2番手は、前長野県林務部長、現北信木材センター長の高野弌夫(かずお)さん。
前の「長野県林務部部長」さんです。
でも、ちっとも偉ぶってもいないし、難しい話もしない素晴らしい方。
長野県は「森林県ではあるが、林業県ではない」とおっしゃり、いかにして林業県にしてゆくかを、お話していただきました。
全国的に、山に積極的に植林されたのが、昭和30年から40年代。私が生まれたのが37年なので、私の年で替わりにお話します。
現在人間の年では45歳。「最盛期」と言っても良い年ですが、「木」にとっては、「15歳」くらいの感覚。「Wood year」と表現されていました。人間の約1/3で考えるそうです。
そうすると、まだ、「高校生」。 しっかり稼げ !と言っても、まだまだ無理。それどころか、これから20歳までが伸び盛り。ここでしっかり成長しないと、将来の稼ぎが出来ません。
高校生に今出来るのは、せいぜいアルバイト程度。これが「間伐材の利用」に当たります。間伐材でしっかり稼ぐのはちょっと無理。だって、アルバイト程度どすもの。
将来に向けて、しっかり成長する為に、「今この時の『間伐』が必要」とのことです。木の身長がまだ10年伸びるこの時に、間伐して、しっかり「光」が当たるようにしないと、木が「太り」ません。太らないと、背は高いが、ひょろひょろしていて、木としての利用価値が上がりません。
日本以外では「林業」は商売として成り立っているそうです。日本の林業が成り立たないのは、「木がまだ十分に成長していないから」。「高校生」にはいまは無理ですよね。でも、長さの、太さも、十分に成長いた時には、しっかり稼げます。
木の成長を、人間の成長になぞらえて、わかりやすく、楽しく説明していただきました。こんな楽しい、うれしい講演会はちょっとありません。もっともっとたくさんの方に聴いていただきたいので、林研では、定期的に講演会を開催します。今後も、御注目ください。
休憩時間に四賀アカマツの木製品の展示と、100年ものの木の展示に、皆さんの注目が集まりました。木目のきめ細かさが秀逸です。是非、製品化したいものです。
長文の記事、最後までお読みいただいて、ありがとうございました。
高野先生の魅力的な講演を表現出来なくて、申し訳ありません。