土佐の民家風ログハウス、アイビーログ工房 

http://ivy-log.com/住みたい!!高知が元気になる家。アイビーログ工房の木の家には物語が生まれます。

スローウッドハウスの勧め。

2013年07月23日 21時45分55秒 | Weblog

雨も降らず、暑い日が続きます。昨日は大暑、暑いはずです。

夏祭りもあちこちで行われています。カフェ営業終了後、家の近所の神社の祭へ寄りました。

賑やかではありませんでしたが、歳をとったせいか、これぐらいのシンプルな、小さな祭りの方がほっとして安らぎます。スローフードと言う言葉があるが、これはファーストフードに対抗してできたようだが、それにとどまらず、生き方、文化に対しての提言ともいえる物だ。世界が狭くなり、価値観が均質化して来て、日本なら何処へ行っても、コンビニがあり、同じものを売っていて地方の文化が失われている。それが世界中に広がるのは、民主主義としては正義だが、豊かな食文化の喪失に繋がっていることへの危機感から生まれた言葉だそうだ。「工業製品が全て悪いとは言わない。工業製品にもいい物もたくさんあるが、宣伝費も無く、時代の速度について行けない、質の良い小生産者が瀕死の状態であるのは動かしがたい事実。進歩に逆行しようとは思わないが、より知的に進歩して行きたい。」と言っている。家も同じ。古い物が全て良いとは言わないが、我々が建てている、なるべく建材を使わず、地元の素材だけで創る木の家には、性能では語れない安らぎがある。ポスト&ビームの家に、15年生活して来て思うのは、今が良いと思える事だ。確かに設備は古くなり、杉の丸太は飴色に変わり、土佐漆喰も、薄緑色から、乳白色に変わって来たが、嫌ではなく、変化が好ましく感じられる。新建材で建てた家ではこうはいかない。壁紙も古び張り替えが必要だし、張り物のフロアーは生活する上で、キズが付き、地の合板っが見えて来る。リフォームして見ると、合板は20年が張り替え時だと感じる。スローな造りの木の家とは、別の考えの家作りなのだ。大切に次世代に引き継げれる家作りがこれからは必要だ。家の性能を、宣伝文句通り受け止めるのは止めよう。それが50年後100年後どうなるか、その時どう言う生活が出来るか考えると、余り間違ったチョイスはしなくなると考えている。新建材の家で100年住む事は不可能ではないかもしれないが、豊かな生活は、私には想像出来ない。スローな作りの木の家には、豊かな人生があると感じている。

 


楽しい物語を創って行きましょう。

2013年07月18日 21時38分08秒 | Weblog

国産薪ストーブの設置と、差しかけ屋根を付けて来ました。国産ストーブのほとんどが、私達が普段使っている外国産の薪ストーブと反対に、煙突を上から挿すように作っている事を、改めて認識しました。タールが流れて困ると思うのだが、そう言う風にシングル煙突が作られています。エアーコントロールがきちんと出来てない初期の頃、絞ったりせず、全開で焚きタールが出なかったからなのか、外部に出した煙突から、雨が入るからなのかは解りませんが、面白いなと思いました。普通に考えれば、国産のやり方が正しそうなのだが、使って見ると、受けるように刺した方が良いのです。本気で暖房に使っている歴史の長さが違うからでしょう。でも日本人は改良の天才。もう少しすると、メイドインジャパンの薪ストーブが、機能もデザインも最高だと言う時代が来ると期待しています。まだ薪ストーブは贅沢品みたいな感じもあるようですが、良い薪ストーブは、エコロジーで安全な実用品。我が家では無くてはならない、心豊かに暮らす必需品です。

輸入のマシンカットログハウスに付けた差しかけ屋根。雨がログ壁に当たらないようにとの施主さんの思いやり。角材でOKなのだが、アイビーログ工房の仕事。せめて地元の丸太を使ってやろうと頑張りました。丸太は細いのですが、マシンカットの壁と比べると、かなり大きく感じます。丸太を使うと作業は大変なのだが、そこに物語が生まれます。この木は、ストックヤードに出てきた曲がり材を、山中さんがどうですか使ってくれませんかと声をかけてくれた材です。皮をむき、刻み、チップになる木が、こうして形になり、主屋の壁を守る庇の構造になる。曲がり木は個性豊かで楽しいオンリーワン。手間をかけた分、物語も豊かになる。手間をかけ、楽しい物語を作って行く事が楽しい文化を作り、豊かな高知、日本を創って行きます。


オーガニックであり、美しい建築。

2013年07月12日 09時22分36秒 | Weblog

山北ミカンのおやつが、毎日食べられるY邸現場。贅沢です。山北は、古くからミカンのブランド産地として有名な所。甘い糖度の高い果汁が、暑さでまいっている体にしみます。この時期にミカンを作る、農家さんの苦労に感謝しながらも、遠慮なく、戴いております。ミカン好きには、かなり幸せな現場です。

左官さんも入り、着々と完成に向けて、工事は進んでいます。ダブル梁を支える柱に電気スイッチの線が、なにげ無く出ていますが、これも職人の拘り、どうして線を通したか考えると、大変さが見えて来ます。中田電気さんは、不可能を可能にしてしまう電気屋さん。普通の電気屋さんだと、簡単な方向に逃げてしまうが、美しさを考えると、大変でもトライし仕上げる。これは見習うべき考え方です。こんな職人さんが、苦労しても参加したい家を建てて行きます。アイビーログ工房の建築は、オーガニックであり、美しい建築です。美しさとは、実用があり、無駄が無い事。オーガニックとは、持続可能性がある事。


次世代省エネ基準?

2013年07月09日 09時13分06秒 | Weblog

香南市山北の現場、着々と工事は進んでおります。今回の工事の目玉は、・・・。まあ完成してから見学会を行っても良いと、施主さんのお言葉がありました。実際見て判断して下さい。今回新しい取り組みもやっております。新しい事は、手間がかかりますが、少しずつ良くしていく事で、飛び抜けた存在になると思っております。先日次世代省エネ基準の講習会がありましたが、少しがっかりしました。簡単に言うと、隙間を無くし断熱材を詰めエネルギーロスを極力少なくする事と、発電設備を買い、自前のエネルギーを持つスマートハウスにして行く事が、国の指針だそうです。結局、家の構造とかは関係無しに、断熱材を大量に使い、防水テープを大量に使い気密性を高め、太陽光発電等発電設備を買い、家を建てなくては、銀行の融資も、国の補助金も貰えませんと言う事だそうです。これは、地方は、中央から物を買い、家を建てなさいと言う事に他なりません。地方の素材を使い、地方の知恵で作るエコロジーな家には、融資も補助も出さないなんて、変ですよね。これが国の政策だなんて。これでは、地方は貧乏になりなさい。30年後のゴミを増やして行く家を建てましょうと言う事。ましてや持続可能な家とはなり得ません。断熱材を使い、断熱性能を高めるのは良いとしても、従来の製品では無く、環境に負荷のない、自然に帰る素材を使うのなら価値もありますが、大きな会社のやりたい方向に流されて行く建築方法は、支持出来ません。これからの建築は、大量生産に向かうのではなく、個々の価値基準により、建てられていく方向に向かうべきだと感じています。確かに省エネは大切ですが、断熱材を作るのに、大量のエネルギーを使い、又始末するにも困る物を売る、こんな政策では、未来に希望は作れません。お金が無くては暮らせない世の中です。しかし少しおかしいなと感じています。賢い消費者になりましょう。次世代に負担はもう残すべきではない。


残したいと思う気持ちは、大切です。

2013年07月04日 08時49分25秒 | Weblog

香南市のY邸、順調に工事進んでいます。しかし雨が続き、いの町の板倉ポスト&ビームは、まったく作業出来ずにいます。梅雨だからしょうがないのですが、さすがに、これだけ雨が続くとうんざり。雨でも仕事出来る状況に感謝するしかありません。やはり日本の建築は、屋根の建築と言われるのもうなずけます。デッキも雨ざらしだと、7年前後の寿命しかないのも、木にとって過酷な湿潤な気候である事が、実感出来ます。今多く問い合わせがあるのは、デッキの差しかけ屋根や、サンルームの増築工事。晴れた日の解放感は良いのですが、雨が続くと、やはり濡れない場所が欲しくなるのは当たり前と言えば当たり前の話。

写真は8年前ログハウスオブザイヤーで優秀賞をいただいた、さくら動物病院。2mの庇は雨から木を守り、中古梁を使って作ったベンチも未だに現役。

時の流れを感じさせる本物の古美。エイジング加工が流行る今。本物の古びはには、やはり敵わないと実感しました。家は芸術のように爆発的インパクトはありませんが、ずーっとそこに立って、感性に与え続ける力は、他の何物より強い物です。美意識や感性等の文化を創る力があると考えています。30年程度で建て替える建築は文化となり得ません。使い捨て文化なる言葉がありますが、悲しい言葉だと思います。建てるなら、本物の自然の素材で、次世代に残したい建築を建てましょう。残したいと気持ちは大切です。