西行物語 佐藤義清
佐藤義 そもそも靜かに案ずるに、にんじんを受くること、ぼんてんより糸をくだして、大海の底なる針をつらぬくがごとしといひ、また、佛法に會ふこと、まうきのうきぎの穴に逢へるに同じと...
西行物語 菩提心
発菩提心 かくて、日西に傾き、月東にいづるほどに及びて、あひしたしき佐藤さゑもんのじ...
西行物語 出家
出家 年頃にしやまのふもとに相知りたりけるひじりのもとに走りつき、あかつきがたに及び...
西行物語 伊勢
伊勢 さてもだいじんぐうにまうではべりぬ。みもすそがはのほとり、杉のむらだちの中に分け入り、一の鳥居の御前にさぶらひて、はるかにごてんを拝し奉りき。 そも/\たうしや、三宝のみ...
西行物語 伊勢別院
伊勢別宮 花の盛りにもなりければ、かみぢやまの櫻、吉野の山にもはるかにすぐれたりければ...
西行物語 東下り 天竜川
東下り 天竜川 すでにあづまのかたへ下るに、ひかず積ば、とほたうみのてんちゆ...
西行物語 東下り 小夜の中山
小夜の中山 西行、心強くもどうきやうの入道をば追ひ捨てたりけれども、年頃あひなれし...
西行物語 東下り 岡部
岡部 ただひとり、嵐の風の身にしみて、憂き事いとど大井川、しかいのなみを分け、涙も露...
西行物語 東下り 清見潟
清見潟 かくうちながめて行くほどに、はつあきかぜも身にしみて、いつしか野邊のけしきもあ...
西行物語 東下り 富士
富士 するがの國にかかりて、ざいちゆうじやうの山は富士のねいつとてかといひけむも、こ...