コロナ禍で「結婚に近づけた人/挫折した人」。明暗を分けたのは…
5・28・2020
山本早織
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―[結婚につながる恋のはじめ方]― 皆さん、こんにちは。結婚につながる恋のコンサルタント山本早織です。 緊急事態宣言が解除され、少しずついつもの生活に戻りつつある方もいるのではないでしょうか。ずっとオンラインでデートしていた人たちもやっと堂々と出かけることができるということで、一気に関係が深まる人たちも増えてきそうです。
オンラインという環境を味方につけられた人もいれば、オンラインをうまく生かせず、婚活が停滞してしまった人もいます。今回はオンライン婚活で失敗する人の特徴についてお伝えさせていただきます。
非常事態で明らかになる価値観…
新型コロナウイルスで全世界的に環境が大きく変化し、影響を受けなかった人はいないくらい価値観が変わったのではないでしょうか。婚活業界もこれからはオンラインとオフラインの融合が必要だといわれています。
実際、Zoomが一気に普及し、どんな場所にいても近くに感じられるくらい気軽に人との交流ができるようになりました。また、だからこそ実際に会ったときにしか得られない相手の温もりや感情、エネルギーを直接感じられることがとても貴重だと知ることができました。
Zoomだけで出会いから真剣交際まで行くことができている人もいる一方、まったく鳴かず飛ばずな人もいます。 婚活歴3年のレイジさん(仮名・42歳)はアプリ婚活を1年経験し、結婚相談所へ入り2年。私のもとへは定期的に恋愛コンサルを受けに来てくれる方でした。「旦那さんにしたら優しくて穏やかで素敵な人になるのではないかな」と感じられる方で、3年も婚活をしているのが不思議なくらい。
月に最低でも3人くらいの女性とお見合いをし続けており、過去には結婚を考えて真剣交際をしていた女性もいました。しかし、残念ながら交際終了になってしまい、モチベーションが落ちてしまった時期もありながら、なんとか前向きに婚活を継続していました。
3月下旬から、少しずつオンラインでのお見合いを提案されるようになりましたが、まだ緊急事態宣言前だったこともあり、「オンライン」か「対面」かを当人同士の希望を踏まえて決めていました。ところが、レイジさんはその期間、一度もオンラインの提案は受けず、「やはりお見合いは対面が一番相手を知れる」と対面を希望し続けていました。
コロナ禍でも婚活を前進できた人は何が違う?
コロナ禍においてパートナーとの関係が進む人とそうではない人の大きな違いは「オンラインへの捉え方」にあります。 レイジさんは、「オンラインでは相手を知ることができない」「自分をきちんと見せることができない」「そもそも常識的にオンラインでお見合いなどあり得ない」……というふうに考えていました。
※写真はイメージです
しかし、コロナ禍にオンラインで婚活が進展している人というのは「オンラインだとお互いがリラックスしている家の中でコミュニケーションが取れるので素が出やすい」「出会いという点ではとても効率的で時間的、金銭的なコストが少ない」という考え方の持ち主でした。 同じオンライン婚活をするにしても、そのことに対して「どう考えているか?」というのがポイントです。
レイジさんは緊急事態宣言が出てもなお対面を望んだため、お会いするのを6月以降に設定し、決まっているお見合いを延期にしました。その間に当然、女性のほうはレイジさんと関係ないところで前へ進むため、決まっていた縁も切れてしまいました。オンラインでの交流をポジティブに考えられなかったため、すでにやりとりを開始していた女性とも疎遠になってしまったのです。
柔軟性は結婚後も大切な要素 婚活に限らず、結婚生活ではさまざまな環境の変化に瞬時に対応をしなければならない局面があります。
ITの進化で社会全体のスピードが上がっています。「当たり前」や「常識」にとらわれ、新しい考え方や価値観を受け入れられなかったり、ポジティブに捉えられなかったりするといい結果を得られず逃してしまうこととなります。
物事はメリットもあれば、デメリットもあります。オンライン婚活という言葉に対してポジティブに捉えられないと感じてしまっている方がいたら、ぜひメリットとデメリットを考えてみましょう。
オンライン婚活を拒絶した結果、レイジさんはイチからの再出発となりました。本人は焦りもあるかと思います。
ただ、レイジさんはやっとオンラインへの価値観を変える決断をし、定期的に私とZoom恋愛コンサルをすることになりました。「固定観念にとらわれていました」と反省し、「今後はお見合いを対面でできるようになってもマメにオンラインデートも入れていけば相手との交流が進みやすいかも」とポジティブに捉えられるようになってきたようです。
オンライン婚活はまさしく新しいジャンルであり、さまざまな意見もあります。しかし、オンライン婚活に限らず、自分の固定観念にとらわれ過ぎないことがこれからの結婚には必要かもしれません。
デマや陰謀論に騙される人が後を絶たない。なぜ彼らは間違った情報を信じてしまうのか。
3・11・2021
文筆家の古谷経衡氏は「生産性や合理性が求められることで長考する機会が失われ、人類はむしろ昔よりもだまされやすくなった。そこには『短慮』『即断』という名の悪魔が潜んでいる」という――。
■日本にも「Jアノン」を信じる人たちがいる
少し前まで、人類が手にできる情報はわずかで、かつ遅いものであった。
近世期の江戸幕府中枢は、長崎に居たオランダ商館長による所謂「オランダ風説書」によって、フランス革命の勃発を知ったが、そこには1年程度のタイムラグがあったという。
現在、地球の裏側のささいな事件であっても、情報は時差なく世界中に拡散される。
ただし、人類の情報処理能力は中・近世とさほど変わっていない。情報が増えているのに、人類の能力は変わっていないため、相対的に人類はどんどん「バカ」になっているように見える。
冥王星とその衛星カロンにまで無人探査が出来る時代になっても、アメリカの急進的なキリスト教原理主義者の一部は、進化論を否定し地動説を信じている。
先日も、米国の「Qアノン」の信奉者らは、「3月4日にトランプ前大統領が再び就任する」などというデマを信じ、騒ぎを起こした。失笑してしまうが、日本にも「Jアノン」を信じる人たちがいる。
(中略)
■「低リテラシー」の人々はいつの時代も常に存在した
しかし一方で、こう考えることもできる。時代に関わらず、また国家や共同体を問わず、デマを流すもの、
それを信じる者という所謂「低リテラシー」の人々は、「常に一定程度存在してきた」と言えるのではないか。
要するに、恐怖心は人類普遍の感情であるが、それに抗しきれず流言飛語を流すもの、便乗する愉快犯、
またそれを垂直的に信じてしまうリテラシーのないものは、いつの時代や社会でも常に集団の中で一定は居る、という類推である。
批判的精神を持たず、他者の言説に無批判で、デマの発生源を自ら確認することなく惑わされるという人々が必ず居る。
だがそれは逐次否定され、デマは沈静化することから、彼らは常に存在するが社会の中ではマイノリティであり続ける。
彼らがもし社会の大勢を占めるならば、デマは訂正されることなく際限なく広がり続け大規模な騒擾が起こるはずだが、
その都度公的機関が取り締まりを実行し、メディアが否定することで、時間と共にデマは消えて行くことからも、「低リテラシー」の人々は世論に影響を与えるだけの量的規模を持たない。
■人類は昔に比べてより「バカ」になった
だからと言って今後も必ず起こるであろう巨大地震のたびに発生するデマを、ただ座して甘受しておけばいいのかという話にはならない。
地震とデマは必ずと言ってよいほど相関するが、国民皆ネット時代になった現在、その伝達力はけた違いである。
幕藩体制期、江戸から大坂まで早飛脚を用いても情報通信は最低3日(片道)かかった。だが現代、ネットや電話を介せばそこに時間差はない。この速さはある種の恐怖である。
南海トラフや首都直下型地震という、将来起こるであろう超巨大地震の際、デマは一瞬にして全国津々浦々に拡大するだろう。
そこから発生する急性的な騒擾は一次的には官憲の手におえないで暴走する危険性をはらんでいる。
要するに一人の人間に浴びせられる情報量は昔に比べるとけた違いに増えたが、それを受容する人間側は少しも進歩していないという事である。
相対的に考えれば、より膨大な情報(それも正確な)を得られる環境になったにも関わらず、
低リテラシーの人が相も変わらず存在するという事実は、人類は昔に比べてより「バカ」になった、と判定せざるを得ないのである。