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藤井王将が挑む名人の最年少記録 「破られても光栄」谷川浩司十七世名人

2023年03月09日 23時03分36秒 | 文化と芸能

藤井王将が挑む名人の最年少記録 「破られても光栄」谷川浩司十七世名人(毎日新聞) - Yahoo!ニュース




 


藤井王将が挑む名人の最年少記録 「破られても光栄」谷川浩司十七世名人

3/8(水) 23:49配信
36コメント36件

名人獲得までの歩み

 史上最年少で棋士となり、最多連勝記録や10代初の5冠達成など数々の新記録を打ち立ててきた将棋の藤井聡太王将(20)が、ついに名人獲得の最年少記録更新を懸けた大舞台に臨む。現在、最年少名人記録(21歳2カ月)を持つ谷川浩司十七世名人(60)は「藤井王将がA級入りした時は複雑な気持ちでしたが、これだけの成長ぶりを見れば『記録を破られても光栄なこと』と気持ちが変わってきました」と明かした。 

【将棋界の一番長い日 対局場に入る藤井聡太王将】 

 藤井王将は進行中の王将戦と棋王戦以外に、これまで11のタイトル戦を戦い、全てを制してきた。

「持ち時間が長いタイトル戦で、序盤でも1時間以上じっくり腰を据えて考えることで力を付け、成長している。対戦相手が負けまいと懸命に研究をぶつけるほど、藤井王将は対局後にその戦法を研究して、より強くなった」と分析する。

  追い風もあった。東京、大阪に続く第3の対局場として昨年6月、名古屋将棋対局場が開場。A級順位戦でも使用され、愛知県瀬戸市に住む藤井王将は全9局中6局を名古屋で指した。谷川十七世名人は「(東京、大阪で)2泊3日かけて対局していたのが日帰りで済む。東京、大阪の棋士と公平な条件になり、研究に充てる時間が増えたのも大きい」とみる。

  谷川十七世名人はA級1期目の第41期名人戦(1983年)でタイトルに初挑戦し、21歳2カ月で最年少名人となった。当時の最年少名人記録は中原誠十六世名人の24歳9カ月で、この年に奪取できなくても記録更新のチャンスはまだ3回あった。それでも七番勝負では開幕3連勝し「とんでもないことをしているんじゃないか」との思いが頭をよぎったという。 

 その後、棋士養成機関の奨励会に三段リーグができて棋士になるハードルが上がり、「自分の記録を破るのは無理かな」と考えていたという。しかし、藤井王将が破竹の勢いでA級に駆け上がった。羽生善治九段(52)が7冠を達成した時と比べても「ここが弱点、というところが見当たらない」という。 

 1月に出した新著で、藤井王将が名人戦の挑戦者になれば「5割以上奪取するだろう」と書いた。藤井王将は渡辺明名人(38)を対戦成績で圧倒している(8日現在で15勝3敗)ことが理由だが「渡辺名人もこれまで以上にさまざまな秘策を講じて七番勝負に臨むでしょう」と歴史に残る名勝負を期待している。

【丸山進】







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アジアで戦争が起きることをNATO長官が警告、ウクライナでロシア勝利により中国が台湾に軍事侵攻を始める可能性

2023年03月09日 22時03分28秒 | 国際情勢のことなど



アジアで戦争が起きることをNATO長官が警告、ウクライナでロシア勝利により中国が台湾に軍事侵攻を始める可能性


2023/03/09(木) 11:33:



Russian victory in Ukraine could push China to invade Taiwan, NATO chief warns

ウクライナでのロシアの勝利により中国が台湾に侵攻する可能性があるとNATO長官が警告
NATO chief Jens Stoltenberg warned "what happens in Europe today can happen in Asia tomorrow" suggesting that Beijing could be watching the 

NATO のイェンス・ストルテンベルグ事務局長は「今ヨーロッパで起きていることは明日アジアで起こりうる」と警告。北京はロシアとウクライナの戦争を注視しており、同様となる台湾への侵攻がどのように機能するか確認していると示唆した。

NATOはウクライナにおけるロシア次第で中国が台湾に侵攻するか決まる可能性があると警告している。

NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は、ロシアの勝利は中国が台湾を武力で襲い強奪することを促す可能性があるとした。

彼は「今ヨーロッパで起きていることは明日アジアで起こりうる」と述べている。

ウクライナでの戦争結果は北京で下される結論に影響を与えており、それには台湾も含まれるという。

「プーチン大統領が国際法を破り、軍事力を行使することで彼が望むウクライナ関係を達成することは北京の指導者らも軍事力を行使することで彼らの望みが達成できるというメッセージになります。」

彼は都市バフムトがあと数日で崩壊する可能性が明らかになった時にコメントしました。

中国の習近平国家主席は平和的な再統一を訴えていますが、必要であれば武力行使もあり得ると述べています。

ここ数カ月、中国の陸海空軍は台湾海峡で何度も軍事演習を行っています。
ストルテンベルグ氏は「中国が台湾を侵略することを懸念している」と言います。

北京とワシントンの関係はここ数年で最も緊迫しています。今週初め、アントニー・ブリンケン米国務長官は中国はウクライナ戦争でロシアを武装させるつもりだと主張します。

火曜日、北京の新外相は米国がこのまま同じ路線を続けるなら「破滅的な結果」をもたらすと警告しました。

英紙ミラー ソース英語 2023/3/8 『Russian victory in Ukraine could push China to invade Taiwan, NATO chief warns』



Russian victory in Ukraine could push China to invade Taiwan, NATO chief warns - World News - Mirror Online 


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夕焼け雲です

2023年03月09日 19時03分46秒 | 日々の出来事
夕陽の照り返しですね❗



3/4/2023
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「敵は2分でできるけど>味方をつくるのは3カ月」―林真理子

2023年03月09日 16時03分49秒 | 教育のこと



「敵は2分でできるけど、味方をつくるのは3カ月」――林真理子が挑む、組織改革と人生の後半戦(Yahoo!ニュース オリジナル 特集)






敵は2分でできるけど、味方をつくるのは3カ月」――林真理子が挑む、組織改革と人生の後半戦

3/6(月) 10:00配信
30コメント30件
(撮影:米田渉)

1980年代に初エッセー『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーに。直木賞を受賞後はジャンルを超えた小説を書き続け、話題作を世に送り出してきた作家・林真理子(68)。彼女が、日本大学の理事長になり8カ月がたった。田中英寿元理事長が脱税事件で有罪判決を受け揺れる母校からのオファーは、青天の霹靂。

「あきれるほどマッチョな組織体質が一連の不祥事の背景にあった。息のかかった男性ばかりで周囲をかため、一人の理事長が13年間も絶対的権力を振るってきた。ウミを出し切らねば」と覚悟を決めた。慣れない大学経営に悪戦苦闘しながらも組織改革を進めている。初めての女性トップならではの苦労はあるのだろうか。林が考える人事や会議の「コツ」とは?

(取材・文:城リユア/撮影:米田渉/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部/文中敬称略)


「普通のオバサンが大学にやってきた」

(撮影:米田渉)

日本大学・本部にある理事長室で、林真理子はインタビューに応じた。創立133年の歴史で、この部屋の主となった女性は初。雑誌連載の一部をやめ、平日は10時半頃から夕方まで出勤している。さまざまな部署にノーアポでふらりと立ち寄っては、大学職員たちに菓子を差し入れし、一緒に食べながら雑談に花を咲かせることもあるのだと笑う。

 「仕事以外のプライベートなこともよく話しますね。昨日の会食でこんな芸能人に会ったのよ、みたいな私の自慢話とか(笑)。

以前より風通しはずいぶんよくなったんじゃない? だってほら、普通のオバサンが大学にやってきたわけですから。私は威張らないし、公正だし、陰でコソコソしないで言いたいことはハッキリ伝えるし」 就任直後は会議の多さと、そのメンバーの大半が中年男性であること、大学用語の難しさに衝撃を受けたという。

「伏魔殿のように恐ろしいところでは?」と友人たちに心配されたが、「旧体制の方々はすでにいなくなり、みなさんとても協力的ですね」とほほえむ。


2022年7月1日、日本大学の理事長に就任し、記者会見。右は学長に就任した酒井健夫(写真:アフロ)

「ただね……私を“お飾り理事長”に据えて、暗躍したかったのかしら?という方々の気配は、なんとなく感じてきました。いま考えると、親切にアドバイスしてくれたのは、自分を理事に推してほしかったからなのかな?とか。

でも、シガラミも“俺が世話してやったのに恩知らずめ”みたいな恨み節も全部無視して、まっさらな自分の気持ち一つで、心から信頼する方々に理事をお願いしました」 “お飾り”どころか、改革のオオナタを振るいはじめた。

 事件をつまびらかにするため「特別調査委員会」を新設。すでに第三者委員会が動いていたこともあり、「そこまでしなくても」と反対意見もあったが、「このままでは世間が許さない。もう一度見直しましょう」と押し切った。

 「みんなの意見を聞いて状況を見極め、ときにはグイッと判断するのが理事長の手腕。日大の年間予算って約2600億円と巨大ですが、非常識なほどの高額で外部企業に発注していた“ぼったくられ体質”も問題視しました。いまは金額や使い道が妥当なのかしっかり理事会で精査しています」




0人だった女性理事を増やし、お茶くみ業務は廃止
記者会見で「新しい日大 N・N」のボードを掲げた(写真:アフロ)

大学職員のジェンダーギャップの解消にも早々に着手した。ずっと0人だった女性の理事は、24人中8人に。

 「私の理事推薦枠は2枠のみ。いろんな場所で女性を増やしたいと言いまくっていたら、みなさんが思いを酌んでくれ、優秀な外部の女性たちから積極的に候補者を募ってくれました。ありがたい限りです。教育やビジネス分野で課題解決に取り組んでこられた女性も多く、会議で上手に人を説得する方法など、私もたくさん勉強させてもらっています」 メンバーが刷新されたら「会議はとても長くなった」。

旧体制時代は根回し優先で議論にすらならなかったが、いろんな意見が飛び交うように。大学職員の人事も大胆に改革した。仕事ができると噂の日大グループの地方職員がいれば面談し、要職に就けた。 日本大学全体に7人のみだった女性課長は、林の抜擢により10人となった。時代錯誤だった秘書室職員による役員へのお茶くみ業務をやめ、女性職員に不評だった和式トイレを洋式にする“トイレ革命”も進める。


 「理事長室へ決裁をとりにくる、つまり立場が上の女性職員が増えてきて、すごくいいことだと思っています。ただ、女性管理職はまだ全体の3%程度。ハードルは高いです」 「一朝一夕に変えるのは難しいけれど、まずは女性課長、次に女性部長と着実に増やしていきますよ。よく『女性は役職に就きたがらない』と言われがちだけれど、そんなことはないと思う。うちは働き方改革の成果もあって育児休業制度も整っているから、昇進後も働きやすいんじゃないかな」

(撮影:米田渉)

子育てをしながら働く大変さは自身が痛感してきた。44歳で娘を出産してからの日々をこう振り返る。 

「仕事と家庭の両立なんてしてこなかったし、そもそも両立なんて無理。それくらい子育てと、夫に文句を言われながらこなす家事は大変でした。幸い私には経済力があったから『いつでも別れて自立できる』っていう心の余裕もあった。だからこそ波風立てず我慢して今日までやってきました。こう言うと意外に思われるでしょうけど」 それでも、「どんなに子育てや家事が大変でも、女性は仕事を絶対に手放さないほうがいい」と言葉に力を込める。

 「人生って、突然いろんなことが起こりますよ。急に結婚したくなったり、子どもがほしくなったり。そうした場当たり的な運命を信じつつも、大切なのは、それらを乗り切るための体力・気力・経済力を全部持っておくこと。常々私はそう思ってきました」



「敵は2分でできるけど、味方をつくるのは3カ月」
(撮影:米田渉)

大学以外に目を向けると、日本企業の管理職に占める女性の割合は平均9.4%(2022年・帝国データバンク調べ)。

 「コンプラ重視のこの時代でも、やっぱり女性に何か言われるのが嫌な男性って一定数いるし、女性管理職はなにかと反発されがちですよね。働きづらさを感じている方は多いと思いますよ。ただ、『男の人が悪い』と言ったらそれまででね。“ムッとする男性”のせいにしてしまったら、それ以上の発展は望めません。男性と良好なパートナーシップを築く視点は、組織改革の上でも重要。正直、手間はかかるし大変だけど、ここは結果を出して尊敬されていくしかない、人間的な魅力で丸め込んでいくしかないんです」 「そうなると大切なのは、やっぱり日々の対話だよね。対話のなかで、この人やっぱりできるって、思わせなきゃいけない。女性管理職ほど、対話が大切だと思います」

 「敵は2分でできるけど、味方をつくるのは3カ月かかる」が信条だ。会議では絶対に誰かを名指しで批判しないし、自分に反対意見をぶつけてくる人も大切にしている。 

「わざわざ面と向かって反対意見を述べる人って、いい人なんです。陰で何か思ってる人は会議では言わないものですから。いい人とは、あとでしっかり話せば意図を理解してもらえるし、通じ合えるんです」


就職活動では40数社から不採用。卒業後はバイトで食いつないだ
コピーライター時代

学生たちには、伝えたい言葉がたくさんある。 1982年、28歳だった林は、初エッセー集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』がベストセラーとなった。“女性のねたみ、そねみ”を率直に綴り、「女性がこんな薄汚いことを書くわけがない」と大バッシングを受ける鮮烈な作家デビューだった。しかしそこに至るまでの道のりは順風満帆とはほど遠く、就職活動では40数社から不採用通知を受け取ったという。大学卒業後は4畳半の部屋に暮らしながら日給1800円の日雇いバイトで食いつないだ。

 「根拠のない自信だけ、持っていました。『私は本当はスゴイんだ』って。22年も生きていればなにかしら褒められた小さな成功体験ってあるじゃない? それを夜寝る前に大切に噛み締めて。将来有名になったら、私を落とした出版社から執筆依頼がきても書いてやらないんだから、なんて夢想して。人に言わない限り一人で勘違いしている分には、いいじゃない? 謎の自信が若い自分を支えてくれることもある」 直木賞を受賞後、ヒット作に恵まれなかった “失われた10年間”には、「直木賞をとっただけの作家とは言わせない」と新境地の小説に挑み続けた。渾身の伝記小説が柴田錬三郎賞を受賞したと聞いたときは、電話口で涙。あの10年間はいま、「人生で最も胸を張れる期間」だという。 

「頑張らなくていい、マイペースにやればいい。いまは、そんな優しい言葉のほうが受け入れられやすい風潮がありますよね。もちろん疲れた人はゆっくりやるのもいいでしょう。でもまだ何もやってないうちから、そうした優しい言葉を自分のモノにしてしまうのはどうなんだろうとは、思います」


以下はリンクで




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実験室で培養した「ミニ脳」をバイオコンピューターとして使用するというアイデアを研究者が提唱

2023年03月09日 15時03分48秒 | 医学と生物学の研究のこと


2023年03月02日 06時00分サイエンス

実験室で培養した「ミニ脳」をバイオコンピューターとして使用するというアイデアを研究者が提唱



近年話題となっている人工知能(AI)は、人間の脳に触発されたアプローチによって大きな進歩を遂げています。そんな中で学際的な研究チームが、ヒト幹細胞を基に作られた脳オルガノイド(ミニ脳)を生物学的ハードウェアとして使用する「Organoid intelligence (OI/オルガノイドインテリジェンス)」というアイデアを提唱し、実現に向けたロードマップを説明しました。

Frontiers | Organoid intelligence (OI): the new frontier in biocomputing and intelligence-in-a-dish
https://www.frontiersin.org/journals/science/articles/10.3389/fsci.2023.1017235

Scientists unveil plan to create biocomputers powered by human brain cells - Science & research news | Frontiers
https://blog.frontiersin.org/2023/02/28/brain-organoids-intelligence-biocomoputing-hartung/

Scientists unveil plan to create biocomputers | EurekAlert!
https://www.eurekalert.org/news-releases/980084

Lab-grown minibrains will be used as 'biological hardware' to create new biocomputers, scientists propose | Live Science
https://www.livescience.com/lab-grown-minibrains-will-be-used-as-biological-hardware-to-create-new-biocomputers-scientists-propose



脳オルガノイドは人間の脳をそのままミニチュア化したものではないものの、学習や記憶といった認知機能に必要不可欠なニューロンやその他の脳細胞など、脳機能や構造の主要な部分を持っています。また、一般的な培養細胞とは違い立体的な3次元構造を有しているため、細胞密度が高くニューロンがより多くの接続を形成できるとのこと。



すでに脳オルガノイドを使用した研究は数多く行われており、薬物が脳に及ぼすメカニズムについての研究やラットの脳損傷を人間の脳オルガノイドで修復するという研究が報告されています。また、脳オルガノイドに卓球ゲームの「PONG」をプレイさせることに成功したという研究結果もあります。

実験室内で培養した人の「ミニ脳」にゲームをプレイさせることに成功、AIよりも速いわずか5分で習得 - GIGAZINE


そんな脳オルガノイドを生物学的ハードウェアとして使用するアイデアとそのロードマップについて発表したのが、ジョンズ・ホプキンズ大学で細胞培養や薬理学について研究するトーマス・ハルトゥング教授らの学際的な研究チームです。ハルトゥング教授は、「私たちはこの新たな学際的分野を『オルガノイド・インテリジェンス(OI)』と呼んでいます。この技術は、高速でパワフルかつ効率的なバイオコンピューティングの新時代を切り開くと確信しています」と述べています。

「いくら脳オルガノイドが人間の脳を模倣する上で優れているとはいえ、コンピューターにはかなわないのでは?」という疑問に対し、ハルトゥング教授は「シリコンベースのコンピューターは確かに数字に強いですが、脳は学習に優れています」とコメント。たとえば、2016年に人間のトッププロを打ち破ったことで話題を呼んだ囲碁AIの「AlphaGo」は16万試合ものデータで訓練されており、人間がこれほどの試合経験を積むには1日5時間の対戦を175年以上続ける必要があります。しかし、人間はこれよりはるかに少ない時間とエネルギーコストで囲碁の腕前を磨くことができ、学習時間やコストに対するパフォーマンスでは人間に軍配が上がるとのこと。

また、ハルトゥング教授は「脳には推定2500TBもの情報を保存する驚くべき能力もあります」「小さなチップにこれ以上トランジスタを詰め込むことはできないため、私たちはシリコンコンピューターの物理的限界に達しつつあります。しかし、脳はまったく異なる配線をしており、約1000億個の神経細胞が1015個以上の接続点を介してリンクしています。これは現在のテクノロジーとは比較にならないほどのパワー差です」と述べ、脳オルガノイドをコンピューティングに使用する利点を訴えています。



研究チームは脳オルガノイドを使用してオルガノイド・インテリジェンスを構築するため、さまざまな点での改善が必要だと記しています。たとえば、記事作成時点の脳オルガノイドには約5万個の細胞が含まれていますが、オルガノイド・インテリジェンスには脳細胞の数を1000万個まで増やす必要があるとのこと。さらに、生物工学や機械学習などの分野を組み合わせ、脳オルガノイドと情報をやり取りする通信システムや、データを記録するツールも開発する必要があります。すでにハルトゥング教授らの研究チームは、2022年8月に発表した論文で、脳オルガノイドと信号を送受信できるブレイン・コンピューター・インターフェースを開発したと報告しました。



脳オルガノイドの利用に期待が高まる一方で、学習や記憶する能力を持ち、環境と相互作用できる脳オルガノイドを作成することは、複雑な倫理的問題を提起します。すでに脳オルガノイドに原始的な目を発達させることに成功したという研究結果があるほか、脳オルガノイドから赤ちゃんの脳波に似た信号が検出されたという報告もあります。

皮膚の細胞から培養した極小サイズの脳から赤ちゃんの脳波に似た信号が検出される - GIGAZINE





論文の共著者であるカリフォルニア大学サンディエゴ校のアリソン・ムオトリ教授は、すでに脳オルガノイドが赤ちゃんの脳波を模倣できることがわかっており、麻酔をすると人間の脳と同様に脳波がフェードアウトすることも判明していると指摘。脳オルガノイドの意識がどれほどのものか測定するため、ムオトリ氏らは意識の有無の尺度であるPerturbational Complexity Index(PCI/摂動複雑性指数)を収集する研究を行っているとのこと。

科学者らは脳オルガノイドが何らかの意識や知性を獲得する可能性があると考えているものの、実際に人間のような意識が発生するかどうかは不明です。スタンフォード大学で生物科学から生じる倫理や法的問題について研究するハンク・グリーリー教授は、科学系メディアのLive Scienceに対し、「互いに接続されたニューロンが何個あっても知的なものにはなりません。私が100万個の切石を積み上げてもシャルトル大聖堂ができるわけではなく、ただの切石の山にしかならないでしょう。実際の脳を作るのは脳細胞の構造、つながり、そして環境なのです」とコメントしました。



ハルトゥング教授は「私たちのビジョンの重要な部分は、倫理的かつ社会的に責任のある方法でオルガノイド・インテリジェンスを開発することです。このため、私たちは当初から倫理学者と提携し、『組み込まれた倫理』アプローチを確立しています。すべての倫理的問題は倫理学者・科学者・そして一般の人々で構成されるチームにより、研究の進展と共に継続的に評価されることとなります」と述べ、倫理的配慮を持ってオルガノイド・インテリジェンスの研究を進める姿勢を見せました。


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