鴨長明方丈記之抄 治承の辻風1 吹きまくる間に
吹まくる間に其中に籠れる家共 大なるもちいさきも一としてやぶれざるは なし。さながらひらにたふれたるもあり けたはしらばかり残れるも有。又門の上 を吹はなちて...
鴨長明方丈記之抄 治承の辻風2 かの地獄の業の風なりとも
聞えず。地獄の業風なりともかくこそ はとぞ覚えける家の損亡するのみな らず、これをとりつくろふ間に身をそこな ひかたはつけるものかすをしらず。此風ひ つじさるのかた...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都1 都と定まりにけるより
都とさだまりにけるより後すでに数百 歳をへたり。ことなくてたやすくあらたま るべくもあらねば、これを世の人たやすからず 愁あへる様ことはりにも過たり。されどとかく いふ...
明月記 建仁二年七月廿日 寂蓮逝去
明月記建仁二年七月廿日。天晴る。午の時許りに參上す。左中弁の云ふ、少輔入道逝去の由、其の子天王寺の院主、内府に申すと云々。未だ聞き及ばざるかと。これを聞きて即ち退去す。已に軽服の身...
百人一首拾穂抄 寂蓮法師
寂蓮法師 俗名定長 中務少輔 從五位下 俊成卿猶子。實俊成弟醍醐俊海阿闍梨乃子也。 御抄云、明月記云建仁二年七月廿日午時計參上左中 ...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都2 軒を争ひし人の住まゐ
軒をあらそひし人のすまゐ日を經 つゝ荒行家はこぼたれて淀川にうか び地は目前に畠となる。人の心皆あへ たまりて、たゞ馬鞍をのみをもくす牛車 を用とする人なし。西南海...
歌論 無名抄 近年會狼藉事
近代會狼藉事 この比人/\の會につらなりて見ればまづ會所の しつらひよりはじめて人の装束のうちとけたる さまをの/\がけしきありさまみだれがはしき事 ...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都3 内裏は山の中なれば
内裏は山の中なればかの木丸殿もかくやと 中/\やうかはりて、優なるかたも侍りき。日〃 にこぼちて川もせきあへずはこびくだす家 いづくに作れるにかあらん。猶むなしき地 は...
鴨長明方丈記之抄 福原遷都4 都の条里たちまちに
都の條里たちまちにあらたまりて、たゞ ひなびたる武士にことならず。これは世の 乱るゝ瑞相とか聞をけるもしるく日、をへ つゝ世中うき立て、人の心もおさまらず 民の愁つゐに...
葛飾北斎 百人一首乳母が絵とき 藤原道信朝臣 浮世絵復刻コレクション
百人一首 宇波が縁説 前北斎卍 藤原道信朝臣 明ぬれば くる...