が落ち着いていく傾向も見られる。滋賀大学は一般選抜合計で最初の年が2.5倍だったのに対し、令和3(2021)年は2.3倍、4年は2.1倍となだらかに低くなっている。

 また、武蔵野大学は、新設した平成31(2019)年には全学部統一選抜で6.6倍、一般選抜A日程で11.1倍、B日程で13.4倍、C日程で13.2倍だった。翌年、翌々年も高い倍率だったが、令和4(2022)年は全学部統一選抜で7.2倍、A日程(文系)で7.1倍、A日程(理系)で8.4倍、B日程で4.1倍、C日程で4.9倍と比較的高い水準ではあるものの、下がっている。 

 この傾向は、データサイエンス系の募集人員が全体としてまだ少ないことに加えて、高い倍率が続いたことに対して受験生が警戒したことの表れかもしれない。また、学部や学科まで作らなくてもデータサイエンスを学べる体制を整えている大学は多い。最初の年に関しては読めない部分があるが、その後は倍率が落ち着いていく流れは今後も変わらないのではないだろうか。

 ●課題は教員の確保か  

データサイエンス系の学部や学科を設置している大学は、企業で実績があるデータサイエンティストを教授に招くなどして教育体制を整えている。学生数は少ないものの、教員数は多い体制を組んでスタートしている大学もある。 

 ただ、日本全体で見れば、データサイエンスを教えることができる専門性の高い人材は多いとはいえない。学部や学科を新設するには、人材確保が課題となっている。  

文部科学省は10月から大学設置基準を改正して、専任教員の規定を廃止した。これまで専任教員は原則として1大学限定としていたが、教育カリキュラムの編成など学部運営を担う教員を「基幹教員」と新たに位置付け、他大学との兼任を認めた。  

また、年間8単位以上の授業を担当すれば、非常勤でも基幹教員として雇用できるルールもできている。この改正の狙いは、民間人材や専門性の高い基幹教員が、複数の大学で教育できることで、データサイエンスなど先進分野の学部や学科の新設をしやすくすることだろう。しかし、非常勤教員の増員や、複数大学での兼務が、専門人材不足の根本的な解決につながるのかは疑問だ。

 https://business.nikkei.com/atcl/plus/00050/103100002/p3.jpg 学部や学科を新設するには、人材確保が課題となっている(イメージ写真:PIXTA)

  データサイエンス系の進路を希望する受験生にとっては、どんなことが学べて、どのような教員の授業を受けられるのかが、志望大学を決める上で重要な要素になる。今後大学がどれだけ専門性の高い研究者を育成できるのかも、「狭き門」を広くするためには重要といえそうだ。


田中 圭太郎






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「入学したら勉強どころじゃなかった」現役開成ボーイぎん太さん×元校長先生対談

2024年12月11日 09時03分01秒 | 教育のこと
現役開成ボーイぎん太さん×元校長先生対談「入学したら勉強どころじゃなかった」|VERY

12/9(金) 6:30配信2022



1コメント1件
引用元:VERY
──偏差値40台から、ほとんど塾に行かず、独自の「おうち勉強法」で開成中学に合格!

現在開成高校在学中の現役高校生ぎん太さんが、家庭学習や中学受験の方法を紹介する『偏差値40台から開成合格! 自ら学ぶ子に育つ おうち遊び勉強法』が9月26日に発売。ぎん太さんの恩師である開成学園元校長の柳沢幸雄先生と素顔の「開成」について話していただきました。


もはや勉強どころじゃない……開成生の生活


──開成高校はどんな学校ですか? 柳沢幸雄先生(以下柳沢)

 「今年で41年連続で東大合格者数トップの進学校」というと、「生徒はガリ勉ばかりなのでは」「入学すれば毎日厳しく勉強させてくれるだろう」と思われることもまだまだ多いんです。通学中も歩きスマホならぬ単語帳から目を離さない生徒ばかりだから人とぶつかっちゃう。多くの人にとっては、そんなイメージかもしれない。


でも実際の中身は全く違います。いざ入学してから「こんなはずじゃなかった」「想像していた学校生活と違っていた」と思うことのないように、私は著書や講演で、開成の実際の姿を繰り返し話してきました ぎん太さん(以下ぎん太)

 開成は行事が多い学校です。毎年4月には、長い伝統を持つ筑波大付属高校とのボートレースがあります。中1の入学直後から先輩の指導のもと、応援の練習がはじまるんです。担任の先生から突然「これから先輩が来るから頑張ってね!」と言われ、体育館に連れていかれました。そこには大きくて何だか怖そうな高校生の先輩たちがズラッと並んでいて、

「明日までに校歌と応援歌を覚えてこい!」と。当時は「この学校に通うと先輩のようになってしまうのか」と震えていたことを覚えています。ボートレースが終わると今度は5月の運動会の練習で、また教室に先輩たちがあらわれて……。


「こりゃ、勉強どころじゃないな」と(笑)。

 ──このあたりがイメージとのギャップでしょうか?


柳沢「東大合格を目指して、毎日何時間も勉強しろ」なんてことは先生も先輩たちもいっさい言いません。新入生は今まで必死に勉強するのが当たり前だったでしょう。開成での生活は勉強以外にもやることがたくさんあります。入学後は、中学受験の勉強のやり方を一度断ち切ってもらうことになる。まずはそのギャップを埋めることが非常に大切です。

とはいえ、開成は進学校なので入学してくるのは、小学校時代に学校や塾でトップクラスの成績だった生徒ばかりです。でも、上には上がいるから1学期の中間試験で己の真の実力を知ることになる。開成は一学年300人ほどの大所帯です。成績上位層だけが優秀という評価をしてしまったら残りはつぶれてしまいます。そういったやり方はとても教育とはいえません。学校の勉強で一番が取れなくてもいい。好きなこと、得意なことを見つけてその分野で活躍してほしい。入学してすぐの頃から色々な行事を体験するのはそんな思いもあってのことなのです。


以下はリンクで


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京23区に横たわる「学歴格差」と「所得」の実態…大卒者が最も多く暮らすのは「文京区」、最も少ないのは「足立区」

2024年12月05日 15時03分33秒 | 教育のこと

東京23区に横たわる「学歴格差」と「所得」の実態…大卒者が最も多く暮らすのは「文京区」、最も少ないのは「足立区」 





東京23区の中でも大学進学率には大きな差があります。また、大卒者が暮らす割合が多い区・少ない区の間にも大きな差があり、その差が「所得の差」になって表れているといいます。本稿では、不動産ジャーナリストである榊淳司氏が監修を務めた、東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会による著書『東京23区 中古マンション 格差の地図帳』(宝島社)から一部抜粋し、23区の大学進学や大卒者にまつわる実態をご紹介します。


23区の大学進学率ランキング1位は「渋谷区」
大学進学率とは、いわゆる4年制大学のみならず、短期大学、大学・短期大学の通信教育部、放送大学なども含めたものだが、その数値は23区内でかなりの開きがある。


東京都人口統計課による『令和5年度学校基本統計(学校基本調査報告)』によれば、まず2023年度の23区全体の大学進学率は73.3%となっている。高校を卒業した者の約7割が大学に進学しているのだ。


そして、もっとも大学進学率の高い区は、渋谷区で82.1%となっている。23区の平均よりも、1割近く進学率が高い。


この統計は在住者の大学進学率ではなく、所在する高校の大学進学率を表しているため、名門校の割合が高ければ大学進学率も上がる。とはいえ、教育水準に関するひとつの指標にはなるだろう。



次いで2位は目黒区の81.8%、3位は文京区の81.1%となっている。この渋谷区、目黒区、文京区が、23区における大学進学率トップ3である。進学率が8割を超えている区としては、ほかにも千代田区と港区があり、上記2区を入れて5強といってもいいだろう。


ちなみに、23区外の都下も含めれば、断トツの1位は国分寺市である。その割合は、なんと9割超えの91.2%。東京で大学進学率が9割を超えているのは、国分寺市以外にない。


23区の大学進学率最下位は「荒川区」
一方、大学進学率が低い区は、最下位が49.7%の荒川区、微差で下から2番目が49.8%の葛飾区、下から3番目が52.3%の足立区となっている。6割以下なのは、この3区だけであり、ワースト4位の台東区も60.8%と足立区よりも10%近く高いため、荒川区、葛飾区、足立区の3区は、とくに大学進学率が低い区といえる。


大学に進学するだけが人生の選択ではないが、大学への入学希望者総数が入学定員総数を下回る大学全入時代において、進学率が5割前後というのは、かなり目立つ。


大学進学率が高い区というのは、それだけ教育熱が高いエリアということだ。さらに、進学率上位の区は、平均所得においても高い区ばかりである。反対に、進学率が低い区は、平均所得も低い。


1位の渋谷区には、渋谷教育学園渋谷高等学校、都立青山高等学校や都立広尾高等学校、青山学院高等部、國學院高等学校、実践女子学園高等学校などがあり、2位の目黒区には都立駒場高等学校や都立国際高等学校などがある。また、3位の文京区にも、駒込高等学校、郁文館高等学校、桜蔭高等学校、東洋女子高等学校など、高い大学進学率を誇る高校が多い。


ちなみに、全国的に公立高校よりも私立高校のほうが大学進学率は高い傾向にあるが、目黒区は公立高校のほうが進学率が高い。それだけ、目黒区は公立高校が充実しているということである。


23区の学歴格差…大卒者の割合が最も多いのは「文京区」
その区の住民のなかで大卒者(大学院卒含む、短大卒は含まず。『令和2年国勢調査』)が占める割合は、区によって、かなりの開きがある。


23区で大卒者がもっとも多く暮らしているのは文京区で、43.1%となっている。次いで2位が中央区の42.1%、3位が千代田区の40.0%、4位が杉並区の37.7%、5位が品川区の36.3%である。


反対に、住民に占める大卒者の割合がもっとも少ない区は足立区で、17.8%だ。次いで葛飾区の21.4%、江戸川区の21.6%となっている。この3区はいずれも大学進学率が低い区であり、とくに足立区と葛飾区は、進学率でどちらもワースト3に入っている。



また、大卒者割合が上位の区と下位の区では、2倍以上の開きがあることがわかる。じつは、この大卒者割合と平均所得には大きな関連が見られる。大卒者割合上位3区の文京区、中央区、千代田区は、平均所得においても上位の区だ。


一方、大卒者割合が少ない足立区、葛飾区、江戸川区は、平均所得においても下位グループであり、とくに足立区と葛飾区はワースト1、2位である。


大卒者割合・平均所得・私立中学進学率の共通性
さらにもうひとつ興味深いデータがある。私立中学進学率だ。


東京都の『令和5年度公立学校統計調査報告書』によると、私立中学進学率トップ3は、文京区49%、中央区43%、港区42%で、ワースト3は、江戸川区11%、足立区13%、葛飾区14%である。


文京区、中央区は大卒者割合でもトップ3に入り(港区は9位)、江戸川区、足立区、葛飾区は同じく大卒者割合でワースト3の区である。


そもそも、日本の社会構造上、大卒者とそれ以外では生涯賃金に大きな開きが出る。学校卒業後にフルタイムの正社員を続けた場合の60歳までの生涯賃金(退職金を含めない)を比べたとき、男性の場合は大学卒で2億5,000万円、高校卒で2億円、女性の場合は大学卒で2億円、高校卒で1億5,000万円となっており、男女とも5,000万円もの差が出るのだ(『ユースフル労働統計2023』)。


以上のことからわかるのは、大学卒の親は高収入の職に就きやすいため所得が高く、その子どもの私立中学進学率(イコール中高一貫校進学率と考えられる)も高くなる傾向が見られるということだ。


もちろん、公立の中学校に入学しても、将来的に大学・大学院を卒業し、高所得を得るケースはいくらでもある。


ただ、東京23区においては、大卒者割合・平均所得・私立中学進学率には共通性があり、区によって大きな格差があることも事実である。


榊 淳司(監修)


不動産ジャーナリスト


東京・首都圏 後悔しない住環境リサーチの会(著)












コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

貧困東大生が感じた絶望。9割が「金持ち家庭出身」なのに自覚がない東大生

2024年11月09日 21時03分51秒 | 教育のこと
はじめまして、現役東大生の布施川天馬と申します。学生生活の傍ら、ライターとして受験に関する情報発信などをしています。  

突然ですが、東大生になるためには何が必要だと思いますか? 東大に合格するためには、いったいどんなものが恵まれていればいいんでしょうか? おそらく多くの人は「頭の良さ」と答えると思います。勉強ができて、天才的な頭脳がある人が東大に受かる、と。しかし、それは違います。答えは「金」です。 

8/4/2020
 実は東大生の9割は、金持ちの家庭出身。金がないと頭が良くても東大に合格できないのです。 

東大生の実家の約60%が「世帯年収950万円」

 東大が実施している「学生生活実態調査」という資料があります。このアンケートは「学生の男女比率」や「大学に改善してほしいこと」はもちろんのこと、「東大生の実家の世帯年収」までも項目に掲げている、かなり赤裸々な内容です。 

 その「実家の世帯年収」を見ると、面白い事実がわかります。なんと東大生の実家の世帯年収は、その約60%が「年収950万円」を超えているのです。(2018年度東京大学実施「学生生活実態調査」)  全国の世帯年収の平均額が550万円前後なのに対して、年収900万円以上の世帯はわずか16.1%しかいません。(2018年度厚生労働省実施「国民生活基礎調査」) 


裕福な家庭出身の比率が圧倒的に高い東大生

 また、全国にわずか3%ほどしか存在しない年収1500万円以上の世帯出身者が東大には3倍以上も存在しています。  この異常さがわかっていただけるでしょうか。東大という非常に狭いフィールドには、全国まわってかき集めたとしても2割にも満たないような上流階級の子供たちが集中しているのです。


幼少期から「重課金」されてきた東大生
 では、そこに通う学生たちの意識はどうでしょうか。彼らは意外にも自分たちが恵まれた環境で育てられたとはまったく思っていないようなのです。より正確には「自分たちの家庭は”普通”の環境だった」と、全員が口をそろえて答えます。しかし、実際のところはそうではありません。彼らの経験、暮らしについて聞いていくと、見栄えのいいエピソードばかりが溢れ出てきます。  

たとえば、先日Twitter上で、東大から海外の有名大学に進学したということでバズっている方がいらっしゃいました。その方がいうには、「自分は中流家庭の出身」だそうなのですが、話をよくよく聞いてみると「幼少期の頃に外国へ留学させてもらった」というのです。  

当然ですが、海外留学には非常にお金がかかります。渡航費、生活費、学費に緊急時の医療費なども考えれば、数百万円は優にかかることでしょう。そんなお金を捻出できるような家庭が「中流階級」といえるのでしょうか。 

 この例はかなり特殊なものでしたが、「小学生から高校までずっと大手学習塾に通っていた」という人は当たり前のように存在します。  

一般的な大手学習塾は、年間で100万円近い費用がかかります。たとえば、河合塾や駿台予備校などの大学受験コースは、年間で70万〜80万円ほどの授業料がかかります。もちろん夏期講習費用などを加算すれば、当然もっと増えていきます。100万円を超えることも珍しくはありません。 

 加入するコースによって費用は変わってきますが、これを小学校高学年から高校3年まで続けると全体で1000万円近い出費となります。念のため断りますが、これは中学校や高校の学費とは別です。学費とは別の教育費としてこれだけのお金がかかります。


あくまで自分の家庭は「普通」だと認識
 また、東大へ実家から通う学生の話を聞くと、実家は広尾や武蔵小杉、白金台などのいわゆる東京や神奈川の一等地エリアの地名ばかり。タワーマンションの高層階に住んでいるという人も多くいました。 

 一人暮らしの学生はどうかと言われれば、相場にして家賃10万円以上だろうという家に住んでいる場合が多かったように感じます。赤坂某所にある守衛付きマンションの一室を借り切って過ごしているという学生さえいました。  


一度、同級生に向かって「君はこんないいところに一人で住んでいるのか」と聞いたことがあるのですが、彼から返ってきた答えは「親が金はいくらでも出すから、住みやすいところに住めと言ってくれた」というものでした。 

『キテレツ大百科』の「逆さにすると無限に金が出てくるサイフ」を連想した自分がいました。誰もがみな金持ちであるというわけではないでしょうが、私の周りにはそういった人が多かったように思いました。しかし、そんな彼らに「へぇ、すごいね!」と声をかけると、決まって返ってきた文句があります。 「いやいや、うちなんて全然。普通だよ!」 「普通」とはなんでしょう? 

全国的な世帯年収の「普通」をいうのなら、彼らの実家の年収は、むしろ「異常」に当たる数字です。


実家の資産次第で教育に格差が生まれる「階級制度」
 私が東大に入学して、一番初めに心を折られたことは、英語の先生に心ないダメ出しをされたことでも、難解な文献を漁ることでもなく、東大生の多くが「自分の実家は普通である」と心の底から信じ込んでいることでした。  

おそらく彼らは本心でそう思っているのです。彼らはその水準の暮らしを幼少期から続けてきており、また、ある程度上流階級にいるような人々との交流を通して育ってきたからこそ、「自分たち以下の暮らし」がまったく想像できないのではないかと思います。  昭和、平成、令和と時代は変わりますが、未だに日本の受験界は生家の財産が物をいう実質的な階級制度が残っています。  

この現状を一刻も早く断ち切らなければ、「金持ちはいい教育を受けさせられるのでエリートになり、また金持ちになる。貧乏人はいい教育を受けさせることができず、落ちこぼれ、また貧乏になる」という状況が固定化されかねません。  

あまりにも馬鹿げた話です。ですから、今を生きる私たちが行うべきは「エリートを伸ばすための高価な英才教育」とは異なる教育を求めることです。大切なのは「いかにお金をかけずに効率よく学ぶか」といってもいいでしょう。そのためには無駄をそぎ落とし、「いかに節約するのか」ということが大変重要になります。  

世帯年収300万円台の家庭で育った私は東大ではかなり異色な存在です。そんな私が試行錯誤のなかで見出した「お金を使わず効率よく学ぶ方法」を発信することで、硬直した高等教育の現状を少しでも変えていければと考えています。 布施川天馬

1997年生まれ。世帯年収300万円台の家庭に生まれながらも、効率的な勉強法を自ら編み出し、東大合格を果たす。最小限のコストで最大の成果を出すためのノウハウを体系化した著書『東大式節約勉強法』が発売中
1 2 3 4





コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする