丸太の刻み進んでいます。今日は雨で、仕事はお休みです。先日撮ったW梁とシングル梁。
近くで見ると、黄金色に眩しいくらい輝いています。丁寧に表面を洗い、タワシで磨き仕上げています。人が黄金に高い価値を付けるのは、其の不変性もありますが、木、本来の持つこの色に感動したからだと、今、私は感じています。先日、物部ストックヤードの山中さんが、丸太を持ってきた時、山師の方が、自分の伐った木、そしてログハウスに使うのだからと、丁寧に出した木で作った家を、見てみたい。と言っていたと、言ってくれていました。それを聞いて私は、ひどく感動しました。山とつながっていると。こんな建築に携われている事に、本当に感謝しました。香南市に建つ、Y邸完成の時には、山師の方チーム全員に、招待状を送りたいと考えています。そこで施主さんと話、想いを伝えられれば、この建築が100年の命を持つ事は、ほぼ間違いないと確信出来ます。今の建築は細分化されすぎ、予算を削られ、家自体の性能より、家具や設備の価値が重要となってきていますが、家を建てることは文化を作る事と、重なる部分が多く、生き方、想いの入ってない建築は短命に終わり、文化となり得ません。想いを受け継がれる建築は、買うものではなく、創るものだと考えています。
新人ビルダーが来て仕事中。新人と言っても、長野県で7年間修行して、今年8年目のログビルダーの長畑君です。手始めに、シングル梁を製作してもらっていますが、工房に、新しい風を吹かして貰いたいと思っています。やり方が違うので、最初のうち少し緊張気味ですが、直ぐに慣れたようです。アイビーログは、手工具を良く使うので、少しやり方が違いますが、良い方を取り入れて行こうと考えています。伝統は革新の繰り返し。常に新しい可能性にチャレンジして行ける、工房でありたいと考えています。そこでもう一人、新人募集をしたいと考えています。今回は次世代に繋げる為に、20代の方を募集します。経験は問いません。給料は安いと考えて下さい。それでもやりたい方を募集します。少し前になりますが、ログハウスには未来があります。と言っていた人を思い出します。私も、未来は自分で創る物だと考えています。丸太を使う、ログ建築には、未来があると私も思っています。次世代に引き継がれる可能性の高い建築を、一緒にやりましょう。
だんだん形になって行く現場。刻みも頑張らなければと改めて思いました。少し前は、鉄筋の検査も無く、検査もそれ程厳しくはなかったのですが、今は個人が出きる範囲を越え、専門家にお任せするしかなくなったのには、少し疑問が残ります。自己責任が基本で、どんな家でも一律の規制には無理を感じます。ハウスメーカー等の、25年程の寿命の家に、これ程の鉄筋をする必要があるのか?壊す時の事を考えれば、大変なエネルギーがいると考えます。昔の、石の礎石の上に建てる建築が、環境問題を考える上では、何とエコロジーな事かと、考えらされます。ただ弱いからダメと言うのも、幼稚な考え、人それぞれチョイスする自由があっても良いのでは。
たとえばこんな平たい基礎の上に家を置く事も、免震を考えれば良いと思うし、経費削減に繋がります。建築に、もっと自由を、そこから革新は生まれる。法律でがんじがらめにするほど、抜け道を探す人を生む気がします。