ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

関西3泊4日~詰め込み大作戦~ その9

2014-05-01 17:16:37 | 旅行(道外)2012〜2017
鳥居に導かれるように、ひたすら参道を歩いていきます。

「お山巡り」の参拝路は、山の頂上を経由し、先ほどの「四つ辻」までグルッと一周して戻ってくるという順路になっています。どちら回りで進んでも特に問題は無いそうです。どっかの心霊スポットみたいに「反対回りで進むと異界に引きずり込まれる・・・」なんていう心配もありません。
僕は何となく右回りで進むことに。


山の奥へ進むにつれ、参拝客の数はさらに減ってきました。会うのは山頂から下ってくる人ばかりで、僕の後ろに続いて階段を上ってくる人は全くいません。

果たして、無事に山頂を巡って帰って来られるのか・・・。「不吉なモノに出会いやすい」という「逢魔が時(→「おうまがどき」。夕暮れ時・黄昏時のことを言う)がしだいに迫りつつあるのが気がかりです。

色のくすんだ歴史のありそうな鳥居も増えてきて、さすがに少し怖くなってきました。



参道の脇には、たまに参拝客の休憩用のお茶屋が建っています。いかにも歴史のありそうな木造の建物ばかりで趣深い。
ちょっと中に入ってみたかったんですが、どの場所も店じまいの準備をしていました・・・あぁ残念。
それにしても店のご主人、ここに住んでいるのでしょうか。住居兼用っぽかったので恐らくそうだとは思いますが、もし毎日ここまで往復されているのなら凄すぎます。



参道の脇に、石碑や狐像、ミニ鳥居がいくつも密集している場所が現れてきました。
そう。これが「お山巡り」の道中に繰り広げられている信仰空間。「お塚」と呼ばれるものです。







参道の到る所にこのような場所が存在しており、ただただ圧巻というしかありません。
全国の個人や団体が、稲荷大神にそれぞれオリジナルの別称をつけ、それを石碑に刻んで山に奉納しているのです。
それぞれの石碑の表面に刻まれている神様の名前は確かに異なっており、まさに「八百万の神」がいらっしゃいます。

「神仏分離令」により、個人や民間が信仰していた神を「稲荷大明神」として祀る事とされたため、この「お塚」の空間が誕生したと言われています。



どの場所も鳥居や狐像が数え切れないほど置かれていて、不思議な雰囲気を醸し出しています。





お塚には、長年の年月の経過で角が取れ、丸くなって表面にはビッシリ苔が生えているという物もたくさんあります。
僕には想像できないほど前から、この深い森の中にひっそりと、人知れず建ち続けていたということが一目見ただけで分かります。
それを守る狐の像とともに・・・。

数々の塚の間を縫うように歩いてみると、あまりの雰囲気に圧倒されてやはり恐怖心を抱いてしまいます。しかし、ひとけの殆ど無い深い森の中、それぞれ表情の違う狐様に見つめられながら壮大な信仰空間を垣間見る、というのは非常に魅惑的な体験でした(^-^)


「お塚」の空間の散策もそこそこに、先へ進まなければいけませんね。
この時点で、「お山巡り」のどのあたりまで進んできているのかは全く分かりませんでした。
あと何時間かかるのか分からないし、その間にも夕暮れは迫っています・・・。
写真撮影も最低限にとどめ、少し急ぎます。







まだまだ続いていく階段の上り。相変わらず鳥居が途切れる事はありません。
あとどれぐらいで山頂なのか?という事ばかり考えてしまいます。

いきなり薄暗くなる森の中。たまに出会う数少ない人影は、やはり頂上から降りてくる参拝客ばかり。
こんな時間に頂上まで向かっているのは、もしかして僕一人なのでは・・・?」と不安になったのは言うまでもありません。
風も強くなってきて、あらゆる場所でこちらを見つめる狐像がまた雰囲気満点で怖い。


ひたすら目の前には真っ赤な鳥居、鳥居、鳥居・・・。どこまでも連なる鳥居。
この光景が一生終わらないような錯覚を抱きます。



いよいよあちら側の異世界に飲みこまれてしまったのか、と散々心配したところで、急に目の前が明るくなり、人の声も聞こえてきました・・・。


どうやら山頂に着いたようです!(ホッ。)


標高233メートルと、意外と高くない山頂には「上社」があり、ついさっき登って来たであろう数人のグループがお参りをしていました。
なぁ~んだ、みんな反対側から登ってきてたのか~。

いきなり森が暗くなったのも日が沈んだからではなく、ただ山の影になっていただけでした(笑)。騙されました。まさに狐につままれたような・・・。(^_^;)

山頂からの景色は、残念ながら木々に遮られているので何も見えませんでした。
しかしここまで来る事が出来た、という達成感は格別です。





下りの参道にも、膨大な数の「お塚」が祀られた空間がたくさん。まさに山全体が、人々の信仰心がつくりあげた壮大な聖域だという事を実感します。
・・・それにしても、参拝客のほとんどが左回りで登ってきているようで、僕はただ一人、逆走状態でした(汗)。
本来正しいのは左回りだっけ・・・?




下界に戻ってきました。

夕日が眩しいです・・・。
聖域からようやくコッチの世界に帰って来たんだ・・・とやけに安心します。
無事に伏見稲荷の参拝が終わって良かった♪



この時は、まだ―

今晩泊まる予定の宿が恐怖の館だということは夢にも思っていなかった・・・。

そのおぞましい正体を知った時、楽しい関西旅行は一変し、

僕はロクに眠れずに、おびえた一夜を過ごす事になるのである。



次回!
とんでもない宿に泊まってしまいます。


続く。
コメント
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