鴨長明方丈記之抄 養和の飢饉3 いわんや川原などには
かり。いはんや川原などには馬車の行ちがぶ みちだにもなし。あやしき賤山がつも力つき て、薪にさへともしくなりゆけば、たのむかた なき人はみづがら家をこぼちて市に出 てう...
歌論 無名抄 俊成清輔判偏頗事
俊成清輔哥判有偏頗事 顕昭云この比の和哥の判は俊成卿清輔朝臣さう なきこと也。しかあるをともに偏頗ある判者なる にとりてそのやうのかはりたるなり。俊...
鴨長明方丈記之抄 養和の飢饉4 濁悪の世にしも生れあひて
濁悪の世にしも生れあひて、かゝる心うき わざをなん見侍き又あはれなることも侍き さりがたき女男など持たる者は、其心ざし まさりてふかきはかならず死すそのゆへは 我身をば...
鴨長明方丈記之抄 養和の飢饉5 仁和寺に隆暁といふ人
なども有けり仁和寺に隆曉法印 といふ人、かくしつゝ数しらず。しぬることを かなしみて聖をあまたかたらひつゝ、其死者 の見ゆるごとに、阿字を書て縁をむす ばしむるわざ...
鴨長明方丈記之抄 養和の飢饉6 辺地などを加えて
邊地などをくはへていはゞ際限も有 べからず。いはんや諸国七道をや。近 くは崇徳院の御位のとき長承の比 かとよ。かゝるためしは有けるときけど 其世のありさまはしらず。まの...
百人一首解 白雪著 かささぎの渡せる橋
百人一首解 かさゝぎの哥 中納言家持 其元の御抄には色々の古事ヲ出ス。是ハ不好。此哥の 見やうは貞徳云、此哥の鵲のはしはたゞ天の事也。哥 の心は霜天満と云義...
鴨長明方丈記之抄 元暦の大地震1 都の辺には
とはせり。况や都のほとりには在々所々堂 舎塔廟一として全からず或はくづれ、或 はたふれたる間塵灰立上りて盛成 煙のごとし。地の震ひ、家のやぶるゝ音 いかづちにことならず...
よみくせ入伊勢物語 下 元禄九年版 蔵書
よみ●せ入 伊勢物語 下 近代以狩使事為端之本出来末代之人今案也。更 不可用之此物語古人之説〃不同或云在中将之自 書或称伊勢筆作就...
鴨長明方丈記之抄 元暦の大地震2 築地の被の下に
ついひぢのおほひの下に小家を作りて、 はかなげなる跡なしことをしてあそび 侍りしが、俄にくづれうめられて、あとか たなくひらにうちひさがれて二の目など 一寸ばかりうち出...
読癖入伊勢物語 四十九~五十五段 蔵書
五十三段 逢ひがたき女 四十九 業平ノイモウト むかし男いもふとの、いとおかしげなりけりを、見をりて ...